お蔵入りの2nd『CAUGHT IN A WARZONE』(’15年)を世に出して復活の狼煙を上げた英国のMILLENNIUMが、'17年に発表した再結成第一弾アルバム。つまり3rdか? 中心人物のマーク・ダフィ(Vo)は、TORANAGAの復活作も水準以上の内容に仕上げてくれた実績があるため(あっちの作曲者は別人だけど)、聴く前からある程度信頼はしていましたが、「今時の若い奴らには負けへんでぇ!」とばかりにのっけからアグレッシブなGリフが繰り出される1曲目のイントロだけで、こちとら思わず顔が綻んでしまったという。 アグレッシブといっても、無理して流行に手を染めてみました…なんてことは勿論なく。長らくMILLENNIUMの唯一作だった1stでは、どちらかと言えばPRAYING MANTISの系譜に連なるメロディアスなHMサウンドが持ち味だった彼らが、本作ではエピック・メタルのエッセンスを楽曲に注入し、より勇猛且つ重厚な――言うなればTORANAGAとMILLENNIUMの合わせ技一本!――なサウンドを提示。どんより薄曇りなメロディを拾っていくマークの歌唱はデビュー当時から変わらぬヘタウマっぷりを保ち続けており(褒め言葉)、収録各曲から漂ってくるNWOBHMの匂いを的確に増幅してくれています。そんな彼の錆声Voと、印象的なフックを構築するツインGを十全に活かしたアップテンポ①⑩、アコギに始まりエピカルな盛り上がりを呈する④、好戦的にしてキャッチーな⑥、本編最速ナンバー⑪等は、現役バンドとしての気迫と英国産HMの伝統が巧みに溶け合わされた、復活MILLENNIUMならではの名曲に仕上がっているのではないかと。 ここまでやってくれるとは…、と期待を上回る出来栄えに脱帽させられる1枚。