シンガーのジョシュ・クレイマーのパフォーマンスがロブを彷彿とさせる事でマニア筋の間で話題になったバンドの2nd。本家が『TURBO』から『RAM IT DOWN』だっただけに、こちらは初期の匂いは発散しつつも時代性にアジャストした作りになっており、ある意味、こちらの方がらしいんじゃないのかと思える程の完成度を披露。モノマネではなく、この声ならやっちゃう方が無難だろう、イヤイヤむしろ無理に避ける方が不自然だよ、言えるほどのロブ・ハルフォードな歌声を存分に生かした厳つ目の楽曲は、全てにおいて前作を凌ぐ出来栄え、また力んで歌うだけでない⑤のような肩の力を抜いたナンバーにおける憑依ぶりには目を見張りますね。JPのモノマネだとマニアから激しく言われたら、ギャフンとしか言い返せませんが、でもこのレベルでやられると文句も出ませんね。似ているけど、やっぱり違うんだよなぁ、でもソックリなんだよなぁ、と微妙な空気を味わい、彼らのオリジナルティな部分と本家に肉薄するダイナミズムを楽しみたいですね。
なんとなくバンド名から推察出来るオレゴン州出身クリスチャンHM/HRバンドが1986年にリリースした1st。のっけからJP風味満載の楽曲で幕が開け、そのまま最後まで突き進むヤリきり感が清く『Point of Entry』あたりのアルバムに収録されていても気がつかない程のクオリティを保持、まさに本家に肉薄する勢いだ。手触りのよいキャッネスさや単純明快な疾走感はないが、メタルってのはこういう曲を指すんじゃないのと言えるミドルナンバーの数々に大いなる期待感を抱かされますね。生粋のJPマニアを自負する猛者なら手にとって本家との比較をするのも楽しみでしょうね。単なるフォロワーで片付けるのは惜しいと思いますよ。
名曲“LEGIONS OF THE DEAD”を収録する自主制作EP『WARRIORS OF THE SON』で'84年にデビューを飾った4人組が、'86年にPURE METAL RECORDSから発表した1stフル・アルバム。 ロブ・ハルフォードの生霊を憑依させたかのようなシンガーのイタコ真っ青な歌唱を筆頭に、JUDAS PRIESTに瓜二つな音楽性がマニアの間で評判となった彼ら・・・と書くと、単なる物真似バンドと思われるかもしれませんが、逆に「メタル・ゴッドと聴き紛う程のクオリティを有していた」とも言えるわけで。 もっさりとした音質に、まとわりつく垢抜けないマイナー・メタル風味と、アメリカのバンドらしいキャッチーさが加わった2nd『TOO LATE FOR LIVING』の名盤っぷりにはまだまだ及ばないまでも、デビューEPに比べると肩の力が抜け、ロブ・ハルフォー度を増したシンガーの歌唱から、前作より練られたフレーズを閃かせるようになったGまで、バンドとしてのレベルは格段にUP。中期JUDAS PRIESTばりの光沢を放つ③⑤⑧といった正統派HMナンバーが提示するカッコ良さは、(ゴールドクロス級とまでは行かずとも)とりあえずブロンズセイント並の破壊力は感じさせてくれる逸品です。 車田まさみ風に言うところの、「彼らはようやく登り始めたばかりだからな。この果てしなく遠いJUDAS PRIEST坂をよ・・・」と、SAINTの今後に大いに期待が持てる1枚。(事実、次作で大当たりを出してくれる)