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Nacht (Usher-to-the-ETHER)


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Nacht

2014年発表の1st。

韓国産独りアヴァンギャルド・シンフォニックブラック/ゴシックとのことですが、確かに凄く独特な作風ですね。通常のシンフォブラックのようなトレモロ+ブラストで押すようなパートは少なく、ロック調だったり4つ打ちなどを取り入れた変則的な展開と、若干Rawさを残したバンドサウンドとアトモスフェリックなキーにより非日常感を演出する、少し変則的な音。

但しこのバンドにおいて最も特徴的なのは、クリーンヴォーカルの多さ+そのスタイルの特異さだと思います。同郷のSAD LEGENDもかなりヴォーカル重視でしたが、こちらは更にヴォーカルオリエンテッドな感じ。高音もほぼ女声に近いものからエッジとビブラートを過剰に掛けた、ヘビメタ然とした鋭い頭声を使い分けてますし、低音で嘆くような声でゴシック的な悲哀を醸し出したり、やたらイキんだがなり声を使ってみせたり、とにかく芸達者。中音域の歌唱における力強いビブラートのせいもあって、浮かんできたジャンル名は「演歌調アトモスフェリック・ブラック」でした(笑)。

なんとなくですが、雪の降り頻る岬での男女の別れ的な、演歌風の情緒のある光景が時々浮かんでしまう作品なんですよね。独特であることは間違いないと思いますので、変り種ブラックが好きであれば聴いてみるのもいいかも。

Usher-to-the-ETHER ★★ (2015-08-22 16:40:26)