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Néant (Usher-to-the-ETHER)


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Néant

2014年発表の1st。
バンド名は「黒い嵐」、アルバムタイトルは「虚無」の意味でしょうか。

ジャンルとしては、鬱系寄りのポスト/アトモスフェリックブラック…というカテゴリの音になりそうですが…「ポストブラック」という言葉の持つ柔和さ…ある意味での生やさしさを排除し、持ち前のアトモスフェリックさがブラックメタル本来の苛烈さを更に強調して体現する、肌を刺すような凍てつく空気感を感じさせるブラックという感じですね。CATAMENIAのメンバーが参加しているだけあって、北欧の寒々しく人を寄せ付けないムードを演出するリフは絶品。

一応、他のポストブラックのようにアルペジオで聴かせる「静」のパートは若干あるものの、ミッド~スロー部分でもリフの音色には摺り込む様な刺々しさが感じられたり、ヴォーカルもナレーション的な語りは挟みつつも、クリーンで歌い上げたりせず悪意を込めたがなり声に徹しているなど、とにかく寒々しく苛烈であることを念頭に置いたような音なんですよね。個人的には、余り「ポスト」な方向に行き過ぎて攻撃性を失ってしまうのは好きでないので、これくらいのバランスが丁度良いと思ったり。

ポストブラック特有の儚げで繊細なムードも感じさせつつ、あくまで厳かでミサンスロピックな空気感を大事にした作品。演奏時間こそやや短めですが、かなりお勧めです。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2015-09-13 11:27:09)