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1. Usher-to-the-ETHER ★★★ (2015-11-10 23:49:37)

2015年発表の2nd。

近年、特にメタルを専門にしているわけでもない某レンタルショップにすら嬢メタルのコーナーがあったり、CYNTIAやALDIOUSくらいの知名度のバンドであれば普通に貸し出しを行っていたりなど、女性ヴォーカルをフロントに据えた、いわゆる「嬢メタル」がかなりの支持を受けているようですが…その中でも最も私の好みにフィットするバンドを見つけたかもしれません。

シンフォメタルの絢爛さと、ゴシックの耽美さを兼ね備えつつ、歌モノであることとテクニカルな演奏が主張する事を両立させたメタル…という感じの音ですが、最早「嬢メタル」を通り越して「姫メタル」とでも呼びたくなるような華美で可憐な世界観が特徴。ポップスのキャッチネスにメタルの大袈裟さを掛け合わせた歌メロ、それを十全に引き立てつつ主張も激しい楽器陣と、非常に聴き応えのある音。

…なんというかこのバンド、感性的に幼いころからゲーム音楽の派手でキャッチーなメロディに慣れ親しみ、V系を始めとした分かりやすい攻撃性のかっこよさのあるバンド音楽を聴いて育った、私たちくらいの世代に直撃なものがあるんですよね。音圧の高いギターや暴れるドラムもそうだし、ゲーム音楽に通じるメロディがそこかしこに出てくるのも熱い。「Suite Museum」のジャジーなパートのメロディは艦これの夜戦の曲でしたっけ?に似てるし、「Last Melody」は紅魔郷の頃の東方+ACID BLACK CHERRYっぽい。

あと個人的にですが、歌詞の世界観が凄く魅力的なんですよね。少女趣味だけど気高さがあるというか、何か憧れを抱いてしまうような世界観。一般的なメタルのマッチョイズムなイメージからはかなり掛け離れた世界観。その歌詞の世界観を表現するのが、ちょっと声楽っぽさの入った、ビブラートを掛けて歌い上げる陶酔的なヴォーカル…というのも実にマッチしていて素晴らしいです。

今年は日本のメタルもかなり良質なリリースが多かった印象ですが、現時点ではその中でベスト作品を決めるとしたらこれが第一候補ですね。とにかく歌謡メタル好きで派手な音楽が好きな人で、まだ聴いていない人がいれば非常に勿体無いと言わざるを得ません。



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