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THE WIZARD'S DIARY VOLUME ONE (2005年)
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THE WIZARD'S DIARY VOLUME ONE
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解説 - THE WIZARD'S DIARY VOLUME ONE
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1. 失恋船長 (2022-02-15 19:40:23)

ロシアでは大スターとなるケン・ヘンズレー。全ては70年代の短い期間に残した偉業のおかげなのだろうが、西側とは違うロシアでプチスターというのがなんとも涙を誘います。
今の若い人にはどなたでょうとなりますよね。とにかく晩節を汚しまくりチョイチョイ、自分から出て行ったヒープの曲で食いつなぐ人生に涙を禁じ得ません。同情はしますが共感は出来ない自分勝手は男。スター気取りが最後まで抜けず、誰とコラボしても長続きはしなかった男。今で言えばイングヴェイ・J・マルムスティーンあたりを当てはめて頂ければ分かりやすいでょうが?そこともチョイと違うのがポイントです。インギーは、コンポーズとプレイは維持できている。

今作もジョン・ロートンとのコラボ、そしてジョン・ウェットンとの接近などあったがモノには出来ず、その後にリリースされたユーライアヒープの楽曲をカヴァーした企画モノアルバム。
バックはロシア人ミュージシャン、オーケストラも参加とケン・ヘンズレーを囲み、国威発揚とも言うべきスタイルになっている。

唄もギターもオルガンも何でもこなすケン。毎度の事ながら弱々しいレンジの狭い声で気持ちよさそうに歌っています。③なんて情感豊かに歌い上げるバイロンの真骨頂を味わえるバラードだっただけに、その対比はエグい。④みたいなスローナンバーなら誤魔化せるかもしれないが、やはり演歌歌手に指導する作詞作曲家のようなレベルの唄であり、個性もなくリードシンガーを張れるようなパフォーマンスは最後まで訪れない。勿論、持ち唄の⑧はあるが、あれはライブでもお馴染みのダン吉直美のおまけコーナー、この曲が始まれば皆が手拍子で迎えほっこりとする時間の奴である。モグモグタイムがメインでは困るのだが、今作はケンのソロアルバムお馴染みの覇気が無いセルフカバーアルバムです。

前にも発言しましたが、これをマックスの実力だと思って欲しくない。しかし残念ながら、彼のカタログではかなり良い方である。オリジナルは、ジョン・ロートン、レコーディングはジョン・スローマンが済ませたハードでノリの良い曲⑥だが、ここでは、そのハードさが削がれスローマンが持ち込んだソウルフルなフィーリングは木っ端微塵に吹き飛ばされている。⑨に関しては閉口、名曲⑩の世界観は何処へいったのか?と悪口が止まらないパフォーマンスに終始しています。ラストの⑫も万年最下位の草野球チームの補欠と大谷翔平を比較するようなモノ、上げた以外の曲でも壊滅状態である。

恐ろしいモノで、音楽ストリーミングサービスは再生回数が分かるようになってる。誰のなにが人気なのか。これは残酷な話である。
著名人の評価としては救いようもないのだが、最強の楽曲を最弱の唄が台無しにしたのだから一目瞭然でしょう。

正直、厳しい評価になるのは今の若い人は配信サービスで音楽を楽しんでいる。YouTubeもある。例えばSpotifyだとケン・ヘンズレー人気の曲は、このアルバムの⑧だ、その流れで今作に顔を出せば面食らでしょう。だから断言したい。オリジナルはもっと良いぞである。これでヒープに見切りをつけて欲しくない。
ココにあるのは独りよがりの独居老人による趣味の世界である。そう思えばグッと味が染みるだろう。そして最大の功績はオリジナルの良さを誰しも再確認出来るという一点でしょう。南無阿弥陀仏。



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