オーヴァーキル、大好きです。デビュー当初はともかく、今ではスレイヤーと並び称されるべきグループだと思っています。というのも、オーヴァーキルとスレイヤーは「邪悪さ」において好対照だと思うからです。スレイヤーの邪悪さは、西欧のキリスト教的な世界観に根ざした「悪魔」のイメージに収斂するものですが、オーヴァーキルは人智以前の、自然界のマイナスのエネルギーの吹き溜まりを感じさせる「妖怪」的なバンドで、日本人の僕としてはとても共感しています。このアルバムは、そんなオーヴァーキルの魅力がいっぱいです。個人的にはyears of decayと並んでベストアルバムです。音の壁の中にスキマが感じられて、ヘヴィメタルはロケンローなんだなーと、至福の頭振り振り。half past dead なんて、ジューダスプリーストの the sentinel と同じレベルの世界を感じさせる本当に希有な名曲だと思いますよ。