KANSASの曲では珍しく、Phil EhartとRobby Steinhardtが作曲に関わっている。Philは“Can I Tell You"、“Lonely Street"などに、Robbyは“All The World"などで作曲者としてクレジットされているが、それらはいずれも"いかにもKANSASらしい"曲ばかりであった為、あまりポップさにおいては関心が湧かなかった。が、いざ聴いてみて私は自分が如何に愚かであるかを悟ったのだ。いい意味で裏切られてしまった。そう思った。 帰らずの海への後悔を歌っているにも拘らず、メランコリーを感じるのはフェード・アウト直前のヴァースのみで、後はキーボードを主軸に据えた爽快感さえ漂うポップなナンバーである。プログレは苦手、という人にも聴くに耐えうる一曲だ。(と言うより彼らの楽曲はみなポップでキャッチーなものばかりなのだが)