1984年秋にB!で紹介された、デンマーク出身の正統派ドラマティック・メタル・バンド。邦題「新世紀への挑戦」、でもなぜかジャケットは、梟かモモンガの巨大化した化け物と戦うローマ時代風の戦士が、姫をかばって立ち向かってるという、とてもとてもジャケ買いするにはとんでもなく勇気の要った一枚でした。(とはいえ、一応当時欧州で力のあったRordrunnerのリリースだったかな) 一曲目の日本語のSE「もしもし?わたしよ。よかったら日本に来ない??」に倒れそうになりながら、続いて始まるNightflight To Tokyoに思わず握りこぶしが硬くなる!これは行けそうだ・・・の感触は間違いなくて、旧B面の始まりFight The Fire、そして名曲と言って良いかな、Light Of A Torch、そしてラストまで、一気に聴き切れる、緊張感の途切れない(あのSE以外は)好盤だと思います。 ちなみに、Voの英語が訛ってるとか、音がこもってるとか、音圧レベルが低すぎるとか、言ってはいけません。CDで復刻してくれたことだけでも、感謝感激です。B級のチャンピオン、あげちゃいます。ある意味、B級の醍醐味かも。
女声の珍妙な日本語イントロからスタートする迷・・・名曲“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”の衝撃が未だマニアの間で語り継がれる、デンマーク出身の5人組が'84年に残した唯一のフル・アルバム。(邦題は『新世紀への挑戦』) 活動末期にはアンドレ・アンダーセン(Key)が加入し、後にROYAL HUNTへと発展していく母体となったことでも知られるバンドですが、本作で聴かれるサウンドに「華麗さ」「哀愁」といった北欧メタル的エッセンスは薄め。むしろ前述の名曲①や、本編をアグレッシブに締め括る⑧といったスピード・ナンバーに強く表れている通り、霞がかった音像の下、武骨なGリフと、疾走感溢れるリズム主体に荒々しく押し出してくるダークな作風は、NWOBHMムーブメントの空気を胸一杯に呼吸している感バリバリ。 それでも、アレックス・サヴェージ(Vo)の甘い響きを宿したハイトーンや、時折噴出するヒンヤリと冷気を帯びたメロディからは、隠しようのない彼らの出自が垣間見え、例えばツインGが奏でる劇的なメロディで畳み掛ける⑤や、火花散るスリリングなインスト曲⑥等はその代表格かなと。 小学生の悪夢を顕在化させたかの如きアートワークは頭抱えたくなる酷さですが、でも本作は“NIGHTFLIGHT TO TOKYO”一発に頼らずとも十分戦えるクオリティを備えたB級メタルの名盤ですよ!