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DA・DI・DA (1985年)
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DA・DI・DA
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解説 - DA・DI・DA
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1. うにぶ ★★★ (2016-07-23 22:31:05)

'85年発表の17thアルバムです。1stが'73年で、この時点で17枚目っていう多作ぶりがもう規格外。
ユーミンのアルバムの中でも存在感は地味な方だと思います。有名曲は「シンデレラ・エクスプレス」「青春のリグレット」くらいでしょうか。あとはシングルの「メトロポリスの片隅で」かな。
しかし何度聴いても寸分の隙も無い、圧倒的完成度を誇る超名盤です。1曲目で耳が釘付けになり、3曲目までで曲調の幅広さに翻弄され、中ダレどころか最後の最後まで想定を超えたハイ・クオリティなメロディの連発に度肝を抜かれます。
どんなにつまらないアルバムでも、このアルバムの収録曲のうちのどれか1曲でも収録されていたなら、手放すなんて考えられない。そんなレベルです。(実際に特定の1曲のためだけに所有し続けているアルバムは何枚もあります)
自分がもしミュージシャン志望であれば、こんなものを聴いてしまったら彼我の絶望的な差に打ちひしがれ、夢を諦めてしまうでしょう。天才っているんだなー。
まあ、松任谷正隆の編曲による部分も大きいのかもしれませんが(どこを切っても感嘆を禁じ得ないアレンジ)、尋常でないメロディ展開(典型的ユーミン節とも言えるかもしれませんが)や、楽器としての独特な声質、日本語詞のセンス等、全てをひっくるめて、時代を超えた普遍性(非常に'80年代的ではあるけれども)と個性とを持ち併せた極上J-POP。
荒井由実時代の方が、才気の迸りや鋭さに気圧される感じがしますが、軽みと余裕とを兼ね備えたこの時代も、斬新で刺激的。
私が心底恐ろしいと感じるのは、代表作でもないこういうアルバムに比肩する品質のアルバムを思い浮かべようとしても、彼女以外のアーティストの作品から、ほんの数枚しか浮かんでこないという事実です。(もちろん私個人の価値観/好みであり、私自身はポップス全般に造詣が深いわけでもないのですが)
彼女の作品なんてせいぜい10枚前後しか聴いていませんが、それでも「代表作」「名盤」が数多い中でこんな地味なアルバムがこれだけのインパクトを与えるとしたら、40枚にも届かんとする彼女のアルバムを聴き逃すことはどれほどの損失なのでしょうか。
きっとそのうち、ユーミンの全作品を聴かずには済ませられないのだろうなと確信せずにいられない。そんな衝撃を与える、天才の真価を伝える傑作です。



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