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Maïeutiste (Usher-to-the-ETHER)


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Maïeutiste

2015年発表の1st。

注目のレーベル、Les Acteurs De L’Ombreよりの発売という事で興味を持った一枚。最初の導入部を聴いた限りでは、陰鬱なフォーク要素やスラッジめいた引き摺りリフで暗黒な世界観を演出しつつ、レーベルメイトのPARAMNESIAやTHE GREAT OLD ONES、REGARDE LES HOMME TOMBRE辺りと共通する、邪悪なアトモスフェリック・ブラックを聴かせてくれるんだろうな…と、アルバムの展開に思いを馳せていましたが…半分は当たり、半分は外れという感じですね。

ともかくこのアルバム、ブラックらしい陰鬱さをしっかり感じさせる、良質なアトモス系のブラックであることは間違いないんですが、かなり色々な音楽的要素をぶち込んで来るのが特徴なんですよね。この手には珍しくオールドスクールなリフで押し、ヴォーカルもリズミックに熱く吐き捨てる箇所もあれば、トレモロリフの絡みでメロウに聴かせるメロブラ的パートもあったり。

低音のストリングスを暗黒ドローンのように用い、気が滅入るような雰囲気を演出した上で印象的なアコギフレーズを執拗に聴かせたり、ジャズを可能な限りネガティブに解釈して取り入れたパートがあったりなど、前衛的な要素も惜しみなく取り入れて聴かせます。アルバムの後半、OPETHの「Damnation」アルバムを想起するような、鬱プログレ的パートまで出てきたのは驚きましたが…。

アトモスフェリック・ブラック自体が若干マニアックですが、その中でも更に脇道に行くような作風。76分の長丁場ですが、波長が合えば付き合っていて非常に楽しいアルバムとなると思います。この手らしいダークさはアルバムを通じてキープされてますので、興味がある方は是非ご一聴を。

Usher-to-the-ETHER ★★★ (2016-03-06 22:44:03)