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Dead of Night

Q5の例の作品を"裏名盤"と呼ぶなら(個人的には)本作こそ"裏名盤"と呼びたいが...。
暴論を言えば"あのアルバム"は2曲目の"Lonely Lady"だけで十分だったし、B!誌の"95点"はよく分からんレビューだったのではと個人的には感じている(字数の半数以上が作品と全く関係のない事に割かれていた訳だし...)。
そして本作なのだが...ジャケには"例の作品"で描かれてた宇宙船らしき乗り物が岩なのか氷なのか分からんがソレに閉じ込められてて、バンド名脇には"Formerly Q5"との表記もあったりする。(特にG.のRick Pierceは)さぞかしQ5は無念だったのかも知れん。
そしてスピード①からその無念さを吹き飛ばすが如き疾走メタルで蹴散らす...正しくパワーメタルの如き破壊力。
続く②も同じく疾走する。タイプ的には『シュラプネル』のRacer XやProject:DRIVER辺りに近い印象だ。
続くミッドテンポ③そして④と良いじゃねーか。この手がこーやって歌メロで聴かせる事が出来るのはコンポーズ力の高さを示すしバンドとしてもポイントも高い。
また初っ端からピロピロと弾いてみせる幾分シンプルな⑤もエッジの効いたG.リフなどは非常にメタリックなものだ。
本作最長6分超え⑥はA~Bメロなどプリーストのミッド曲的展開だが、ダミ声がそれを許さない。
"Into The Arena"から拝借してしまった⑧のG.ワークはご愛敬だが、歌メロを含めた展開は悪くはないので許す。
そしてラスト⑩は④辺りに近いメロウさアピールした1曲でDOKKEN辺りに通じるモノがあるかも知れんが...どうだろう?。
キメ曲という事では物足りなさがあるようにも感じなくもないが、巧みなG.ワークや中々の歌メロなどもあって飽きさせない作品作りは評価出来るので、もっと話題になっても良かったと思うが、この後バンドは消滅(DS.はFIRE WOLFEとかいうバンドにいるらしい)。

聖なる守護神 ★★★ (2020-05-12 19:16:11)


Dead of Night

ポップ路線へと変更を計ったQ5に嫌気がさした(おまけに売れなかった)ボーカルのジョナサンKとギターのリック・ピアースらが中心となり結成されたバンドが1991年にリリースした1st。フロイド・ローズの影に隠れがちだったリックのギターを前面に出した活きのいいダイナミックな正攻法で攻めるバンドサウンドを披露、まさにQ5は本来進むべき道はこれだったんだと言わせるような使用で、あのNWOBHMに根ざしたアメリカンロックは懐かしさと共に親しみやすさもあり、その王道路線には思わず笑みがこぼれるほどの実直さを感じさせ、型にはめられる事無く自分たちの手腕を遺憾なく発揮しております。AC/DC風のタテノリナンバーなんかを聴くとジョナサンのポール・ショティーノ+ビフ・バイフォード÷2な歌声もノビノビしており、ズバッと切れ込んでくる独創性は無いかも知れませんが、安定したリズムセクションと堅実なギター、今まで以上に迫力の増した歌と持ち味と可能性を広げた作風に期待値も上がりましたね。時代は1991年、この時代に懐かしきアングラL.Aメタルが受けるわけもなく活動が暗礁に乗り上げたのが残念ですが、苦戦を強いられたシーンの中でエネルギッシュ音楽性はアメリカの良心を感じさせてくれるモノでした。

失恋船長 ★★★ (2016-09-09 14:54:30)