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THE PASSAGE (2016年)
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THE PASSAGE
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解説 - THE PASSAGE
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2016-10-17 23:11:18)

ギタリストとしての実力&プロデューサーとしてのモダンな感性を併せ持つシモーネ・ムラローニと、抒情バラードから緊迫感に満ちた大作ナンバーまで柔軟に歌いこなすシンガー、マーク・バジルという逸材二人を得たことで、ラインナップが一気に安定したDGM。バンド名の元となったオリジナル・メンバーが既に誰もいないぐらいメンバー・チェンジを繰り返したのに、その都度、活動規模にしろ作品のクオリティにしろ、スケールUPを果たして来た彼らの稀有な実力が、この’16年発表の新作にも明確に刻まれています。
いきなりプログレ・メタル組曲①②で幕が上がる本作は、劇的なメロディ展開に胸打たれる④、スピーディに疾走する⑤⑩(後者にはSYMPONY Xのマイケル・ロメオがゲスト参加)といった、シンフォニック・パワー・メタル・テイストが増強されていた前作『MOMENTUM』の作風を受け継ぐ楽曲を収録。その一方で、今回は時にポップに、時に爽快に響くメロディがサウンドに新味を振り撒いてくれていて、『MOMENTUM』の味付けがコッテリ豚骨スープ風味だったとするなら、こっちはアッサリ塩味風味といった塩梅。特に、爽やかに駆け抜けていくメロディアスHRナンバー③は、バンドの新境地を切り開く名曲ではないかと。無論そうした洗練を感じさせる楽曲群においても、ハイテクニックな楽器陣によるスリリングな応酬はさりげなく挿入されており、作品全体としては緊迫感もドラマ性も損なわれてはいませんのでご安心を。
頻繁なメンバー・チェンジすらプラスに作用させて、活動20周年を経てなお音楽的に前進していく姿勢を露わにした意欲作。



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