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MAKE IT SHINE VOL.1
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1. 失恋船長 ★★★ (2017-11-29 15:33:27)

シーンを語る上では外すことのできない、今は亡き国産メロディックHM/HRの総本山マンドレイク・ルート・コーポレーションからリリースされた記念すべきオムニバスCDの第1弾。
創始者であるウリ川本氏のライナーノーツの全てが記載されていると思いますが(ライナーを引用すると、雑誌のグラビアを飾るヴィジュアル系に憧れ、楽器の練習よりも化粧の練習に精を出すようになった。シーンを支えるファン層はアイドル・タレントと同じ視点でバンドを追いかけきたなど、当時の世相を射抜く鋭い視点で書かれているものでしたよ。)

彼の熱い思いが込められた一品としてマニアから愛されるレーベルの作品なので期待値も高めでしたが、音質の脆弱さもさることながら、やはり歌が弱い。国産HM/HRバンドが常に抱えている問題を露呈したままの未完成な作風に終始した作品となり、やっぱりダメかというのが大勢を決する意見でしょう。
とても耐性のない若い人に勧める事も憚られるのですが、個人的には、その欠点も含め、どうしても切り捨てる事は出来ず、手に取りたくなる一品です。
特に今作リリースを記念したLIVEでCrystal Clearの島とZenithの尾崎が出会わなければCONCERT MOONは誕生しなかったと言われているので、尚更の事でしたよ。
また加瀬さんは、この中でも群を抜く出来栄えでした。それも既発音源のリメイクで歌っているのが坂本英三ですからね。場違い感がハンパないです。ある意味、収録曲を埋め合わせるために呼ばれたんかいと深読みすら出るのですが、今作のラストでは、複数のギタリストが加瀬主導でソロを回すインストも収録されていたりと、面白い試みもあり、聴きようによっては国産HM/HRシーンの新たなるムーブメントを起こす、直前のオムニバス作品として前向きに捉える事が出来る一品でしょう。

島のソロが入ると俄然色艶が出るCrystal Clear、歌い手が水曜どうでしょうでお馴染みの鈴井貴之がカツラかぶって歌っているみたいで集中出来ないが(写真も似ているが出来れば映像を探してほしい)。ギターソロの後にベースをフューチャーしたパートを設けたりと工夫を凝らしているし、ジャーマンライクなLed StreamのRise Againや、尾崎のZenithは後にBlue Steelerでメジャーデビューを果たす戸谷勉もいるし、キーボードを生かした本格派のメロディックHM/HR路線を極めており、甘い歌メロもバッチリとハマり、今作の中で突出した完成度を誇っていますね。

なんだかんだ言っても、粗削りだが何かを秘めたバンドに出会い、その動向に気を揉みながら楽しむのがオムニバスアルバムの正しい楽しみ方だと思っているので、確実に年1は通して楽しむ愛聴盤ですよ。



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