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MAKE IT SHINE VOL.2
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1. 失恋船長 ★★★ (2016-12-03 13:49:02)

今は亡き国産メロディックHM/HRの総本山マンドレイク・ルート・コーポレーションからリリースされたオムニバスCDの第二弾。
参加メンバーはWOLFのベーシスト西川が中心となり結成されたリップ・ヴァン・ウィンクル。関東の雄ガーディアンズ・ネイル。老舗大阪ならではの様式美バンド、ムーン・ストラック。パワフルなジャーマン系正統派バンド、ストーン・エッジ。第一弾で競演した縁で結ばれたゼニス+クリスタルクリアーのコンチェルト・ムーンが参加。各バンド自らのカラーを出しつつ、老舗の看板に偽りなしなマンドレイク・ルート・コーポレーション印満載の音楽性が貫かれており、クオリティのバラつきは少ない。

とは言え当時も今も国産メタル最大の問題はボーカルのポテンシャルが、ヘヴィな楽曲とどう対峙できるかがポイントで、見た目はキャデラックだがエンジンは軽4並みという排気量不足が軒並みで、歌が始まった途端にガクッとテンションが下がると言うのが慣例みたいなもので、しかもインディーズともなれば、購入するのに勇気がいるモノでした。でもパワー不足を隠すためにフワフワした女性シンガーがパヤパヤ歌われるのが一番辛いので今作では、その辺りの不満は無くストレスフルで楽しめるのですが個人的には好印象、でもやはり歌が弱いという難点はクリアされていないのが国産メタルシーンの在り方を如実に物語っていますね。

線の細いハイトーンシンガーが好悪を分ける大田カツのネオクラギターを存分に生かしたリップ・ヴァン・ウィンクル。ドラマティックなバラードタイプのナンバーと勇壮な疾走ナンバーで挑んだガーディアンズ・ネイルも歌が弱い。マニアのツボを突きまくるレインボー万歳なムーン・ストラックも歌が弱い。アレンジセンスが光るストーン・エッジも歌が弱い。その中でコンチェルト・ムーンが役者が違うと感じるわけですが、尾崎隆雄も繊細な声も持ち主だが、この中では群を抜く安定感とパワーを持ち合わせていますね。

なんだかんだ言っても短命に終わりCDをリリースしなかった?リップ・ヴァン・ウィンクルは別として、今作購入を機にガーディアンズ・ネイルとムーン・ストラックの作品は購入するも、あのノッペリした表情に乏しい歌声がダメでストーン・エッジだけはフルアルバムがリリースされていたのにスルー。その後コンチェルト・ムーンがメジャーデビューする頃には両楽曲ともリメイクされたのでワザワザ引っ張り出す理由もなく、ラックの奥へと押し込まれる運命になるのですが、数年後、引越しの際にCDを整理をしていると、久しぶりに今作を見つけ、作業のBGM代わりに再生開始となるのですが…当時、最後まで聴くに堪えなかったストーン・エッジの2曲が実は一番、場面展開に拘りを見せ工夫を凝らしている事に唸らされるとは思わなんだ。
ジャーマンライクな曲調ですがUnder the Silenceは実に魅力的な歌メロを用意(ノッペリとした歌声はアレなんですが)ソロではパッと明るくなるメロディを持ち込んだり、もう一つの曲Turn Me onはザクザク刻まれるヘヴィなミドルナンバーで曲中に英語による男女の痴話喧嘩を導入したりと、ありがちな展開に陥らず他のバンドを押しのける個性を発揮しており、当時何故この魅力に気がつかなかったんだと、恥ずかしい思いをしましたね。当然、フルアルバムは手に入らず現在まで至るのですが、くだらない先入観と思いこみが判断を曇らせたと後悔しております。

今こうして聴いても国産V.Aものとしてはトップクラスの魅力を発散していると思われるオムニバスCDの第二弾。同シリーズはVTRも出ていたのですが、賑わいを見せる昨今のシーンとは違い、当時は斜陽に差し掛かった国産シーンを知る上では実に貴重な作品でした。



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