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TOO LATE TO HATE (2016年)
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TOO LATE TO HATE
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解説 - TOO LATE TO HATE
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2017-02-19 22:17:38)

LUCIFER’S FRIEND待望の復活作。昨年行われた彼らの初来日公演を観て、ジョン・ロートン(Vo)の歌唱力が全盛期の張り艶をしっかり保っていることは確認済みでも、新作となりゃ話は別。アルバム制作はとんとご無沙汰だったわけで、「でも仮に退屈な内容だったとしても、何とか良い所を見つけて褒めまくったるでぇ!」と、かなり過保護な気持ちで聴き始めた本作でしたが、結論から申せば、手心なんぞ全く無用な素晴らしい内容でしたよ。
印象的なリフと泣きのソロを弾き出すG、軽快に躍動するリズム隊、随所で流麗な指捌きを披露し楽曲の抒情性とドラマ性を補強するKeyの良い仕事に支えられた、しっとり潤う欧州HRの伝統と格調を伝えてくれるサウンドは、LUCIFER’S FRIENDの最終作でもあった名盤『MEAN MACHINE』(’84年)を良い感じに燻したような滋味溢れる仕上がり。
そんな本作の主役はやはり、包み込むような威厳と深みと温かみを感じさせるジョン・ロートンの唯一無二の歌声という。憂いに満ちた名曲③を皮切りに、グルーヴィ且つ冷ややかに揺れる④、ピアノが華やかに踊るキャッチーでノリの良い⑤、ダイナミックに燃え上がる⑥⑦、ブルージーな哀愁が溢れ出す⑧…と、次々繰り出される優れた楽曲を、耳にしてるだけで遠赤外線を浴びてるような感覚に駆られるこのVoがエモーショナルに歌い上げていく中盤戦は、間違いなくアルバムのハイライト。ボーナス・トラックとして来日公演時の音源⑫も収録されているのですが、これを単なるオマケ扱いせず、さりげなく本編のエピローグ(別れの挨拶的な)として組み込んでしまう構成の妙にも唸らされましたね。
こっちの予想を遥かに上回る完成度の高さに、侮ってたことをバンドに全力でお詫びしたくなる1枚。




2. 失恋船長 ★★★ (2021-07-09 16:33:39)

ユーライアヒープ脱退後、大きなキャリアを築かなかったジョン・ロートン。並みのシンガーなら分かるが稀代の歌い手を思われるジョンが、なぜ表舞台に拘らなかった不思議である。そのキャリア形成の為、すっかりあの人は今、的な認知度になってしまったが彼の歌声に衰えなど一切なく、その力強い美声は円熟味を増していました。

久しぶりの表舞台の作品と言える今作、還暦を過ぎたとは思えないジョンの伸びやかで艶のある歌声、あらゆるタイプの歌いこなせる器用さ、そして全てを自分のカラーに変える存在感、癖の無さがインパクトに残りづらいとの声もあったらしいが、この表現力こそ最大の魅力。幅広いレンジをフォローできる魅惑のパワーヴォイスで全てをジョン一色に染め上げています。

バックを支える演者もジョンの唄を頂点に形成されているが、そこは手練手管の寝業師と言わんばかりにバラエティ豊かな楽曲を用意。無理無駄のないコンパクトなアレンジではあるが、そこかしこにキャリアに裏打ちされた味わいのあるプレイとアレンジで魅了。懐かしの再結成なんて話題性など微塵も必要としない現役感が漂っています。

軽やかなオープニングこそあれだが、②からはジョンの歌声もエンジン全開。メロウな③で聴けるエモーショナルヴォイスに心酔と早くもクライマックスを迎えたと言いたくなるのですが、そこからが更に凄い、いぶし銀のグルーブ感に酔える④、ノリノリの⑤と続きテンションも爆上げ、⑥が登場した時には、松坂大輔ばりに自信から確信に変わりましたと言わんばかりの名作フラグも発動と、硬軟交えた古典ロックの旨味を携え完膚なきまでに聴き手を叩きのめしていきます。今が全盛期と言わしめるフレッシュ感も頼もしい限りと言えますね。

老いて益々盛んなるべし、ジョン・ロートンの訃報は残念極まりないものである。また一人巨星を失った。
この声の変わりはない。ロニー・ジェイムス・ディオがそうであるように、ジョンもまた不世出の天才であったR.I.P。



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