新生タンクのフルアルバム第三弾。ポーランドのMetal Mind Productionsからのリリースには少し驚きましたが、新シンガーにドラゴンフォースのZPサートを迎え入れ、より正統性の強い哀愁のHM/HRサウンドは益々磨きが掛かりメロディ愛好家にはたまらんものがあるでしょう。インパクトも派手さもないが、哀愁度の高いツボを押さえたツインギターの旨味も盤石だし、堅実な作りだがメロウかつエッジの効いたブリティシュサウンドは安定のブランドとして聴けるし、マニアにとっては悶絶級の一品、今風の生っぽい音作りも功を奏しているのも好印象。個人的には前任のドゥギー・ホワイトはエモーショナルだが声質のマイルドさがTANKサウンドにおいて、やや深みに欠ける面があったので、こちらのシンガーの方が合っているでしょうね。彼の加入によって洗練度もアップ、そこに不器用な男の背中が語る憂いあるサウンドが、エエ感じでブレンドされアルジー・ワードと袖を分かち目指してきたスタイルが実を結んでいるように感じました。