前作はソフトというかポップな曲も交えつつ、バラエティ豊かな作風だった。 今作はというと、一本芯が通っており硬質な感じ。一曲目のFeed the Machineがゴリッとした質感をもつ曲で、本アルバムが硬派であることを宣言している。 とは言っても、そこはNICKELBACK。③の「Song on Fire」は久々にキタコレ。バラードの名曲。問答無用の出来だろうこれは。④はリズミカルなヴォーカルが一聴ポップな風なのだが、楽曲のトータルイメージはハードだ。アルバムの流れにアクセントをつけており、配置も絶妙と言えよう。⑤はバラード調の曲。③より少しだけヘヴィか。毛色は明らかに異なり佳曲。⑥はミッドテンポの曲でリフのグルーヴが気持ち良い。⑦は再びバラード調の曲。③・⑤よりややダーク。これまでにみるように、③以降はバラード(“調”の曲も含む)とロックしている曲を交互に配置しており、アルバムの流れについてとても気が遣われている。そしてバラード(調)の曲は、似たような曲は収録されていない。何気に凄いことだと思う。 ⑧はダークでハード。なにか漢っぽくて格好良い。⑨は歌メロのサビの部分に哀感が滲む、どこかハードボイルドな良曲。⑩は一転始まりがアコースティックで口直し。アルバム終盤において雰囲気を変えている。明るくなりきれない切なさが後を引く。⑪は⑩の流れをしっとりと引き継ぐ、アコースティックギターのメロディが印象的なインストゥルメンタル。 前作も悪くないと思ったけれど、作風でいうなら本作が好み。ハードとヘヴィとダークが3割増し。でも前作あってこその本作なのだろう。 とても気に入りました。名盤。