関東を中心に活動するトリオ編成のスラッシュメタルバンドが2014年にリリースした1st。バンド名からジェフ・ウォーターズを思い出しますが、あそこまで難解な構成の楽曲はありませんが、一口にスラッシュと括るよりも多様性のある音楽性を下地にしており、マイケル・シェンカー風のインスト『THE BATTLE OF ULSTER』や7分超えの大作ナンバー『CRY FOR WAR』などは彼らのルーツたるNWOBHM風味もあるし、分かりやすり暴走R&Rチェーンやテクニカルな面を強調した印象を受ける『TIME TO DIE』などの合間にストレートな疾走ナンバーを設け、バランス良く聴かせる手腕は1stとしては見事でしょうね。 ザクザクと刻まれるヘヴィなリフワーク、ある意味、クラシックなサウンドを支えるドラミングの旨み、ダーティーな歌声も映える埃っぽさの漂うピュアスラッシュサウンドにオジサンとしては耳が持って行かれましたね。 フレッシュ感と、いい意味でのヴィンテージ臭が見事に合致している、そのセンスと表現力の高さに目を見張りましたね。今年の5月には2ndをリリースした彼ら、今後も目が離せない若手スラッシュバンドでしょう。今作における8曲入りで30分を切るランニングタイムも気に入りました。無駄を省いていて凄くエエよ。