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Scheherazade

お役に立てたなら、これ幸いです。
ワタクシこそ、いつも火薬先輩から刺激を受けております。
比類なき完成度を誇る文章。時にはウィットに富んだ文面、足元にも及びません。
今後も火薬先輩のコメントを楽しみにしております。

失恋船長 (2018-11-23 14:06:03)


Scheherazade

日本プログレッシブ・ロック界のレジェンドとして語り継がれるSCHEHERAZADEが復活。デビューから15年目にしてようやく発表に漕ぎ着けた’92年リリースの1stアルバムがこちら。(3曲入りCDシングルもボーナストラックとして封入)
本作で繰り広げられるのは、基本的にはNOVELAに通じるシンフォニックでドラマティックなお城系プログレ・サウンド。実にクセが強い五十嵐久勝のヴィブラートびんびん物語なハイトーンVoも、勿論変わることなく健在。和製デヴィッド・サーカンプ(PAVLOV’S DOG)的というか、この五十嵐の独特な唱法をどう表現したもんか長年思い悩んでいたのですが、失恋船長さんの「ロックを歌う美輪明宏」という表現に「それだ!」と喉の支えがストンと落ちた気分ですよ。本作で言えば特に②はまさにそんな感じで、確かに好悪が分かれるVoとはいえ、ここまで個性的ならば立派な武器として昇華。ゴッドも太鼓判を押す「ビジュアル系の源流」の一つとして一聴の価値がある歌声ではないでしょうか。
リード楽器の役目を担って華麗に舞う永川敏郎のKeyと、ダイナミックにボトムを構築する大久保寿太郎&引頭英明のリズム隊の活躍が光る楽曲は、平山照継のGがイントロから唸りを上げる様式美HR風味の⑤を始め、その大半が4~5分台と比較的コンパクトにまとめられた、思いのほかハードにして重厚な作風を提示。曲調からタイトルまでQUEENリスペクトなバラード③や、17分以上に及ぶ大作ナンバー⑦のような「これぞプログレ」な楽曲も押さえつつ、作品全体としては、HR/HMリスナーにも取っ付き易いメロディ/技巧/ドラマ性のバランスが秀逸な、メリハリの効いた内容に仕上がっています。

火薬バカ一代 ★★★ (2018-11-23 08:58:51)


Once More

所謂、関西HM/HRシーンを語る上では外すことのできないバンドがNOVELAの前身となるSCHEHERAZADE。このバンド時代は短命に終わりますがNOVELA解散後の1989年に再始動、1992年に念願の?1stをリリースするのですが、活動は尻すぼみして一旦活動を停止して、各々が自身のソロ活動へと進んでいたはずです。
2010年ころに再度メンバーが揃い本格的に動き出すのですが、今作はまさに日本のプログレシーンの黎明期から活動するVo五十嵐久勝、G.平山照継、B.大久保寿太郎の3人に、Ds堀江睦男、Keyに永川敏郎が合流、歴戦の兵が集いしスパーグループとなって再始動。先の見せないスリリングな場面展開は勿論ですが、ドラマティックという言葉では、片付ける事を許さないダイナミックなグルーブと共に飲み込んでいく、劇的な世界を演出するギターとキーボードによるアンサンブルの重厚感、彼らが一体となり奏で上げるテクニカルかつシンフォニックな叙情詩の数々はまさに、気軽に聴くことを許さない密度の濃さを誇っており、国産プログレバンドの底力を雄弁に物語っています。

正直このバンドも、NOVELAも知ってはいたが、シンガー五十嵐のヴィブラードの掛けた個性的なハイトーンが苦手で(基本的にハイトーン一本のシンガーが得意ではない)まともに聞く事もなかった。そのアレルギーがずっとあり、平山のソロも大久保が立ち上げたSTARLESSも、GERARDやVIENNAも聴かず嫌いしていました。

今もって五十嵐の歌唱スタイルは苦手だったりするのですが(美輪明宏ロックを歌うみたいな感じがします)、プログレハードなる音楽性を先駆者として世に知らしめた彼らの魅力は、それをも凌駕しており、初期Uriah HeepがRainbowの楽曲を自分たちの解釈で演奏しているような雰囲気があり、難解さよりも親しみやすい即効性も高く聴きやすさも十分に感じられ、ワタクシのような門外漢でも十分に楽しめる要素が最大の聴きどころでしょう。
難しい事をやっているのに聴きやすさを伴っているってのは本当に凄い事ですからね。

失恋船長 ★★★ (2017-10-23 04:33:13)