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CRIME AND PAIN
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1. 失恋船長 ★★ (2018-03-11 14:54:31)

アンセム脱退後、柴田以外の3人でバンド結成に動くも、直ぐに森川と二人で動き出した清水昭男、結局二人のコラボは長く続かず、その後すっかり名前を聴かなくなった清水だったのですが、1995年に、グランドスラムのドラマーだった北岡新紀とジャクスン・ジョーカーなど複数のプロジェクトに顔を出していた倉田 雅貴ことMASAKI、札幌のサーベルタイガーに籍を置いていたが音源を残していないので、無名だった佐々井康雄の4人からなるロックバンドがシングル2枚をリリース後、満を持して制作されたフルアルバムがコチラ。
歌謡ロックとしては、テクニックを出し過ぎるリズム隊と、ギターだが、本格派と呼ぶには軟弱過ぎる要素が強く、その売れ線志向ぶりと、アーティスティックな両面がぶつかりあうポップロックサウンドなのだが、一番近い音楽性はB'zでしょうね。そっち方面のミクスチャーロックが好きな方なら楽しめるが、バンドの出自に期待をすると肩透かしを思いっきり食らうので要注意ですよ(ちなみにワタクシにとってはB'zのお二人も本格派のメタル系アーティストなんですけどね)。

1995年に国内盤でゴリゴリのメタルを期待する訳にもいかなく、そもそもJ-pop臭にクラクラする日本語のタイトルなど見れば、何となく音楽性も見えてくるが、このメンツならば、もう少しガリっと歯ごたえのあるハードサウンドを期待していたので、本当に残念でした。
歌心溢れる清水のテクニカルなギターが虚しく鳴り響いていますよ。MASAKIのベースいらんじゃん。北岡はグランドスラムで実力を発揮できないから辞めたのにね。
しかし今作には実に魅力的な面があります、それは甘くマイルドな声質を生かした伸びやかな歌唱スタイルで聴き手を魅了する佐々井のパフォーマンスに尽きる。ヴィジュアル系チックな楽曲の中に色艶をもたらし、単なるJ-POP崩れのロックサウンドの中に、楔を打ち込んでいますよ。そんな魅力的なシンガーが居るのになぜ、清水はリードヴォーカルを担当したんだ。

散々酷評したのは、コチラが勝手に期待をし過ぎただけで、このバンド関係者は、メタル系のアーティストが居るからといって、そっち方面で売り出したわけではないので、脳みそを切り替えれば、大いに楽しめるんですよ。

オシャレなサウンドメイクの中でも清水は我を張っているし、北岡もシーケンスの合間で意地を見せている。やはり佐々井の歌は魅力的だ。そんなマニア泣かせの今作は本当にCRIME AND PAINな作風となっていますよ。
⑨曲目のALL MY LIFEなんてメタル系のハードリフにドライブするグルーブが心地よいアメリカンロック風に仕上げているし、聴きようによっては全然聴けるんだよな。
そんな予想の範囲内の音楽性ではあったのだが、個人的に一番驚いたのは、清水明男が明らかに二重の整形手術を受けた事ですがいかがでしょうか(笑)。どうせやるならヴィジュアル系でやり直せば良かったのにね。そうすればウケも違ったんじゃないのかなぁ?

個人的には誰にも共感されないだろうが、アイリッシュフレーバーたっぷりのシナーの1stをJ-pop風味満点に味付けしたようなアルバムだと思って聴いています。清水のギターには、そういった情緒があるんですよね。



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