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Princess Pang (失恋船長)


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Princess Pang

米国籍の女性シンガー、ジャニ・ファスターと北欧出身のロニー・ローゼが出会ったのがバンド結成のきっかけ、北欧人脈で楽曲と演奏を済ませ、米国で歌取りを行い完成させたのが今作。その商品に目をつけたのがMETAL BLADEのブライアン・スラゲルなんですが、時代的には完全にガンズ以降のバットボーイズ系のハードロックサウンド。この手の作品をMETAL BLADEが手掛けるんだと驚いたが、北欧人脈でも埃っぽいアメリカンロックを再現出来るんだと言う事にもっと驚きましたね。
後年、北欧からもガンズクローン的な70年代的スリージーなロックバンドは枚挙としてあげられるほど、デビューを飾るんですが、このバンドが十把一絡げな扱いを受けなかったのは紅一点の女性シンガーの存在感に尽きるでしょうね。女性らしさもあるがパンチの効いた歌い回しはセクシーでカッコ良かった。特に⑥のような攻めてくるロックソングで力を発揮したでしょう。パワフルな⑦の彼女には良く似合っていましたね。暗がりのバーが似合うメロウな⑧なんかも聴かせてくれますよ。そんな中でもスタンダードなブルースベースのロックソングの②のようなタイプの曲がバンドの軸なんだが、多彩な楽曲をもちいり飽きる事無く聴かせる工夫を凝らしてるのも好印象でした。
アルバム一枚で消えたバンド故に、知名度は低いのでしょうが、VIXENのような華やかなポップセンスはなくとも、地に足をつけた本格派のロックサウンドを聴かせる、女性シンガーの居るバンドってのは逆に稀有な存在だったと思いますよ。

失恋船長 ★★ (2018-03-13 13:17:15)