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METSUTAN - SONGS OF THE VOID (2016年)
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METSUTAN - SONGS OF THE VOID
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解説 - METSUTAN - SONGS OF THE VOID
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2018-05-28 22:22:30)

歌舞伎メイクのメンバーが奏でる、思わず「デス声の陰陽座」と呼びたくなる(全然違うか)、オリエンタルな和風メロディック・デス・メタル・サウンドが好事家の間で話題を呼んだフィンランドの5人組、'16年発表の3rdアルバム。
漢字で “舞”と書いて「おどり」と読ませる(輸入盤なのに)序曲①の命名センスからして早くも明らかなように、和音階やお囃子、もしくは三味線、尺八、笛といった和楽器を、単なるアクセントの領域を超えて、完全に主役として用いてしまうWHISPERED独自の音楽性は今回も寸分の迷いもなく健在。というか寧ろ、三味線がリズム楽器の役割も果たすアグレッシブな②を皮切りに、苛烈なブラスト・ビートに乗って悲壮なメロディが激走する④、宮本武蔵と『ロックマン』へのリスペクト・ソングでもあるという⑤、勇壮なコーラスが独産メロパワ・メタルに通じる⑨に至るまで、その作風には益々磨きが掛かって意気軒高。中でも、江の島に伝わる五頭龍の伝承を歌詞のテーマに、「和」のエッセンス、メロディック・デス・メタル然としたブルータリティ、そして北欧HMバンドならではの構築美を集約させた、5部構成、11分越えで迫り来る大作組曲⑩なんて、オペラティックなコーラスも交え壮大且つドラマティックに展開される本編のハイライト・ナンバーですよ。
情報に疎いもんで、WHISPEREDの新作リリースされていたこと自体、中古盤屋で本作を見かけるまで知らなかったぐらいなのですが、それにしてもこんだけ日本愛を詳らかにしてくれているバンド/作品なのに、国内盤の発売がないってのは何とも寂しい限りじゃありませんか。色物と捨て置くには惜し過ぎる逸品ですよ。



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