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1. 火薬バカ一代 ★★ (2019-04-11 23:53:58)

アイルランド出身で、GILLANやオジー・オズボーン・バンドへの参加、あるいはフィリップ・ルイスと結成したTORME等での活動で知られたギタリスト、バーニー・トーメ死去の報に触れ、「そういえばこの人のアルバムを持っていたよな…」とCD棚を漁って発掘してきた、彼が'96年にソロ名義で発表した作品。(未発表曲や本編とはバージョン違いの楽曲等を収録する4曲入りオマケEP付きの2枚組仕様)
GILLAN以降のキャリアについては殆どフォローしてこなかったので、本作が彼の何枚目のソロ・アルバムなのかは不明。ただ表題含めて原点回帰を志向しているというか、非常に「らしい」作品に仕上がっていることは間違いありません。トーメ自身が兼任する、感性に任せてインプロヴァイズしまくる破天荒なGプレイと、味勝負のヘタウマVoを基軸に、トリオ編成の強みを生かしてシンプル且つ骨太に押し出して来るロックンロール・サウンドは、例えば「アイリッシュ」と聞いて期待してしまう、ゲイリー・ムーアの名曲“望郷の果て”に代表されるような、彼の地の大自然を想起させる美しさとか雄大さとかとは無縁。その代わりここには、口が悪くて喧嘩っ早く、酒と音楽をこよなく愛する(まさに『ワイルド・アイリッシュ』な)下町グルーヴはパンパンに詰まっている気がしますよ。また荒くれているようで、幕間から不意に顔を覗かせる哀愁に胸打たれる⑥や、ヘヴィに揺らめく7分以上に及ぶ大作ナンバー③のカッコ良さなんかもなかなかのもの。
やはり今聴いてもストライク・ゾーンど真ん中の音楽性とは言い難いのですが、それでもバーニー・トーメというギタリストに備わった強烈な個性は十分に伝わってくる1枚です。



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