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Biermacht

レコーディングに慣れたせいもあるのか、前作よりもまとまりが出来ている。スピードに特化した無軌道サウンドの破壊力はそのままに、聴かせ方がこなれたことでバンドとしての深みが増し、魅力も倍増と2年間の成長ぶりに目を見張りますね。
今まで以上に緩急をつけた事で、よりグランドコアなダイナミズムとデス系バンドに通ずるグルーブが強化、ファーストインパクトは1stの方が上だろうが、作品のクオリティとしては今作に軍配を上げたくなる。暴発するブラストビートが減ったと言われるが、それを差し引いてもツインギターコンビのキレと豊富なアイデアは、楽曲に多様性をもたらし聴き手の好奇心を擽り続けます。どこか挑発的な音は、無邪気に人を殴りつけるような理不尽極まりない暴虐性があり、不快感もあるのだが、陽の部分が逆に親しみやすさを持っており、音質が良くなったおかげで歯切れの良さも際立ち、不思議と聴きやすさを誘発している。

ウンコたれZ級レーベルとしてマニアから愛されるNew Renaissance Recordsでも当たりの部類に入ると言われる彼ら、日本での知名度は鬼のように低いのだが、世界中のグラインドコアメタルマニアから一目を置かれる存在としてリスペクトされているという事実は無視出来ませんね。雑誌のレビューという先入観を持たない若い人にこそ知ってもらいたいクロスオーバースラッシュバンドです。

失恋船長 ★★★ (2019-09-15 22:10:30)


Shark Attack

かの有名な商業誌のレビューにて一ケタ代の点数を献上したUS産のクロスオーバースラッシュバンドの1st。とにかく聴く価値のないアルバムと酷評されていたと言うのだが、今作が後世に残した影響は大きい。
問答無用のスピードサウンドのオンパレード、ブラスト寸前の爆裂ビートを1987年に導入したのはかなり早いアイデアだったと言えよう。とにかく速さに特化したサウンドはデスメタルやハードコアサウンドが激しい渦を巻きながら、全てをなぎ倒していくような破壊力がある、その押さえの効かない無軌道ぶりに恐れおののくのだが、New Renaissance Recordsの雑な仕事のおかげで分離の悪い音に仕上がっているのが、更なる衝動性を叩きつけてくる。メタルとハードコアの激しい部分をくっつけたような騒々しさ、ノイズをまき散らす磨き上げたスピードサウンドを前に、骨がギリギリと軋み、思考回路を寸断していくように理性を激しく蹂躙していきます。
こういうクロスオーバー系のバンドって、割とダークな面が強いのだが、彼らはどこかファニーな部分があるのが面白い、暗さに中にある朗らかさ、その珍妙な変わり種感も独創性に拍車を掛けたと言えよう。
メジャー性の高い大衆向けのバンドでは味わえない異形の佇まい。何物にも属さない個性、彼らから歴史が始まったと言えるほど、当時は革新的なスタイルだった。比較するなら完全にグラインドコアメタルの帝王と呼ばれるNAPALM DEATHとなるのだが、そちら系のマニアから言わせると、このバンドの方が先だというのだから興味深いですよね。
日本では一ケタのレビューに引っ張られウンコ扱いで終わりでしょうが、世界中のアンダーグランドメタルマニアを狂喜乱舞させ、多大なる影響を及ぼしたと言うのだから、世の中なにが起こるか分かりませんね。月並みですが、百聞は一見に如かずとはこの事を言うのでしょう。
ほぼ3分を切る楽曲の中で、毛色の違いを魅せるインストナンバーだけ5分声、これがスリリングで悪くないのが、このバンドの魅力。単なるスピード馬鹿ではない事を物語っています。①のイントロでは映画ジョーズのテーマをダークに潰しまくって引用していますよ。

失恋船長 ★★★ (2019-09-15 21:37:19)