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Victims of Science (失恋船長)


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Victims of Science

アメリカはテキサス産の爆音スラッシャーの1st。New Renaissanceのコンピ作に顔を出しスラッシュマニアには知られる存在の彼フルアルバムに漕ぎ着けたのはチョイとした話題だったが、それ以上に話題になったのはゴット伊藤氏から、厳しい内容のレビューを頂戴した事により完全に殺されたと言う方が強いだろう。
整合性よりも荒々しいミックスの為に、シャープさに欠けると言われるが、演奏力の高さがそんな不平不満を木っ端微塵に吹き飛ばす、このざらつき感こそテキサスじゃないのかと、逆に好意的に受け止めたくなりますね。直線的に進むパワーを秘めたスラッシュサウンド、特にタイプの異なるギターが互いを意識し高め合うように、個性をぶつける事で独自性をアピール、バイオレントな作風を相まって、スカッとした爽快感すら漂うから不思議。切れ味鋭い斧をブン回す豪胆さ、手数の多い激しいドラミングとブンブン唸り上げるリズムプレイも、凄みからくる殺気が漂い、ただならぬ緊張感を生み出している。
高速ギターが駆け回るソロなど、過剰な程のスピードに逃げないからこそ、グッと構成力の高みに唸る。画一的と批評されたのが信じられないほど、先の読めないドラマ性を孕んだ爆音スラッシュサウンドとなっているので、マニアなら満足して頂ける要素も高いでしょうね。
猛るバイオレント、ツインギターの構成力の高さとテクニック、プレブラストビートも炸裂する豊かなバリエーションも持つ攻撃性、吐き捨てタイプのシンガーではないので、聴き手を襲う徒労感も皆無、いい意味での乱暴な作り方が功を奏したスラッシュマニアなら安心して聴ける名盤でしょう。

アルバム一枚で解散&雑誌の手厳しいレビューの為、日本では完全に殺されたバンド。おまけにマイナーなレーベルからのリリースの為に、再発もなく完全に忘れ去られたバンドだった。ワタクシ自身も昨年Bandcampで、彼らのシングルを発見するまで忘れていた、こんなに素晴らしい内容だったのに、こういう失念の仕方もあるんだなぁと恥じております。

失恋船長 ★★★ (2019-10-16 10:31:42)