ベースにマイク・ウェジウッドが参加、バンドの体制も強化され音楽的な方向性も固まりだした、初期の代表作に押される3枚目のアルバム。オープニングから幻想的なメロディが舞い踊るロマン溢れるエレクトリックなフォークロックで掴みはOK。その流れを損なうことなく、次のMELINDA(More or Less)フルートの音色も悲しいフォークサウンドで魅了と、前作までに感じた実験的要素を排除し、何をしたいのかを明確にアピールしているように感じさせたのは大正解だろう。 Not Quite The Sameではブラスバンドも大活躍、ささやくような歌いまわしの絶妙、コケティッシュな魅力のみならず、妖艶さに磨きがかかるソーニャ嬢だが、ここでは愛くるしい乙女といった様相と面白いです。 Cheetahではキレのあるヴァイオリンに導かれスリル満点の演奏を堪能できるインストが登場、このバンドの魅力を余すことなく伝えているが、どの楽曲もコンパクトに纏められ、聞きやすく仕上げたバンドの勝ちだろう。その中で8曲目に登場する「Over And Above」の濃厚な展開に酔いしれます。もっと大作ナンバーが欲しいという願望はあるのだが、ここまで色彩豊かな楽曲を揃えられると文句も言えず、方向性を固めた今作の親しみやすさに諸手を挙げて万歳といけますね。 でも前2作よりはロック色が薄まったといえるので、ハードなものが主食に方には物足りなさも強まったでしょう。そのあたりが評価を分けそうですが、素直に耳を傾ければ、初期の代表作に偽りなしの名盤と断言できる出来栄えを誇ってるでしょう。