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LIVE (1975年)
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1. 失恋船長 ★★★ (2020-01-03 22:07:04)

ダリル・ウェイのヴァイオリンを中心としたクラシカル・トラッド・フォーク路線の英国産プログレバンドのライブアルバム。当時の背景は詳しく分からないがアルバム毎にメンバーチェンジを行い、解散したりしなかったり見たいな空気の中で活動を続けていたと言うのか?なんだか入り組んだ事情のあるバンド活動だったようだ。デビューアルバムが全英8位と売れた為に、噂に敏感なロックマニアは早くから目をつけられたバンドらしいのだが、前述した参加メンバーの不安定さとバンドの危うさ、そして一番の問題は、当時としてシンガーが女性だったと言うのが、我が国内において認知度を上げられなかった要因かもしれない。
そんなくだらない色眼鏡などありえない、現代なら大いに評価を受けられるだろう、クラシカルなヴァイオリンの調べとファズの塗された歪んだギターが激しくぶつかり合う事で生み出される独特の緊張感、そこに凛とした佇まいのクリアーな歌声が、儚くも美しく響き渡る事で個性を出張してきたバンドだったのだが、このライブ盤を聴いて色んな意味で裏切られた。
まず女性シンガー、ソーニャ・クリスティーナがぶっ飛んでいる。完全に白目剥いて無軌道にヤケクソシャウトをしまくっている。ライブとは言え、ここまでステージで暴れているとは思わなんだ。
正直、彼らのスタジオ作はダリル・ウェイのヴァイオリンに導かれるクラシカル調の楽曲がメインとなっている為に、唄もシットリとさせた面が多かったのだが、ここでは、そんなことはお構いなしに、ひたすらキレまくっている。正直、騙された、そしてそれが最高にカッコいい。これぞライブだと興奮させられた。
テンションが高いのは彼女だけではない、すったもんだの挙句に出戻った初期メンバーによる重厚なアンサンブル。当時のバンドは上手くなければ人前になど出れなかった、それだけに安定感は抜群だ。
ウネリをあげつつ、要所を締める狂ったハモンドの音色、歪みまくるギターはファズまみれ、荒々しくも美しいクラシカルプログレサウンドのロックな部分を抽出したようなサウンドは、スタジオ作の何倍もハードに仕上がっている。
いい意味でのサイケな陶酔感、難解に聴かせないプログレスタイル、それは全てを統率するのが中心人物たるダリル・ウェイなのは間違いない。
個人的に英国のロックは好きだが、所謂、ニューウェーブやエレポップは大嫌いである。自分の趣味嗜好としては対極にあるサウンドだ。それだけに、彼らは我が国においては、時代の狭間で忘れ去られた存在となってしまっているが、70年代のロックは勿論、プログレとかジャンルも関係ない、このクールなアイデアと、暴れ馬の如くアジテーションしまくる歌声に、リアルロックの真髄を味わう事が出来るでしょう。完成度の高いスタジオ作も素晴らしいが、ハードなサウンドを楽しみ方にはチョイと眠いかも知れない、そんな耳にも十分に刺激を与える珠玉のライブ盤。選曲も3枚のスタジオ作から満遍なくセレクトされているので入門編としても重宝するでしょう。個人的にはフルで収まっていないのが残念です。



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