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MOOTTORILINNUT (1982年)
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解説 - MOOTTORILINNUT
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1. 失恋船長 ★★★ (2019-11-27 03:02:37)

フィンランドのロック史を語る上では外せないバンドであるSarcofagus。2枚のアルバムをリリースするも満足がいく結果を得られずに、心機一転レーベルを移籍するも、前の所属先からバンド名を使う事を許されなかったために、ギタリストであるキムモ・クーシュニエミの名前を前面に押し出す形でリ・スタートしたのが今作。実質Sarcofagusの3枚目と言えるのだが、シンガーが3人いたりと、バンドだったのかプロジェクトだったのか、詳細は不明だが、世の中がNWOBHMブームに乗る中で、このバンドも感化されたのは間違いなくSarcofagus時代から比べると攻撃性やスピード感も増しへヴィメタルブーム到来を予感させる音楽性へとシフトチェンジした。ゲストシンガーである、キルカはフィンランドを代表するシンガーであり、所謂歌謡曲的な曲(シュラガーってやつね)で成功を収め、80年代の中頃にはロック色を強めたアルバムを2枚リリースした実績も有り、その布石は今作への参加もあったのかと驚きましたね。
キルカの妹であるフィンランドの女性ロッカーの草分け的存在のムスカ・バビジンも参加、彼女のパワフルな歌声は一際異彩を放ち、アルバムに楔を打ち込みました。唄の上手い二人に挟まれイマイチ分が悪い、もう一人のシンガーであるユッカ・リタリィも牙を剥き出しに歌い上げ、初期フィンランドメタルとしての矜持を存分にアピール、ギターオリエンテッドな作風だが、エサ・コティライネンの鍵盤プレイも盛り込み、音の厚みや個性を生み出そうとしているもポイント。でもギターは随所に派手目のプレイをねじ込み、ハードサウンドの根幹を担っている。

全編フィンランド語だし、誰も知らない弱小レーベルの為?認知度は猛烈に低いのだが、フィンランドのメタル史を語る上では外さないバンドであるSarcofagus、そのメンバー、そして国民的な歌手の参加など、当時として話題性はあったはずであるが、結局はロクなフォローも受けられずバンドは、元のさやであるSarcofagusに即改名となったのは残念でしたね。
全8曲入り30分を切る内容は、コンパクトさが手伝い聴きやすく纏まっています。北欧のなんたるかを知る上では、是非ともトライするべきでしょう。荒々しい原始的ロックに興奮させられますね。今でもいるんでしょうけど、北欧メタルの歴史はヨーロッパからだと、ぬかす連中が80年代中ごろに沢山いました、そんな雑誌偏重の盲目な連中に頭突きを喰らわしてくれます。OZもいるぞ、EF BANDもいるぞと言う事でそっち方面もフォローできるマニアなら楽しめるでしょうね。
そして現代では、こういうマニアックなサウンドが無料で聴けると言うのは本当にありがたいですよ。もうパッケージ商品の未来はないだろうなぁと痛切に感じますよ。



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