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No Regrets

久保田陽子、石原慎一郎、寺沢功一、西田竜一という四人からなるスーパーロックグループ。古くて新しいハードサウンドは、各メンバーが持つスキルをフルに発揮、古典ロックの中で溺れることのない鮮度のあるアイデアが見事に結実、久保田陽子節とも言える叙情的な歌メロが閃光を放ち、楽曲の中で異彩を放つ。そのフックのある歌メロと、彼女の潤いのある歌声は、どのようなハードテイストも自分のカラーに染め上げ、リードヴォーカルとしての格の違いを見せつける。
国内のハードシーン見渡しても、このメロセンスはメタルオンリーではない彼女だからこそ持ち合わせる個性が極まったアイデアなのだろう。ラウドネスのサポートは西田竜一の凄さをようやく世間に認知させた。プログレバンドを経てACTIONに席を置いたが、あの時代はオリジナルアルバムを作らなかったから、西田は知名度を上げきれなかった。それだけに、ここで聴ける多彩なるヘヴィグルーブの凄み、ベースの寺沢と繰り出される、先を読ませないスリルたっぷりの強靱なリズムに、ノックアウト寸前です。
シャラもSLY時代を彷彿とさせるイケイケのハードワークに惚れ惚れさせられるが、彼の持ち味は心に訴える情感溢れたリードプレイ、ここではメタリックな質感を高めつつも、持ち味を殺さない熟練の技を披露、ハヤブサの剣と言わんばかりにキレキレである。

彼らサブスクやってくれないので、CDを買うしか音源に触れられないのは本当に勘弁して欲しいのだが、それがアーティストの懐に転がり創作意欲&バンド活動の継続に繋がるならと、しぶしぶお金を出しています。
今のご時世に逆らわずに、一日も早くサブスクリプション解禁でしょうよ。もっと多くの人に知って貰いべきテクニカル集団による、聴きやすいメタルは最高なんだけどね。

失恋船長 ★★★ (2024-07-27 02:07:58)


Tide of the Times

久保田陽子、石原慎一郎、寺沢功一、西田竜一の4人よるスーパーロックグループが2021年にリリースした第二弾のEP。
久保田のアイデアなのかフックのある歌メロは、いかにも彼女らしいメロディックな歌メロである。パワフルなリズムプレイはバンドサウンドを牽引、シャラのハードなギターも掛け値無しにカッコ良く、この四人からなる独自のグルーブを持ち入りバンドサウンドを構築、強靱なアンサンブルの頂点に君臨するのは久保田の唄なのだが、各自の見せ場も随所に盛り込み、手練手管の寝業師集団が集い、手抜かり無しのダイハードなメタルをやり切っている。
メジャーシーンで腕を磨いているメンツだけに、野暮ったさは皆無。古典ではあるが、現役感からにじみ出る、良い意味での熟成とフレッシュな感覚を共存させ、現代の古典ロックとして成立させているのは流石の一言であろう。
流通も脆弱なために、手に入りづらい作品ではあるのだが、メロディを蔑ろにしないハードサウンドが好みの方ならば大いに楽しめるだろう、生身の人間が生み出すバイブ、その躍動する純粋なハードサウンドが放つ波動に撃ち抜かれましたね。
配信版出しなさいよ。ドサ回りの会場限定みたいな手売り感はチョイと残念です。

失恋船長 ★★★ (2022-11-08 12:18:15)


The Pain of Electricity

久保田陽子(Fast Draw、SProvidence、ABER TIGER)。石原慎一郎(Earthshaker、SLY)。寺沢功一(BLIZARD、SLY、BLIND PIG、RIDER CHIPS)。西田竜一(ACTION、NOVELA、 VIENNA、 JACKS'N'JOKER、 LOUDNESS)の4人からなるスーパーロックグループが2019年にリリースしたEP。手売り感満載の為に、全然流通していないのだが(せめてAmazonでうりましょうよ)歴戦の兵が集いしバンドに死角なし、シャラのメロディアスかつハードなギターとテクニカルかつアグレッシブなヘヴィグルーブを従え、天賦の才の見せつけるメロディメイカーのフック満載の歌メロと、潤いのある歌声、彼らのファンは勿論だが、久保田お得意の泣かせの叙情メロディも炸裂しており、イメージを損なわない現代的なサウンドで勝負。
古典を踏襲しつつも、紫色の虹やフライングVが飛翔するスタイルではない、日本的な情緒を生かしたスタイル、それは古さに埋没しない現代的なアイデアも盛り込み、無理をしない等身大の解釈で、自らが愛するハードサウンドを奏でているのが、聴いていて心地が良い。とにかく久保田のメロセンス、サーベル時代から通ずる美メロの数々にウットリと聞き惚れてしまう。
そこにシャラのハードギターが絡むのだから、悪いわけがない。
テクニックはあるのに、活動するバンドの多くが作品をリリースしていない時期に参加するという不運に見舞われた西田竜一も、最近ではLOUDNESSのサポートによって、ようやくハードシーンにその名を浸透することに成功しただろう。
この時期にこういうバンドに参加して音源を残せたのは意味のあることです。
全5曲入りのEPの為に、全容を見せたとは言い難いが、疾走ナンバーからバラードまで披露と、このバンドの懐の深さとポテンシャルの片鱗は見せてくれました。あとは、もっと強力なサポートを受け、しっかりと音源を世に伝えられるように頑張って欲しいものです。このままでは、そんなバンドあったのになりかねませんのでね。小さい箱を回るのもエエけど、もっと皆に知られて欲しいね。

失恋船長 ★★★ (2020-01-21 19:27:52)