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KILLERS(FRENCH) - 最近の発言
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Cités interdites

暗雲立ちこめるグランジムーブメント、あの人気と有名バンドが不釣り合いな方向転回を行い相次いで討ち死に、多くのバンドが契約を失い、有名メジャーリーガーが日本の球団を契約したように、日本のレーベルのみの契約というのがありました、そんなビックインジャパンであり、日本のレコード会社の資金力に驚くのですが(買い叩かれたのかな?)今となっては夢のお話ですね。今の日本にそんな力は無い。
そんな時代に、出会ったのがこの手のバンドになります。日本では批評家の口に合わずに格下扱いという不遇を味わうフランスのメタルシーン、隣国である英国のムーブメントが真っ先に飛び火したのは間違いないでしょうね。そういう影響もあり知名度は低いのですが、フランスでも古参のメタルバンドであり、今なお歩みを止めないレジェンドでもあります、きっとラウドネスくらいの扱いを受けていると思うのですがね。とにかく大御所のフランス産メタルバンドです。

もったいつけるイントロからガツーンときます。5枚目という事もあり音楽性も進化、バンドの顔であるブルーノ・ドルヘガイがギターとヴォーカルを兼任した影響もあるのか、メロディとキャッチーさも増量、スピード・パワー・メロディというヘヴィメタル三種の神器を携え92年というグランジムーブメント真っ只中のメタルシーンに切り込んできました。

④ではBarbaraというフランスの女性シンガーはヒットさせた曲をカヴァー、原曲はピアノをバックに静かに唄っている、所謂イージーリスニング系なので、ここで聴けるヴァージョンはフランス人のビックリでしょうね。
こういう選曲も新体制と音楽性の幅を広げてきた証拠、より広くメジャーな活躍も視野にいれつつ、メタリックなバンドの魅力を保つという離れ業をやってくれました。
このクオリティで今なお、日本では幾度知られていないのは残念ですが、古典的なメタルが好きなマニアにはたまらんでしょうね。
最近の大御所の新譜ってデジタル加工が強いから、どうしても、この時代のテイストというかパワーを内包できていません。 生身の人間力を生かしたサウンドは迫力がある、ミスしたとか音がズレているとは問題では無い。
この熱量をパッケージ出来るかが重要なのです。この軽やかさにフランスの味を感じますね。

失恋船長 ★★★ (2022-11-04 20:22:04)


Mise aux poings

3年連続でアルバムをリリースしていた勝負作となる3枚目。メンバーも去り、仕切り直しと本当に勝負となっているのだが、これが素晴らしい。欧州風味のダークなテイストを感じさせる硬派なサウンドはヘヴィメタルと呼ぶに相応しいサウンドを披露。整合性も高まりかつてのような破天荒な暴走ロックスタイルはなりを潜めたが、全てにおいてパワーアップした音楽性にスキは見当たらず、構築美溢れるスピードメタルは局地的なヒーローでは終わらない普遍性を身に着けている。

その分、個性はなくなったと見る向きもあるが、快活なリズムとダイナミックに攻める二本のギター、良好な関係性から生み出される一体感のあるバンドサウンドは、余計な装飾がないからこそダイレクトに聴き手に迫ってきます。
そのリアルなスタイルは、格段に進歩を遂げており、このクールにひりつく欧州メタルのカッコよさに唸ります。1987年と言う時代背景を考えても、もっと認知されて欲しいクールなスピードメタルを堪能できますよ。
とにかくスピード狂には楽しんでもらいたい。速さだけではない場面展開を設けた豊かなドラマ性、シンプルなミックス故に炙り出される剥き出しの感性。
どこか中途半端だった前作のイメージを払拭するには十分すぎるインパクトを誇っています。

このバンドがイマイチ知名度を上げられないのは、脆弱なレーベルから音源が出ているために、流通が絶望的な状況にあること。今のご時世、ダウンロード盤はおろか、サブスクがないのは致命傷と言える。
嘘くさいCD-Rによるコレクターズアイテムには手が出んよ。

失恋船長 ★★★ (2021-02-06 18:33:22)


L'armée de la mort / Cités interdites
アコギによるイントロの焦らしを経てスタートするアルバムのOPナンバー。
馬力にあかせた猪突猛進ぶりが薄れ、リフにリードに切れ味鋭く
動き回るメロディックなツインGを活かして、よりシャープ且つスマートに
磨き上げられた正統派HMチューンとしての味わいが強く感じられる
KILLERSの新たな魅力が開花した名曲です。

火薬バカ一代 ★★★ (2021-02-05 01:03:11)


Danger de vie

短いスパンでリリースされた2nd。前作よりも音楽性に幅を持たせた意欲作。スピード命の馬鹿メタルを期待すると、出だしからあれっとなるのだが、今作はミックスも含め聴き易さを誘発したようで、前作のような切迫感やキリキリと切り刻まれるメタリックな暴走スタイルよりも聴かせる事に重きを置いたようだ。
勿論、このバンドならではの暴走様式は随所の顔を出す、相変わらずパワフルかつスピードもある。しかし、中途半端な測速度制限や品行方正さを出そうとしたことで魅力を損ないかけているのが気にかかる。
また、風呂屋でレコーディングされたような音も頂けない。
と不満が先をとってしまったが、選曲の持って行き方に問題もあるように感じられ全8曲40分を切る今作は、前作同様スピード狂を満足させるスタイルは存在するだけに、安っぽいミックスが台無しにしている感は否めない。
そういう迷いが生じさせたのか、バンドはギターのブルーノ・ドレギー以外のメンバーは、TITANなるバンドを結成、同年にフルアルバムをリリースしている。その時、このバンドはどうなっていたのか興味は尽きない。

失恋船長 ★★ (2021-02-04 08:57:01)


...Fils de la haine

フランスを代表するパワー/スピードHM/HRバンドが1985年にリリースした記念すべき1st。その勢いはのっけから凄まじく、オープニングナンバーのインパクトに悶絶。これぞヘヴィメタルなアグレッションとスピードで全てをなぎ倒していきます。終始打ち鳴らされるド派手なリズムと刺激的なギター、ひしゃげた金切りヴォイスと、ヘヴィメタルと言う言葉でしか形容できない音楽性を披露。スピード狂を自負するマニアなら一度を聴いて欲しい魅力があります。
お手本はACCEPTでしょう。それだけにドラマ性もある、③のような曲を放り込んでも背伸びした印象を与えない音楽的な教養もプラスに働き、速さにと力強さに力点を置いた作風は、多くのヘヴィメタルバンドが共有するスタイルへと磨きをかけている。デビュー作ならではの直情的な感性の爆発、威勢のよい叩きつけるようなアグレッションサウンドは多くのマニアを引き付けるはずである。愚直なまでに打ち鳴らされる④、彼等のメタルアンセム⑤、この曲の歌い回しなんてウド・ダークシュナイダーそっくりですよね。
突っ走りながらも色んな顔を魅せる前半、そして後半は埋葬行進曲をイントロに導入したバンド名を冠した⑥、圧倒的なパワーと重厚な世界観に、このバンドの進みたい方向性が見えていきます。
パワー/スピードだけに埋没しない豊富なアイデアをバカバカしいほどの、パワー/スピードで突っ込んでくる突貫スタイル。若さ任せのようで芸の細かい面を魅せようとしているのも魅力ですね。
メタルのスピードに恋い焦がれ、この世界に足を踏み入れました。こういう音は生涯嫌いになることはないでしょう。

失恋船長 ★★★ (2021-02-04 08:37:53)


Cités interdites

80年代初頭の結成以来、メンバー・チェンジを繰り返しながら現在も活動中という、ブルーノ・ドルギー(G)率いるフランスのKILLERSが’92年に発表した、嘗て新星堂から発売されていた帯付輸入盤には『閉ざされた都市』なる邦題が冠されていた5thアルバム。
声がウド・ダークシュナイダー激似だった前任シンガーがいつの間にか脱退しており、後任として加入したVoはも少し柔軟に歌えるタイプ。それに合わせてか音楽性の方にも若干の変化が見受けられ、「フランスのACCEPT」と評された初期の馬力にあかせて走りまくるスピード・メタル・スタイルは後退。代わって機動力に富む2本のGが切れ味鋭く動き回り、シンガーが時折フランス産ならではの優美なメロディを歌い上げる(語感の柔らかさもそれに貢献)、よりスマートでメジャー感溢れる正統派サウンドへとシフトしています。
とはいえメタル以外の何者でもないサウンドに違いはありませんし、シーンがダーク&ヘヴィ一色に塗り潰されようとしていた'92年という時代を鑑みれば、この愚直に貫かれたオールドスクールっぷりは頼もしいことこの上なし。特にイントロで焦らした後、痒い所に手の届く2本のGに先導されて疾走する②のカッコ良さは相当なもの。憂いに満ちたメロディを重厚に聴かせる③、山あり谷ありの曲展開からジャーマン・メタルっぽさも漂う④⑦、タイト&キャッチーな曲調とクラシカルなGソロが印象に残る⑧等もなかなかですよ。
バカバカしいまでの迫力を誇った1stの頃の作風を恋しく思わないわけではありませんが、音質が向上し、好き者以外にもアピールし得るより普遍的な魅力を獲得した本作の方が、入門盤としては薦めやすいのかなぁと。

火薬バカ一代 ★★★ (2021-02-03 23:14:02)


...Fils de la haine

ポール・ディアノが率いたイギリスのKILLERS、ベルギーのKILLER、スイスのKILLER等々、似た名前のバンドは世界中に数あれど、こちらはフランスはバルバドス出身のKILLERS。本国では確固たる人気バンドの地位を築き、現在までに20枚近いアルバムを発表して活動を継続する彼らの記念すべきデビュー作('85年発表)がこちら。ちなみに、後に国内盤仕様のCDが発売された時の邦題は『憎しみの果てに』でした。
当時「フランスのACCEPT」と評されたという彼らのゴリ押しパワー・メタル・サウンドの魅力は、禍々しいイントロを蹴破って、ウド・ダークシュナイダーばりの金属シャウトVo、鼓膜を切り裂く鋭利なGリフ、猪突猛進リズムとが土砂崩れ気味に畳み掛けて来る、まるで「VENOMが演奏する“FAST AS A SHARK”」的迫力を誇るOPナンバー①に集約。音質は酷いもんですが、改めて聴いてもこのカッコ良さにはテンションガン上がりですよ。
それでいて、力押し一辺倒の無骨さのみが武器のバンドかと言えばそんなことはなく。押せ押せの楽曲の中にも緩急や劇的な曲展開がしっかりと息衝いており、仏語詞による柔らかな語感と憂いを帯びたメロディが相俟って、時にサウンドがそこはかとない「優美さ」すら発散する辺りは流石フランス出身バンド。基本バラードながら激しくアップダウンを繰り広げる③、葬送行進曲をイントロに据えて前半は抑え気味に、後半で一気にはっちゃけるバンドのテーマ曲⑥、そして直線的に突っ走りながらも、Voが印象的なメロディを滑らかに歌い上げる名曲⑦等は、そうした彼らの真骨頂が刻まれた逸品ではないかと。
80年代フレンチ・メタル・シーンの充実ぶりを裏付けてくれる名盤の一つです。

火薬バカ一代 ★★★ (2020-01-24 00:38:43)