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デモ音源をリリース後、今は亡きMandrake Rootレコードからリリースされた8曲入の音源。フルアルバムなのかミニアルバムなのかは分からないが正式な音源はこれだけだったと思う。マニアにとっては愛すべきMandrake Root関連の作品なのだが、知名度が低くマニアからも忘れさられた感が強いのが残念。
A面のオープニングナンバーは、これは正解だったのかというのが個人的にはあり、このあたりがマニアの評価を分けたのではないのかなぁと思いますね。ニューミュージック風のポップロックで幕開け、シンガーの唄い回しも楽曲もアースシェイカーを想起させるモノであり、個人的には肩透かしを食らった気分である、しかし、曲自体は非難されるようなモノではなく、甘口の楽曲を支えるリズム隊の堅実さとパワフルさに耳が奪われる、控えめなツインギターコンビも可能性がありそうだ、マーシー過ぎる唄いからが気になる、やはり今聴いてもB面の一曲目である『Shout Through the Night』のようなハードロッキンで攻めて欲しかった。

とは言え、このバンド腕は間違いなくある。前述したようにドラムもベースも巧者、印象的なオカズとねじ込むドラムと音質は良くないながらもブリブリと言わすベース、この底上げは貢献度も高い。
そしてツインギターも印象的なフレーズでリード、日本人らしいキメの細やかさと大胆さを巧みにブレンドして耳を楽しませてくれた。
やはり、軟弱な時代のシェイカー風味と、パワフルなナンバーも対比というのか、方向性の違い見たいなものがどうも噛み合わせが悪く、ある意味、昭和歌謡風味が漂う楽曲と線の細いハイトーン系の相性の良さを感じさせなかったのはマイナスに感じますね。

勢いのあるパワフルな楽曲をプレイ出来ないバンドじゃないだけに8曲入ならば方向性を絞って欲しかったなぁと思います。ハードな方面にシフトしたならば、もう少し今日の評価も違ったように感じます。

Mandrake Rootと言えば、多くのマニアから愛されたレーベル。閉鎖された今、権利の関係などもあり復刻は難しいだろうが、貴重なカタログを抱えるレーベル。それだけに、こういう優れた名品が埋もれているのは勿体ないですよ。配信で復活して欲しいなぁ。バンドキャンプとかもあるしさ。関係者の皆様の努力が見たいですね。日本にだった海外のコレクターを唸らせる名品はありますからね。

失恋船長 ★★★ (2022-10-02 13:28:47)