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Tales of Splendor and Sorrow
アメリカ人ミュージシャンのアンドリュー・デラ・カーニャによる、一人メタルプロジェクトの2枚目。ミュージシャンとしてキャリアはそれらなりにあるのだが、大きなキャリアを積んだとは言い難い彼だが、そのマルチな才能というのか、自分のやりたいことを100%成し遂げたいという願望が、このようなプロジェクトを誕生させたのだろう(2015年には女性シンガーをおいてSilverbloodなるプロジェクトもやっているし、それ以外にも一人メタル活動するメタル馬鹿一代な男である)
ここで披露されている音を聴けば、そう思わずにはいられません。アメリカと言われなけばイタリア辺りの正統派HM/HRバンドと疑うことはないでしょう。良いメロディと適度に隙間のあるリズム、そして保守的な作り込みの音は時代を超越する、正にトラディショナルと呼ぶに相応しい古典HM/HRサウンドが満載。
適度な疾走感とハードテイスト、ネオクラやメロスピと呼ばれるバンド群ほど臭くならないメロディの質、その一歩手前で止めたセンスが見事に結実、この欧州型のメロディックパワーメタルをアメリカ系がやればこうなるという手本のようなスタイルは、昨今のアメリカ市場のおけるトレンドも言え、かつて国内外問わずメディアがこぞって捨てた音楽性の第二成熟期を予感させる一枚と言えるでしょうね。
ライブはどうなっているのか?作品のみなのか?詳しいバイオは分かりませんが、唄もうまいし良い曲を掛けるのだから、メンバーを集めパーマネントな活動を視野に入れて欲しいですね。

まごうことなき王道メロディックHM/HRの旨味、ツボを心得た展開と曲作りの上手さ、濡れていないがヌラヌラと光る湿ったメロディをパワフルな楽曲に練りこませ、ガツンガツンと聴かせてくる。
ロイ・カーンのいたキャメロットからクラシカルテイストを省いたようなサウンドと形容すればよいのか?アメリカの主流とは言い難いが、地下ではグラグラとエネルギーを蓄積し、一部マニアから熱烈なジャンルになる音楽性を披露してくれた今作。日本でも確実に需要があるかと思いますよ。定額制&無料の音楽サイトでも聴けるのがありがたいねぇ。

失恋船長 ★★★ (2020-02-10 14:40:18)