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Turn Back Trilobite

アルバム毎に音楽性が変るバンド、今作もモデルチェンジをはかり聴き手を驚かせている。アルバムタイトルを直訳するならば、三葉虫を元に戻すという意味になる。これこそが今作のテーマであり音楽性の変更の意味にも繋がる。
所謂ドゥームロック的なアプローチに進むのだが、それは北欧のCandlemassなどの息吹にも似た感覚があり、メタルバブルの終焉を尻目に、全く違うアプローチでシーンを切り開こうとした、その気概と先見の明には目を見張りますね。
単なるサバスフォロワーのような安直な手法をとらない確信的なアプローチ、ウネリを挙げるファットなギターは鋭く聴き手の感性を抉り、地を這うだけではないギャロップビートで攻撃性もアピール、初期のダーティさもあったスラッシュビートは一切出てこないので寂しさもあるだろうが、当時としてはまだまだ未開の地である90年代型のシンドゥームロックへの布石となる音楽性を高次元で提供している。深遠なる神秘の世界へと誘う③など、叙情的なメロディとオカルトストーリーテラーの嘆きを抱えながら唄うリンダ嬢のパフォーマンスもハマり、今作の成功例と一つと言えよう。
ただ、彼らの代名詞とも言えるスピード、そして燃えたぎるエネルギッシュなハイエナジーサウンド、そういうものが一切無いのは実験的過ぎたろう。メロウなパートが強くなりすぎた、根幹にあるメタルスピリットは変らないのだろうが、早すぎた変革とも言える。
ほどなくしてバンドは解散。音楽性の変遷が影響を及ぼしたのかは分からないが、このサウンドがシーンに与えた波紋はけして小さいモノではないはず、英国の伝統美、そしてドゥームロックからNWOBHMへの系譜を知りたいのならば手にした方が良い歴史に的な価値のある一枚である。ドゥーム系が苦手な人にはとっつきやすいだろう、ギターも立っているし、何よりドンヨリ系ではなく起伏のある展開も多く一曲の中にドラマが存在する。メロディアスさも十分にある、それだけに聴かせる場面は多い、ドラムも手数が多いから高揚感も十分に感じるでしょうね。
歴史に埋もれたが重要な意味を持つ一枚でしょうね。

失恋船長 ★★★ (2022-12-03 12:47:02)


Within the Prophecy

前作の音楽性をグッとメタルよりに推し進めた2枚目。オープニングからサバスティカルな影響を強く押しだし、その攻撃性とおぞましい暗黒テイストを交互にアクションさせることで独自性を高めている。
不気味なカヴァーアートが示すようなドロリと黒く濁った感性が、ゼラチン状にまとわりつき、鋭さを増した音楽性に絡みつきます。
リンダ嬢の唄い回しも咆哮するわけでも、カミソリシャウトでもない、しっかりとメロディを追って歌い上げるタイプであり、従来イメージされるスラッシュ系のシンガーとは一線を画す存在、女性らしい表現力を損なわない歌声に、悪魔的なサウンドに囚われた堕天使の如く神々しい光を放っています。
その魅力はクリアーなギターが飛び出す③のような楽曲でも存分に発揮され、このバンドの特異性を存分に見せつけている。スラッシュ的な要素もあるが、リズム隊はオーセンティックサウンドを構成しており、前作とは違うアプローチを取っている。
ある意味、禍々しいギターサウンドが、得意のスタイルを牽引しているという事なのだが、ワンパターンに陥らないアイデアと分厚い音像で迫るギターサウンドはバンドの肝でしょう。
無垢な感性を爆発させたUKクロスオーバーサウンドの凄み、禍々しくも美しいタフなサウンドは、加速度を増しながらもメロディアス、暗く湿った英国様式美にも通ずるスタイルと血なまぐさい暴力的サウンドの融合、後続に与えた影響を考えると、今もってしても多くのバンドが束になって勝負しても寄せ付けないだけの、個性とパワーを有していると思います。
Witchfinder GeneralとZnowhiteが合体したようなと言って食指が動いたマニアならば聴いて損はしないでしょう。
ありきたりのサウンドに飽きたマニアにもすすめたい一枚ですね。こういう音楽性はメタルバブル弾ける1987年に作り上げていた事実に驚嘆するでしょうね。

失恋船長 ★★★ (2022-04-29 13:09:33)


Behind the Realms of Madness

スラッシュメタル後進国だった日本だけに、今以てマイナーな存在に終わっている、英国産極悪クロスオーバースラッシュメタルバンドの記念すべき1st。DISCHARGEとSLAYERの融合等と例えられる機会の多い今作は実に独創的なウネリと凶暴性を有している。闇に魅入られたサバスティカルな地を這う蠢き、峻烈なるビートと刺激的な音像、そのヒステリックで暴力的なサウンドながら、英国由来の湿り気のある根暗な感性を楽曲にドップリと落とし込み、単なる過激さ命のハードコアパンクストは一線を画す高い音楽性を披露しています。
紅一点の女性シンガー、リンダ”タム”シンプソンも無駄に凄むことなく咆哮、その刺激的な歌声はパンキッシュな感性に彩られ迫力十分。このバンドの個性は音のみにあらず、やはり女性シンガーを立てた事が大きいだろう。
アルバム毎に音楽性はチェンジするために、少々混乱を招く可能性もあるが、ここで聴ける純粋無垢な弾け飛ぶ感性、ハードコアパンクストとして鍛えられたバンドが次に邂逅したのが新進気鋭のスラッシュだったという事なのだろう。
こうして改めて聴くと、このバンドがいかに後続に影響を及ぼしたかが伺いしてる。それ故に、知名度の低さにもどかしい思いを味わうが、今やカタログ雑誌を買いながら音楽を聴く時代でもないので、再考される機会もあるでしょう。

この野蛮で刺激的なサウンドながら、英国由来のねっとりとした情緒とダークな質感、暗く湿った音像を切り裂く破れ被れな演奏、安易にクロスオーバースラッシュメタルという言葉を使いたくない、唯一無二の個性を有している。○○からの影響を高次元でやり切ったバンドのセンスに脱帽です。

今ではデモ音源プラスで復刻盤も出ているのでマニアならずとも手に取って欲しい、歴史に埋もれている名盤でしょう。

失恋船長 ★★★ (2022-04-27 17:08:05)


Turn Back Trilobite

英国産ドゥーム寄りHM1989年作
この作品はよくドゥームメタルとして紹介されているが、サイケ要素は無くあくまで正統派HMにスローリフを取り入れた感じだ。
とはいえ、ミドルテンポでヘヴィに聴かせる正統派HMとは若干肌色が異なるという、なんども説明し難いこの時代としては異質な音楽性だ。
過去にハードコアやスラッシュをやっていた影響も感じられないでもないが、むしろバラード調の泣きのギターが登場したり
ツインリードで聴かせるリフが登場するなど、より正統派路線にシフトしている上、リフやギターワークで聴かせようという意欲が見え隠れする。
まあ、大きな特徴はLynda Thompsonの女声ヴォーカルなんですが、高い音程を取るのが少し苦手なんでしょう。女性ヴォーカルが際立つワリに
音痴(失礼!)なんですよ。そこをキュートな声質がかろうじてカバーしているという感じ。手の込んだ楽曲とこのヴォーカルのアンバランスさに
B級愛を感じずにはいられない。Lynda Thompsonは真面目にメロディアスに歌う歌唱法は向いていない気がするんだが・・・。
また、この年代では宇宙のみを描いたジャケは結構珍しい。Beherit、Nocturnus、Magusあたりが思い浮かぶが、いずれも同時期のバンドとの
差異化にジャケデザイン効果が大きな要素になっていた思うが、この作品においても同じことが言える。ジャケが宇宙というだけで存在感が大きい。

kamiko! ★★★ (2020-07-04 16:41:09)


Search Eternal / Within the Prophecy
ハードコア的やさぐれ感と、スラッシーなアグレッション、
英国正統派HMか、はたまたエピック・ドゥームかという
漆黒のドラマ性を宿した10分以上に及ぶ曲展開等、
このバンドの個性を全部乗せしたような大作ナンバー。

火薬バカ一代 ★★★ (2020-03-23 22:37:50)


Within the Prophecy

似たような名前のバンドがチラホラいますが、こちらは英国ブリストル出身の4人組。UKシーンにおけるクラスト/パンクからスラッシュ・メタル方面へのクロスオーバー現象を語る上で欠かすことの出来ない重要バンドであり、NAPALM DEATH、BOLT THROWER、CEREBRAL FIXといったバンドに影響を与えたことでも知られるSACRILEGEが、'87年に発表した2ndアルバム。
MUSIC FOR NATIONS傘下のスラッシュ・メタル専門レーベルUNDER ONE FLAGと契約を交わしたことが関係あるのかどうか、ともかくDISCHARGE辺りからの影響を伺わせるリフ&リズムのササクレ感はそのままに、よりメロディックに歌うようになった金髪女性シンガー、リンダ“タム”トンプソンのVoといい、一層の拡充が図られたインスト・セクションといい、10分越えの大作ナンバーも収録する等ブリティッシュHM然とした薄暗いドラマ性を宿す曲展開といい、これまで以上にサウンドのスラッシュ~正統派HM度数がUP。個人的には聴いていてZNOWHITEのことを思い出したりしましたよ。
無論それがマイナスに働くなんてことは全然なく、寧ろこっちにはバッチ来い。インストの前半と歌入りの後半の二部構成からなるOPナンバー①、アコギと緩急を活かしてドラマティックな盛り上がりを演出する③、次作ドゥーム・メタル路線への萌芽が既に感じられる⑦、本編ラストをオラつきながら走り抜ける⑧といった楽曲のカッコ良さは、音質の悪さを差し引いてもくすまぬ輝きを放っています。
スラッシャーにも、ブリティッシュHM好きにもお薦めできる歯応えのある力作。

火薬バカ一代 ★★★ (2020-03-20 09:53:25)