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kamiko!さんの発言一覧(評価・コメント) - ABC順 501-548

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UPWARDS OF ENDTIME - From Genesis to Apocalypse and Beyond - Men at Arms ★★★ (2020-08-22 02:15:24)

軽快な4ビートが魅力的なアルバム1曲目を飾る曲だ。が、殆ど展開することなく一本調子に終わる。
上から目線のナルシズムを感じさせるヴォーカルが楽しそうに歌っているところがイラッとする。
しかし、このイライラは序の口、まだ始まったばかりだ。


UPWARDS OF ENDTIME - From Genesis to Apocalypse and Beyond - Passing Time ★★★ (2020-08-22 02:21:01)

時が過ぎていく表現を物静かに、タム中心のドラミングで、アンビエント風に、時にベースのリフを入れて・・
やりたいことはとてもわかる。が、ドラムの緩急のつけ方が非常にワザとらしく、全然シットリしていない。
曲のラストではドラムのみになり、徐々にワザとらしくテンポダウン、カシャーン!というシンバルで締めくくる。
ローテクでクドいドラムにゲンナリし、妙な倦怠感と笑いを提供してくれる。


UPWARDS OF ENDTIME - From Genesis to Apocalypse and Beyond - The Sleeping Dragon ★★★ (2020-08-22 02:24:16)

Passing Timeでゲンナリした次の曲がコレだ。
高めの音程を歌うことができないのだろう。驚くほど音痴なサビが延々続き、疲れが最高潮に達する。


URIAH HEEP - Living the Dream ★★★ (2020-07-09 23:24:03)

英国産プログレッシブロック・オルガンロック2018年作
このバンドのサウンド体験は、メタル誌のプログレッシブロック記事を見て興味を持ち、Look at Yourselfをゲットしたところからスタートしたが
アナログシンセに傾倒していた先輩バンドマンの影響からか、1960年代後半から70年代初頭に英国で火のついたオルガンロックサウンドの
バンド群(Cressida、Egg、AffinityあたりのHR/HMの括りよりはオルガンを前面に出したロック)にハマるきっかけになったバンドだ。
そういう経緯がありながらも、意外にDeep Purpleにはハマらず、先に挙げたバンドと、このUriah Heepにハマった。
オルガンロックバンド群の中でも、ハモンドやメロトロンを無骨に大胆に導入した唯一無二のスタイルに魅せられたので、HR寄りの後期作品より
オルガンが前面に出た初期3作品が特に好みだ。オルガンが若干控えめになり構築的なプログレ要素とコーラスワークで聴かせるスタイルが
定番になり始めた頃の作品もカッコいいのだが、やっぱり初期のアナログシンセが暴れ回る作風のインパクトには敵わないなあ、と思う。
後期作品は、買い物中に発見したらとりあえず仕事のように買う、といった感じでゲットして、ワリと歯抜けにはなっている。この2018年作は
今年になってリリースを知ってゲットしてみた。もう50年も活動しているのか。全く凄いバンドだなぁと思う。
少なくとも、オルガンロック全盛時代から現代まで活動しており、HR寄りにはなったものの当時の英国オルガンロックの香りを宿すサウンドは
このバンドしか思いつかない。ただ、前作Outsiderが(嫌いではなく結構聴いたが)思いのほか期待ハズレ感があったので、この2018年作の購入も
随分と後回しになってしまった。しかし、前作の不振を払拭するどころか、相当なエネルギーを感じさせる力作で、単に完成度の高いオルガン入り
ロックサウンドという感じではなく、初期の暴れ回るグルーヴすら感じさせる快作なので、予想を超えていたクオリティに驚き、感動したよ。
ただ、そのグルーブを最も感じさせるのはオルガンではなく、相変わらずワウをブイブイと効かせるギターだ。そのギターとオルガンが絡むと
凄まじい音の渦に魅了されてしまう。また、楽曲は英国情緒のみならず、トラックによっては米国的な雰囲気のサウンドも登場し、懐の深さを感じさせる。
また、Dreams of Yesteryearの作風は、彼らの50年の歩みの重みを疑似体験させられるような、この盤のラストトラックを飾るに相応しい楽曲だ。
高密度の年齢を感じさせないエネルギーと、熟練の円熟したサウンドが同居している。流石に最もボクが好む初期のアナログシンセ大暴れの作風への回帰は
あり得ないので、現状彼らに求め得るサウンドとしては、100点満点のクオリティなんじゃないかなと思う。


UZ JSME DOMA - Kry ★★★ (2020-05-18 00:26:13)

チェコ産アヴァンロック2018年作
もう随分長く活動してると思うが、初期から大きく方向性を変えることなく作風はワリと同じなのに、毎回納得のクオリティなのは
バカらしいパンク寄りなサウンドでありながら、前衛的で知的な楽曲構成のセンスが高く、沢山の引き出しを持っているからだろう。
この音楽性に追随する、影響を受けたと思われるバンドが僅かにいるが、その独創性には全く追い付いていないと思う。
多彩な変拍子と控えめながらエッジの効いたギター、独創性の大きな要素であるトランペットの存在、チェコ語のイントネーション等
他ではあまり聴くことのできないサウンドでありながら、ものすごーくそれを自然にやってて聴きやすいところが、コレまたスゴイ。
ポップアートのようなシュールなジャケが毎回楽しいが、今回はシロクマだ。歴代ジャケでも特に好きなデザイン。
このバンドの歌詞が詩的で地元チェコでは評判らしいが、チェコ語がわからないので、そこまで堪能できないのは少々残念。
この音楽はメタルやハードロックではないが、特にこの盤は、HR/HMリスナーの耳にもフィットし、新鮮に感じられる筈だ。
ちなみに、ボクは長くこのバンドの作品を愛聴しているが、未だにバンド名の読み方がわからない。チェコ語の発音らしいが・・。


VANDENBERG - 2020 ★★★ (2020-06-07 18:13:35)

ギターヒーローモノは友人のギタリスト経由だったり、自分がダークサイドに染まる前、洋楽ビギナーの頃に結構多く聴いたが
ヴァンデンバーグ3作品は近所のCDレンタル屋からゲットした作品をカセットテープに落としてよく聴いていた。
当時のメタル誌でも名前はよく掲載されていたが、決して高評価とは言えない微妙な立ち位置だったのは、同時期の哀愁漂わせる
ギターヒーローに比べると、北欧情緒的な哀愁は一枚落ちるし、WhitesnakeでもどちらかというとSteve Vaiに取って代わられた感が
あるからなのかな、とは思う。そもそもヴァンデンバーグのギターは英国的なイメージが無く、哀愁はあってもどちらかというと
北欧人でありながら米国的なイメージをボクは持っていたと思う。だから濃厚な北欧情緒のギターを期待すると一枚落ちる印象を持ちがち。
ならば米国的なブルースギターかといえば、ブルースのように魂を込める演奏ではあるものの、ブルーノートを辿るソロはあまり弾かず、
かといってクラシカルかと言えば、古典的なギターワークからむしろ脱しようとする奇抜なギター志向がギターソロから感じられるため、それも違う。
この人はそもそも前人のスタイルは最小限に取り入れるにしても、新しい楽曲やギターを創造したいという志向の持ち主だったんじゃないかなと解釈している。
(ボクはギタリストではないので、詳しい人からすれば、それは違うというツッコミはあるかも知れないが・・)
そういうワケで、この作品に期待する作風は、当然Whitesnake時代ではなく、また、それ以降のボク的には微妙なManic Edenでもなく、近年のアコギでもない。
初期作品の2nd路線の音楽性を期待するんだが・・・そういう意味では少し微妙な作品に仕上がった感がする。まあ、当時の作品に占める雰囲気の多くは
ヘタウマヴォーカルの存在感というのもあったと思うので、どうしても今作のヴォーカルの存在感が大きい作品は、ヴァンデンバーグ名義作品としては
どうもシックリこないところがある。また、楽曲は教科書通りとも言える80年代路線でまあ良しとしても、ギターソロは当時の独創的な感じとはチョイと違う。
・・・とまあ、思うところは色々あるとしても、この盤のクオリティは相当高く、80年代ハードロックが現代に蘇る作品としては必聴盤だ。
ただ、ヴァンデンバーグ名義作品として、これこそヴァンデンバーグ!というインパクトは、ちょっと物足りない・・でも66歳?でこのエネルギーはスゴイと思うよ。


VICTORY - Don't Talk Science ★★ (2020-05-28 23:28:04)

ドイツ産ハードロック2011年作
昔はTemples of Gold(1990年作)にハマり、よくウォークマンで聴いていた。その頃が全盛期だったように思う。
その頃から20年以上は経っていると思うが、当時の雰囲気を楽しみたいと思いゲットしてみた。
オリジナルメンバーで継続しているのかどうかは知らないが、昔はドラムの手数が最小限で多彩さに欠けるものの
心地よいグルーヴ感だったように記憶しているが、今作もドラムのリフは単調に感じられる。
また、年齢を重ねたからなのか、当時のグルーヴ感はあまり再現されていないサウンドだった。
しかし、安定感のある演奏はやはり年季が成せる技だなと思う。そして80年代後半~90年代前半の独特な空気が
なんとなく蘇ってくる好盤だ。ジャケをもうちょっと頑張ってほしかった。


VINTERGATA - Smorodina ★★★ (2020-07-29 23:13:22)

ロシア産シンフォニックHR2018年作
アルバムタイトルはロシア表記ではСмородинаだ。
ブラックメタルやデスメタル的アプローチもあるが、ユーモア溢れるコミックさのあるメインヴォーカルや仰々しい女声ヴォーカルの
個性が強く、真性さよりもホラーエンターテイメントな色が強いサウンドだ。決してクオリティは高くはなく、イメージとしては
King DiamondやCradle of Filthあたりの音楽性で、それらのサウンドを若干B級にシフトさせた感じだ。
濃厚な暗さが売りのロシア産には珍しい明るいイメージのホラーエンターテイメントである上、何故か捨て置けないB級愛が芽生える楽曲群に
とても惹きつけられる。とりあえず万人にはオススメしないが、個人的に相当ツボに入ったB級作品である。
騎士の死体の山、血を思わせる真っ赤な川に架かった木の橋の上で、騎士と女の幽霊が対峙しているジャケがいかにもなB級メタルのジャケだ。
完成度はまだまだという印象だが、起伏あるユーモラスな楽曲という個性があるので、音の作り込みに力を入れれば、次作で化けるかも知れない。
ただ、ボクとしては、このままのB級っぽさを臭わせる空気を維持してもらいたいとも思っている。次作は絶対にゲットしてみたい。


VINTERGATA - Smorodina - Смородина ★★★ (2020-07-29 23:24:51)

シンコペーションを多用する独特なリフと薄めのシンフォニックなシンセがマッチしている。
サビの仰々しい歌いまわしや、ダサさと紙一重なダンサブルなリズムはとてもユーモラスで、妙なB級愛が芽生えるのだ。


VOIVOD - The Wake ★★★ (2020-04-26 18:43:33)

Angel rat以降、どうもコレジャナイ感漂う作品が続き、全くボクのツボにハマらず
ギターが病気で脱退後、更に混迷するのかなと思いつつ、一応はずっとチェックしてきたのは
Nothing Faceのようなプログレッシブ&スラッシュ的なスタイルで蘇ってくれないかなという期待があったからだ。
ジャケを見て、コレは大丈夫なのかという不安を感じつつも発売当時にゲットしましたが
コレは!Nothing Faceで悶絶したファンにとって期待通りの作品に仕上がっている!
コレは2018年の作品ですが、とりあえず2018年にゲットしたHR/HMベストアルバムですよ。
元々Pink Floydをカヴァーするような、サイケ&スピリチュアルな志向性を持ったバンドで
情緒不安を引き起こしそうな変則リフや不協和を絶妙に構築する楽曲が一番の売りだったと思う。
そんな個性がこの作品には再び宿り、まさにNothing Face路線の新作と言うに相応しい。
ヴォーカルのスネイクの声質は年齢を重ねても昔と変わらず、この変則的で丁度良い音圧のギターにフィットしてる。
Voivodはハードコアやザクザクギターやカッコいいロック路線だと魅力が半減するよ。
やっぱり薄目のギターの方がスピリチュアルさが全面に出るし、スラッシュテイストが最もフィットするよ。
ドラムもオリジナルメンバーでずっと活躍してるけど、こういうスラッシュなドラムの方がカッコいいね。
もうね、このアルバムはVoivodの集大成ですよ。ホント多くの人がコレを体験して驚愕してほしいと思う。


VOLTLAND - The Cycle of Existence ★★★ (2020-08-29 21:53:43)

ロシア産プログレッシヴメタル2017年作
ボクがロシアのショップで買い物する時のCD価格の相場はCD1枚600ルーブルくらい。日本円で1枚800円台くらいでゲットできる。
送料が勿体ないから、色々試聴して値段と相談しながらなるべく良質な作品を格安で大量に手に入れるようにしてるんですが
この作品は、最近ゲットした中でもワゴンセール並みの格安276ルーブル(最近の相場でも400円以下)で叩き売りされていた。
ボクの検索の仕方が悪いのかも知れないが、Youtube試聴回数が23回(既に3年経っているというのに・・)という全くの無名。
まあ、ジャケもバンドロゴもダサいし、バンド名もピンとこない。このジャケを見てこの新人バンドを買おうという人も少ないのかも。
しかし、侮るなかれ。ボクは試聴して一発で購入を決めた。相当ハイレベルで希少価値のある盤であることは間違いない。
メタラーが想像するプログレッシブロックど真ん中路線、テクニカルなメタルに70年代プログレ要素を盛り込んだ感じだ。
シンセをふんだんに盛り込み、理に叶った変拍子リフを多用し、イイ感じにアヴァンギャルドで、ドラマチックな曲展開をする。
演奏や録音状態も高いレベルにある。コレが何故叩き売りされているのかわからないくらい高品質なサウンドなのだ。
シンセを多用するメタル寄りのプログレッシブロックで良作はなかなか無い。あまりそういう音楽をやろうという人自体少ないのかも知れない。
この作品は、シンセの使い方や曲構成、ギターソロのセンスなど、70年代的プログレサウンドの手法をベースに新しい音楽を創造したいという
挑戦的な意欲がものすごーく感じられるアツい盤だ。ヴォーカルに若干癖があるので、聴き始めはナメてかかってたが、その壮大さに圧倒された。
特に5部構成の25分超大作のアルバムタイトル曲が激アツだ。鍵盤とギターが暴れ回り、曲展開が読めない複雑怪奇な感じは、70年代プログレファンの
心をガッツリ掴むに違いない。このまま無名で消えてしまうには惜しいバンドだ。叩き売りされているのでみんな買ってあげよう!


VOLTLAND - The Cycle of Existence - The Cycle of Existence ★★★ (2020-08-29 22:30:30)

Destiny、Wheel of the time、Oasis、Life Cycle、Final Fallとタイトルが付けられた、
インスト2曲を含む5曲からなる、トータル25分超の大作だ。
70年代プログレでよくある大作主義、KansasのLeftoverture(1976年)やPink FloydのAtom Heart Mother(1970年)あたりを
彷彿させる組曲形式は、このバンドのコダワリを感じさせる。70年代プログレを意識したこの大作はとてもドラマチックで
当時のプログレの空気感が蘇るかのよう。全くの無名バンドとは思えないハイクオリティだ。


WARFECT - Spectre Of Devastation ★★★ (2021-09-26 19:20:24)

スウェーデン産スラッシュメタル2020年作
過去作品のジャケクオリティに惹かれつつも、今更スラッシュメタルをゲットするのも・・と思いつつ静観してきたバンドだが新作をゲットしてしまった。
丑三つ時に石造りの建物にて、バッハのような長髪のガイコツ王が、3匹のネズミに鎖のリードをつけて直立しているジャケ。全く強そうじゃないのがいい。
2曲目Pestilence(疫病)3曲目Rat King(ネズミの王)4曲目Left To Rot(腐ったまま)という流れの隙間キャラを描いたB級世界観の汚い感じが素晴らしい。
楽曲の8割は突進型スラッシュだが、コレが歪みや重量に頼ることなく、クリアな音質で圧倒的な音数を以って攻めてくるところがイイ。
カミソリのような切れ味を持つギターと、ハイテクニックなドラムによる高速リフは魅力的、そんなサウンドに濁声ヴォーカルが乗るスタイルだ。
また、ハイスピードのギターソロもカッコイイ。そういうトリッキーな演奏をジャストタイミングで演奏するからとても痛快である。
過去作品の演奏も今作ほど突出した突進型ではなかったがスピード感がありハイテクニックに挑戦していた。が、今作のようなジャスト感に欠けていたと思う。
エフェクトが軽めなところが、今作のネズミテーマに物凄くフィットしている。ハイスピードでネズミに柱をかじられてる感がとても爽快だ。
すぐ飽きてしまうかなと思っていたが、そうでもなかった。職人気質な演奏力の魅力が詰まった上質な突進型スラッシュなので超オススメ。


WARFECT - Spectre Of Devastation - Pestilence ★★★ (2021-09-26 20:02:39)

オフィシャルビデオになってる曲。典型的な突進型スラッシュだが、その爽快感は素晴らしい。
割と教科書通りの起承転結ある楽曲、ハイスピードのリフ・ギターソロに、ものすごーく職人気質を感じる。
アルバムの最初を飾る曲で、まずココでコテンパンに打ちのめされる。


WARFECT - Spectre Of Devastation - Rat King ★★★ (2021-09-26 19:46:07)

ネズミ王をテーマにした、前半で最も盛り上がるキラーチューンだ。
走り気味の突進型スラッシュで、キレッキレのカミソリギターとトリッキーで華麗なドラミングが魅力だ。
ここまでストレートに突進されると、もう無条件で納得してしまう。ホント、カッコいい。


WARREL DANE - Shadow Work (2020-08-12 22:50:38)

米産テクニカルHM2018年作
この人はSanctuary、Nevermoreのヴォーカルだ。オペラを学んだ経歴からも、広い声域と伸びやかなロングトーンが魅力だ。
その魅力を最も引き出していたと感じる作品はSanctuaryのInto the Mirror Black(1989年作)だったように思う。
バックの演奏は限りなく物静かで、ヴォーカルを際立たせる録音が最適で、アップテンポよりもスローがいい。
Nevermore時代はよりテクニカルな音数の多い音楽性に進化していったが、テクニカルな楽曲重視のファンからは中期以降が
ウケていたみたいだが、ボクは初期作品しか聴けない上、Into the Mirror Blackを超えたと思わせるモノがなく
結局Nevermoreは1枚もゲットしなかった。ちなみにSanctuary名義でリリースされたThe Year the Sun Died(2014年作)も
一応ゲットはしたものの、処女作のアツいサウンドに回帰した感じで、ボクとしてはコレジャナイ感のある残念な作品だったように思う。
もはやテクニカルさが前面に出た賑やかなサウンドが持ち味になり、ヴォーカルの魅力を活かしきれていないと思わせる作品が続いた今
再びソロ名義の作品をゲットしてもきっとツボには入らないんだろうとは思っていたが、まあ、期待通りの作品というワケにはいかなかった。
試聴のみでゲットせずにおこうかと思ったが、好きなヴォーカルだし、この作品を収録中に心臓発作で他界してしまったので、一応ゲットした。
ラストでツボにハマる歌声を聴かせて欲しかったが・・・ちょっと残念。


WARRIOR SOUL - Last Decade Dead Century ★★★ (2020-10-30 14:27:39)

米国産ハードロック1990年作
甘く青臭い若さ溢れ、かつエネルギッシュなヴォーカル、時にサイドヴォーカルとのハモリが素晴らしい。
英語だから何を言ってるかわからないが、ややパンク寄りのメッセージ性の強い歌い方をするスタイル。
音圧を抑え絶妙な残響音で聴かせ、ストリートを感じさせる雰囲気が漂う。この時代の主流から外れた音楽性に魅力がある。
ボクは次作Drugs, God and the New Republic(1991年)がWarrior Soul初体験で、この次作こそがこのバンドの
最高傑作だったと未だに感じている上、30年経った今でも手の届く範囲内の棚に常備しているくらいお気に入りだ。
処女作であるコレは、次作でロック史に残る(とボクは思っているが・・)神盤を世に出す下地・予兆が感じられる名盤だ。
このバンドが何故日本でそんなにヒットしなかったのかは不可解だが、現在も活動している老舗バンドだけあって
大きな魅力を備えているのは確かだ。一応毎回チェックはしているが、初期3作品を超えるインパクトを感じる盤は無い。
ちなみにSalutations From The Ghetto Nation(1992年)は、2ndの勢いやストリートを感じさせる要素が薄れているが
一本調子な感じから、中身で聴かせようとする作風にチェンジ、2ndの魅力を代償に新たな路線にシフト。この良さが判るのにボクは時間を要した。
4th以降はこの初期3作品各々にある魅力をミックスした作品を作り続けるが、ボクの感性は、初期にあった突出した魅力がやや薄れたと感じさせる。
Destroy The War Machine(2008年)で、初期のエネルギッシュな感じが蘇ったかとも思ったが、やはり初期作品には敵わない。
近作は楽曲は円熟し、音も年季を感じさせ、それなりの魅力はあるものの、初期に凄すぎる作品を世に出してしまったが故に後期作品にハマれない。
現在のクリーントーンが少な目になったヴォーカルスタイルはエネルギッシュではあるものの、初期作品のヴォーカルスタイルこそが最大の魅力だった。
30年以上活動するバンドに、パンク寄りの音楽性を求めるのもナンセンスなので、このままのスタイルでいいと思うが、なんとか初期作品を超える
作品を作ってほしいと思う。それだけのポテンシャルはある筈だ。


WELL OF SOULS - Sorrow My Name ★★ (2020-05-17 16:47:20)

米産エピックドゥーム2012年作
Solitude Aeturnus路線どストライクだった前作から、Solitude Aeturnusのギタリストが運営する(たぶん)レーベルからリリースの作品。
ジャケのデザインがエピックドゥーム的ではなく、血を流す女性がブランコに乗り周囲に薔薇と血の手形という、B級臭がプンプンするジャケに。
とてもヤバいイヤな予感がしたが・・音楽性は延長上のモノで、特に進化らしい進化はない無難なサウンドだった。
癖のあるヴォーカル、ゆったりミドルテンポで聴かせる内容でいいんだけど、前作にも感じられたが、演奏技術にあまり光るところを感じない。
メンバーチェンジなどイロイロな事情で、思った通りにいかなかったのかもしれない。2020年現時点でメンバー募集中というのもいただけない。
ちなみに、2002年あたりに同名バンドがドイツから出ており、ドゥームバンドなだけに、非常にややこしい。むしろそっちの方がカッコいい。
暫くそっちをこのバンドの新作かと思っていたよ。
Solitude Aeturnus路線のエピックドゥームは貴重だから、もうちょっと頑張ってほしいな。


WILT - Huginn ★★★ (2023-08-30 00:40:20)

カナダ産ブラックメタル2023年作
音源自体は2022年にテストリリースのような形で世に出ているみたいだが、まあ今年の作品。
自然崇拝に寄ったアトモスフィアブラックが定期的に聴きたくなる性癖が発動しまして、いくつかチョイスしたうちの1枚。
ドイツのVendetta Recordsがリリースするブラックを一通り聴いた中で、一際輝いていたバンドがコレだ。
鳥が描かれるジャケに対しては、殊更愛着が沸いてしまい、中身がどうであれ買ってしまう衝動に駆られるんですが
近年出会った鳥ジャケの中ではかなりイイ感じだ。油絵調の質感でカラスのシルエットの中に滝が描かれるジャケにまず惹かれる。
サウンドクオリティも悪くない。激しすぎず、適度にカスカスの粉っぽいギターとオーソドックスなガナリ声ヴォーカルだ。
濃霧ではなく、適度な湿り気で、ジャケにある山林の滝の情景にジャストフィットした自然崇拝ブラックに酔いしれることができる。
このテのブラックをやってるバンドも物凄い数いるから、適当にゲットしてもまあそこそこ楽しめたりはするんですが
適度なギターの歪みで、ボク好みの湿度で、あまり凄みを利かせないガナリ声で、ドラムがあまり煩わしくなく・・・
といった感じで注文をつけていくと、なかなかストライクゾーンを捉える作品というものに巡り合わないんですが
コレはほぼストライクゾーンを捉えている上、ジャケがイイというお宝作品。ただ、残念なのは、収録時間が25分、3曲という
若干ボリュームに欠けるところだ。送料込みで3000円超えたし・・・まあ、それだけの価値は充分にあるんだけどね。
ほぼストライクゾーンと書いたが、概ね許容範囲ながら若干気になったのは、ヴォーカルの熱量が若干好みよりも高めなところと
バスドラがほんの少しだけ音量が大きいかな。繰り返し聴いていたら耳に馴染んで殆ど気にならなくなった・・という程度。
演奏や曲構成が特別凄いかというと決してそうではなく、巷に溢れかえる無名ブラックのひとつに過ぎないといったレベルだと思うが
まあ、ジャケを含めボクの好みにバッチリとハマる珍しいパターンのバンド、ということだ。
ボクの超お気に入りバンド露Янтарные Слезы(Amber Tears)というドゥームメタルバンドがいるが
そのバンドが針葉樹林の烏と風をテーマにした曲を作っている。まあ、そういう世界観がボクはツボなので
それに非常に近い雰囲気を持つこの作品は、とても気に入っている。恐らく向こう何年かは頻繁に手に取る作品になりそうな気がする。


WINDHAND - Eternal Return ★★★ (2020-08-15 23:01:19)

米産サイケデリックドゥーム2018年作
前作がワリとツボに入ったので、今年に入った頃ゲットしてみた。前作の延長上の音楽性ではあるものの、正当進化した印象。
ライトに聴ける初心者向けなイメージを前作で持ったが、今作は濃さが上乗せされて、若干マイナーチェンジした翳りが魅力的だ。
また、ギターの浮遊感と重量が若干増した。ライトな酩酊感から、ヘヴィードープスモーカー向けサウンドにシフトした印象だ。
前作のジャケデザインが結構ツボだったが、同じ画風の今回のジャケも優秀だ。森に佇む女性、血糊がホラーな感じでいいね。
濃厚なサイケ臭にイーヴルなホラーテイストが素晴らしい。だるーい女声ヴォーカルが催眠術のようにダラダラ歌うところもいい。
とりあえずこの路線では非の打ち所が無いトップクラスの完成されたサウンドだ。超オススメ。


WINDHAND - Grief's Infernal Flower ★★★ (2020-08-15 22:39:40)

米産サイケデリックドゥーム2015年作
ヘヴィでストーナー要素を含むギター、気怠い女性ヴォーカルによる、安定感のあるサウンド。
その路線ではワリと有名なバンドなんじゃないかと思う。オカルトな雰囲気がありながらも暗くないから
気軽にダラダラと楽しめるところがいい。適度な酩酊感と浮遊感が魅力的だ。
この路線では最も標準的な、判りやすい音楽性で、既に完成されたサウンドだと感じるので、サイケデリックドゥーム初心者向けだ。
鈍重なリフをバックにギターソロ(というよりは高音域を掻き鳴らす)が響き渡る様が粉っぽく適度なストーナーな感じでいい。


WITCHCRAFT - Legend ★★★ (2020-06-12 20:22:34)

スウェーデン産サイケデリックロック2012年作
前作The Alchemist(2007年)がハイクオリティだっただけに、リリース元がRise AboveからNuclear Blastにチェンジして
録音が随分変わるんじゃないかなと心配した作品だが、ワリと期待通りのヴィンテージ臭漂うローファイ録音で一安心。
処女作Witchcraft(2004年作)の70年代アンダーグラウンドの空気まで再現された衝撃作には敵わないにしても
Witchcraftを追い続けたファンなら、納得の作品なんじゃないかな(次作で盛大にコケるんだが・・・)。
過去作に比べて、ハードな曲が際立つ作品。基本こういうサウンドは速いテンポの曲をボクは嫌うんですが、全然聴ける。
まあ、聴きどころはヴィンテージ臭のある雰囲気ではあるんですが、このバンドはヴォーカルの甘い声、高音部で声が裏返るところが
とても味わいがあって聴き惚れる。また、メロディや曲の起伏が判りやすくキャッチーに耳に入ってくるワリに飾った感じがしないのがイイ。
単に古き良きロックの音を再現しているということだけでなく、そういった固有の持ち味があるんだよ。
なんといってもこの盤は、鳥をモチーフにしたジャケが美しい。このデザインだけでワンランクお気に入り度が上がっているのは確か。


WITCHCRAFT - Nucleus (2020-06-07 23:27:00)

スウェーデン産サイケデリックロック2016年作
ダメな作品は買わず、全作品をコンプリートしているケースは結構少ない。
沢山のCDやLPを所持しているけど、意外と歯抜けで全部は揃ってなくて、そういう意味ではボクはコレクター精神は薄めなんですが
このバンドの盤は、この作品まで全てゲットしており(とは言っても5作品だが)、新作「Black Metal」をゲットするかどうか悩んでいる最中だ。
Witchcraftの新作が出れば買わないワケにはいかない・・筈なのに、買う気持ちに傾かない。
とりあえず、このバンドがちょっとおかしくなったのはこの盤からだ。
そもそも60~70年代の空気を再現したかのようなレトロ感が素晴らしいバンドだったのに、この作品はヘヴィさが強調されてて、
従来のレトロ感たっぷりの魅力を掻き消してしまっている。かなーりヘコんだ、ちょっと残念な作品、ボクとしては困った問題作だ。
まあ、作風が変わるのも判らないでもない。素晴らしかった前作「Legend」のメンバーは、全員脱退してしまい、
Magnus Pelanderが独りになってしまったようで、メンバーが一新してしまった、ということらしい。
同時期にMagnus Pelander個人名義の作品もリリースされているが、そちらはアコギの弾き語りで、趣きが全く違う。
アコギ作品はコレはコレで悪くないが、この人の志向がそっちに向かってるのか、新作「Black Metal」がアコギ作品になってしまっている。
とりあえず、良かった頃のレトロ感を取り戻して欲しい。で、アコギ作品はソロでやって、こっちではバンド形式でやってくれよ、と願っている。


WITCHFYNDE - Lords of Sin / Anthems ★★★ (2021-05-13 01:38:19)

英国産NWOBHM1984年作
ボク世代(40歳代)はMETALLICAのラーズウルリッヒがバンドをチョイスしたNWOBHM2枚組オムニバス盤をキッカケに
NWOBHMブームを体験したメタラーは結構多いんじゃないかと思う。その盤に収録されるバンド群はもちろん、
いろいろ辿って蒐集に勤しんだ時期に、WITCHFYNDEはかなり入手困難で、結局高校時代は入手を諦めてしまったが、
大学時代にこの盤のリマスター盤が発売され、狂喜した思い出があるね。懐かしい。
ただ、購入当時はイメージに反してライトなサウンドで熱狂的に集中して愛聴したということも無かった。
しかし、そのワリにWITCHFYNDEの盤は結構揃ってて、満遍なく愛聴してきた。
バンド名から想像するサタニックな雰囲気はジャケデザインとイントロ部分のみで、かなりキャッチーな旋律で聴かせる。
このバンドのいいところは、この時代特有のラフで華やかな演出のロックサウンドに適度な翳りが加わっている点だ。
結局こういうサウンドは、タイムリーに体験したリスナーか、年齢を重ねて余計な演出の無い原点回帰サウンドがツボにハマる人向けなんだろう。
NWOBHMバンド群の中でも、特に当時のシーンの空気感が伝わってくる。特にボクが所持するリマスター盤にはライブ音源も収録されているから尚更だ。
大きくないライブハウス、照明に反射する塵、独特のやや黴臭さを伴うあのニオイ、そういった感触が蘇るかのよう。
いいね。


WITCHNIGHT - Old Steel Breath ★★★ (2023-07-23 18:07:01)

アルゼンチン産スピードメタル2022年作
敢えてスピードメタルと書いたが、ジャンルとしてはスラッシュと言っていいだろう。ただ、音圧があまりになさ過ぎて
ブラストビートが登場する箇所があったとしても何故かスラッシュ以上の激しいジャンルのサウンドには聴こえない。
この盤はダメ作品かというとそうではなく、真逆である。ボクは敢えて海外に注文して今か今かと1か月待ち続けたんだよ。
だいたいWitchのスペルを含むバンドはハズレを引かない。この盤も然りだが、まあ、ちょっと趣きが違う。
オッパイを曝け出した魔女が、謎のサークル内で斧と骸骨を振り上げているチープでヘタクソなジャケ。まずコレがいい。
ここまで潔く下品なジャケは久しぶりだ。魔女の風貌から、Mentorsを思い出したよ。
メタル全盛期頃から、敢えて名盤と呼ばれる有名作品は買わず、このテのチープジャケ作品のC級メタルをチョイス
してしまう性癖はもう治らない。この盤は、そのチープさの趣きが何とも言えず香ばしく大きな魅力だ。
この作品はEPに続くフルレングスアルバムとしてはファーストアルバムだ。この時代にシケシケな音で
スピードメタル寄りのスラッシュをやるバンドはとても希少価値があるね。少なくとも演奏はウマいから
確信犯的にこういう音楽を追求しているんだろう。決してアルゼンチンは音楽発展途上ではなく
上質なメタルバンドは結構いるから、ジャケの印象だけで単に辺境の粗悪作品という見方をしてはダメだ。
音響は線の細い高音域にイコライジングしたシケシケギターの音作りが、スイスのMessiah初期作品にそっくりなので
そっちが好みのリスナーはこの音響に狂喜し一発で超お気に入り作品になるだろう。
C級らしさを醸し出す演出も忘れていない。笑いを誘う素っ頓狂な裏声シャウトが大きな特徴でポイント高い。
コレはC級のポンコツ作品ではない。あくまで80~90年代でローセンスポンコツジャケ&録音で表舞台に出なかった
隠れたマニア向け作品の空気を、現代に再現した名盤だと言いたい。
そういうマニア向け作品を漁ってきたコアなリスナーであるほど、この作品の面白さを堪能できるだろう。


WITCHNIGHT - Old Steel Breath - Into the Old Black Mountain ★★★ (2023-07-23 18:26:44)

このリフの刻み方もMessiahにとてもそっくりだ。
全くの偶然かも知れんが・・この人たち、結構Messiah好きなのかも。


WITCHNIGHT - Old Steel Breath - Southern Warriors ★★★ (2023-07-23 18:24:46)

Messiahの衝撃の再結成作Fracmont(2020年)の冒頭の曲そっくり、というか同じリフで始まる。
音響はMessiahの白クマジャケExtreme Cold Weather(1987年)頃にそっくりという・・
Messiahファン(がどのくらいいるかわからんが)であれば狂喜する作品だ。
おお、コレはスゴイ!と思いながらしばらく聴いていると、突然素っ頓狂な裏声シャウトで秒殺される。


WITCHNIGHT - Old Steel Breath - Tyrannical Warlock ★★★ (2023-07-23 18:29:58)

この盤の後半戦に入る頃の、気合の入った突進型スラッシュ。
熱量高めのハイテンションなギターソロ、シケシケギターなのに突如ブラストビートになる展開・・
この人たちの演奏テクニックが非常に高いことがわかる1曲。


WITH THE DEAD - With the Dead ★★★ (2020-05-25 22:35:31)

英国産ドゥームメタル2015年作
リードリアンとElectric Wizardのドラム&ベーシストによるドゥームバンド1st・・・このメンツだと
もう聴く前にどんな音か想像できるが、予想を裏切ることのない、ファズかけまくりの壮絶にヘヴィなサウンドだ。
とにかくElectric Wizardクラスの重量感を求めるなら、コレは必聴盤だ。
リードリアンのプロジェクトTeeth Of Lions Rule The DivineのRampton(2002年作)あたりの重量感がある。
最近はボクはこのテのヘヴィさは年齢を重ねたからか少々疲れるので、あまり聴く盤ではなく、次作も未所持だが、
ヘヴィ・ドゥームファンはコレはバイブルとして携帯しておかなければならない。


WITHOUT GOD - Circus of Freaks ★★★ (2020-06-13 02:24:23)

ロシア産スラッジドゥーム2014年作
注文してウチに盤が届いた時には、ペラペラの1枚モノジャケがホッチキス止めされた簡素な紙袋にCDが入っており、あまりのチープさに
ショックを受けたが、音楽性が相当素晴らしかったので許せた。ストーナー要素を含む超ヘヴィなドープスモーカー向けスラッジだが
とりあえずそういう作品は米産に多いと思うんだが、ロシア産でこの作風は結構珍しいと感じる上、レベルが相当高いサウンドだ。
まあジャケ絵のチープさがなかなか愛らしい。赤と紫を基調とした色彩だが、遊園地の遊具が遠くに見える場所で、宗教的装束を着た
ゴブリン的なバケモノが描かれるジャケで、逆さ十字の旗を掲げているバケモノを1匹コッソリと描いているところが微妙にウケる。
ファズかけまくりの掻き毟るようなギターと、ワウを多用したトリップ感、ミドルテンポで聴かせるスタイル、ヘヴィで味のあるドラムが魅力的だ。
極端な例えかもしれないが、Electric Wizard、Sleepあたりの音楽性のロシアヴァージョンだと思えばいい。


WOCCON - Solace in Decay ★★★ (2020-06-04 14:47:05)

米産ブラック寄りデスドゥーム2014年作
霧が立ち込める山岳と湖が美しい情景をバックに、バンドロゴマークの鳥が描かれ、バンドロゴの「N」にも鳥が描かれるジャケ。
基本、動物、特に鳥が描かれるジャケにボクは弱い。鳥ジャケ作品は結構多く所持しているが、この作品も当時即ジャケ買いした。
ジャケ買いは結構ハイリスクでハズレを引くこともあるが、コレは結構作り込んでいるクオリティの高い作品だ。
この作品ゲットの後に、処女作あたりもチェックしたが、ルーツはどうやらデスメタル寄りライトドゥームサウンドのようだ。そういうワケで
サビの部分はポストブラック的な演奏が結構多く入るが、全体的な楽曲構成としては、ワリと起承転結ある真面目なデスドゥームサウンド、
むしろゴシックメタル調の作風で、スッと入ってきやすいキャッチーなメロディが多く、ドラマチックに盛り上げる曲が多いのが好感触だ。
バンド名はアメリカ先住民族から取っているんだろう。曲のタイトルからも、先住民族の土地をテーマにしたストーリー性を感じることができる。
予備知識ナシでゲットしたワリには結構当たりを引いた感じだ。次作が出るのか活動しているのかよく判らないが、結構期待しているバンドだ。


WOE UNTO ME - A Step Into the Waters of Forgetfulness ★★★ (2020-08-24 01:27:39)

ベラルーシ産シンフォニックドゥーム2014年作
クオリティの高いサウンドのワリに、あまり手に取ることなく長くコンテナ収納行きになっていた盤。
スーツ姿の男が首を吊るためにロープを手にしているところが鏡に映っている、というジャケ。描く世界が暗い。
しかし、特筆できる個性が多い。シンフォニックなシンセやオルガンが前面に出ていることと、アコギを多く盛り込んでいること。
ギターの歪みが適度で相当心地良く、シンセとレイヤーすることで最適な重低音を作り出していることなど、長所が非常に多い。
空間系エフェクトも完璧。更に、テルミンを使用しているかのような(実際使っているかは不明)音空間も登場。
アンビエントな音空間の作り込みが半端なく、細部まで行き届いた空気感が素晴らしい。
濃厚なデスヴォイスがメインのヴォーカルだが、声楽的な女声・男声によるコーラスワークが結構多く登場する。
そういうサウンドが緻密に作り込まれているので、真性な人生残念フューネラルドゥーム寄りの濃厚ドゥームでありながら、クラシカルな
上品さと、メランコリックさを併せ持つ。ちょっと他ではあまり聴いたことがない特殊な音楽性を秘めている。
音響的な完成度が高く、コード理論を学んでいるのかなと思わせるほど、単純なコード進行が殆ど無く、楽曲構成が相当奥深い。
超スロードゥームで上級者向けであることは間違いないが、濃さ、完成度の高さから超オススメ作品だ。
ただ、ボクはこの作品にハマるまでに結構時間を要した。根暗な首つり自殺ジャケを敬遠していたからね。


WORSHIP - Terranean Wake ★★★ (2020-06-04 13:58:39)

ドイツ産フューネラルドゥーム2012年作
オリジナルメンバーはフランス人のMad Maxとドイツ人の Daniel Pharosでスタート。
しかし、躁鬱病を患っていたMad Maxははカナダ滞在中に橋から投身自殺、その後Last Tape Before Doomsday(1999年)が世に出る。
遺族が音源回収に乗り出す等の話題も耳にしたが、この音源は、いずれLPとCDでも発売され、我が家にはLast CD Before Doomsdayがある。
Mad Maxが残した音源を相方のDaniel Pharosが引き継いでDooom(2007年作)を発表、フルレングスアルバムで聴ける音源はこの2枚と
Daniel Pharosが作り上げたこの盤だけじゃないかなと思う。
そもそもセールスは全く眼中に無かったようだが、たぶんフューネラルドゥームマニアにとっては抜けて格上の存在で知名度は高いはず。
メンバーの死というバンドの遍歴が偶然にも世界観を高めているのは確かだが、そういう話題を抜きにしてもこのサウンドのクオリティは相当高い。
多くのフューネラルドゥームバンドの中でも頭一つ抜けている質の高さは、話題性よりも、単にDaniel Pharosの作曲・表現力の高さにある。
超スローな曲調の中、無機質な世界観である筈なのに、歪んだギターは様々な表情を見せ、狂おしく、時に激しく、時に静寂との対比が美しい。
ボクはこの盤はコンテナ行きにはならず、常に取り出せる位置に常備しているが、意外に聴く頻度は少ない。というのも
あまりに濃い内容で集中力を削がれることが判っているので、CDをプレイヤーにセットするまでにかなりのパワーを失ってしまう。
それだけ濃厚な内容なので、未聴のフューネラルドゥーマーには自信を持ってオススメできるが、相当疲れる作品という覚悟はいるよ。


WRAITH OF THE ROPES - Ada ★★ (2020-07-29 20:06:05)

米国産ホラーメタル2005年作
当時ドゥーム作品を買い漁っていたFiredoomMusicレーベルからリリースのアナウンスがあったワリに、紆余曲折があったのか
TotalRustというイスラエルのレーベルから発売された作品。関わっているレーベルがドゥーム専門だったからか、宣伝文句やレビューでは
フューネラルドゥーム作品として扱われているところが多かったが、演奏している当人らはフューネラルドゥームではなく
ホラーメタルであると言っていた。確かに音楽性は純粋なフューネラルドゥームではなく、スローで陰湿な暗さが支配するサウンド
ではあるものの、ギターは殆ど前面に出ることなく、インダストリアルな音楽性が前面に出た根暗サウンドだ。
ポルノゴア等のエロ路線は基本買わないんだが、この盤はドゥーム志向の強いサウンドでは珍しく、18禁少女監禁モノだ。
廃墟を全裸の少女が彷徨っているモノトーンジャケ、血を感じさせる赤を基調としたバンドロゴのコントラストが鬼畜だ。
ジャケ裏には、ぬいぐるみを持った少女が監禁され横たわっているし、ロープで手首を拘束されている少女などもいる。
CD背表紙あたりにはNever-Ending Painなどと書かれており、非常に嫌悪感を伴う暴虐性が前面に出たコンセプトだ。
当時は結構酷評されていた。というのも、ドゥームメタルとして聴くと物足りない。そもそも彼らはフューネラルドゥームをやっていると
思っていないのだから、そういう視点で評価するとダメだ。ホラーアンビエント作品を聴く耳で堪能すれば、なかなか味わい深い。
こういう異端バンドが活動を続けると、突如スゴイ作品を創ったりするんだが、それ以降デジタル作品を残したほか、音沙汰が無いので
たぶん活動していないんだろうと思う。在籍メンバーは当時Toture Wheelというドゥームバンドでも活動しており、こちらは
ボクは結構な回数聴いたワリと好きな盤だったが、Wraith of the Ropesの方は、悪趣味過ぎて敬遠しがちだったね。


WRAITH OF THE ROPES - Ada - Death Bed ★★★ (2020-07-29 20:26:26)

少女監禁サウンドが支配する楽曲群の中でも、特に鬼畜なタイトルが印象的だ。
英語のニュアンスは正確には理解できないが、「この地獄から逃れられない」的な問いかけ調の歌詞が
暴虐的な歪んだデスヴォイスで語られ、高音域のピアノの旋律と、鈍重なノイズで鬼畜な世界が描かれる。
非常に嫌悪感を伴うものの、男性の誰しもが持っている独占欲を刺激するテーマを表現したこのサウンドは
一聴の価値はある。


WYTCH HAZEL - II: Sojourn ★★★ (2020-07-04 02:40:10)

英国産ヴィンテージロック2018年作
玄人臭漂わせる古き良き英国ロックを現代に蘇らせたかのようなサウンドに聴き惚れる。ヴィンテージロック路線では神盤だ。
言いたい事は↑で失恋船長さんがほぼ書いている(このバンドに書き込みがあるとは流石)ので参考にされたし。
こういう路線のサウンドでは、Pagan AlterとWitchcraftを含めた3バンドがマイフェイバリットバンドなので
そのうちのひとつでもツボなら、必ずや心に響くサウンドだろう。特にボクにとってはPagan Alterとこのバンドは双璧といった感じ。
10年に満たない活動歴でありながら、かたや80年代から長く活動するPagan Alterと肩を並べる位の深みある味わいを備えるからスゴイ。
民族衣装っぽい装束を着たメンバー写真、ベージュを基調としたジャケ&インナーアート、文字のフォントデザインなども味わい深い。
懐古主義的な魅力が前面に出ていることは間違いないが、なんと言っても全曲ホントカッコいいんだよ。作曲能力がホント高い。
3度のコードを弾いた時の響きに、ヴォーカルとコーラスがハモる感じが、あーWytch Hazelはコレだよ、と思わせる個性で大きな魅力だ。


WYTCH HAZEL - III: Pentecost ★★ (2021-08-16 02:24:42)

英国産ヴィンテージロック2020年作
ツインリードのハモりとコーラスがオンリーワンな個性を放ち、必要最小限のエフェクトでヴィンテージ感溢れるサウンドを聴かせる。
この作品は発売日まで調べて即ゲットしたが、意外とボクの心に響かなかった。というのも、前作「II: SOJOURN」(2018年)の音楽性から
ほぼ変化を感じない作風で、とりあえず前作以上の魅力を感じなかった。愛聴した回数が多い分、前作の方が断然ボクのツボである。
ゲットして暫く経つが、やはり前作のインパクトが大きかったせいか、この盤を頻繁に聴くというところまでいかない。
決して悪くないんだけど、前作路線の作品をもう1枚作ってみました、という感じで、残念感のある作品になったという印象だ。
好きなバンドだけに、次作は心に響く作品を作ってほしい。


WYTCH HAZEL - IV: Sacrament ★★★ (2023-11-22 18:42:59)

英国産ヴィンテージロック2023年作
II: Sojourn(2018年)にハマって、ナンバリングⅢはあまりに酷似した音楽性のためあまり聴かなかったが
完成度は非常に高いバンド。今にして思えばⅢも最初の敷居をクリアすればハマってたんだろうなとは思う。
3年ぶりの本作は、大きく音楽性に変化はなく、オーソドックスで抜群の安定感を誇るサウンドを聴かせてくれる。
とはいえ唯一無二の音で、初っ端から線の細い重厚なギターが登場し、一発でWytch Hazelの音世界に魅了される。
こういうレトロロック路線はドゥーム路線ほど多くは漁っていないが、ボクにとっては5本の指に入るバンドではある。
他レトロバンドとの違いは、レトロ感を感じさせながらも録音は決してローファイ録音ではなく完璧であるということ。
全ての楽器が最適な残響音でクリアに聴こえてくる。ドラムのエフェクトが若干気にはなるが全くもって許容範囲内。
ロックサウンドの鍵盤楽器はチープになりがちなバンドが多い中、このバンドの鍵盤担当はメロトロンの使い手だけあって
音へのコダワリは感じることはできる。ただ、もっと鍵盤を前面に出すサウンドにすればいいのに、と感じるところもある。
海外レビューは結構多く書かれているようで、後半の楽曲の弱さを指摘する記事は散見されたが、こういうサウンドは
BGMとしてライトに楽しめればボクとしては問題ないので、後半の楽曲云々は全く気にならないね。
今年は濃いドゥーム路線が微妙だが、このバンドやTanithの新作などがリリースされてレトロロック路線は充実してる気がする。
近年はこのテのレトロ路線がジワジワと増殖しつつあって、このバンドあたりが牽引していくんだろうと思わせるものの
Wytch Hazelは既に成熟した感があって、このままの路線だと飽きられそう、という危機感を感じるところも僅かにあるかな。


XASTHUR - Nightmares at Dawn ★★★ (2020-05-27 00:18:43)

米産ブラックメタル2012年作
XasthurはボクはThe Funeral Of Being(2003年作)以降を愛聴している。初期作品は禍々しいファストブラックだが
その音楽性は作品ごとにスピードダウンし、独自の不協和音のハーモニーで聴かせるサウンドに変貌していく。
一度Xasthur名義での活動を終了し、フォーク主体のNocturnal Poisoningに鞍替え、その後再びXasthurを名乗るという
経歴を持っているが、フォークサウンドは決してXasthurファンが期待しているサウンドではなく、Nocturnal Poisoning以降は
1枚もゲットせず静観している。最初に活動を終了するまでの中期の作品がこの人の絶頂期だったなぁ、とボクは思っている。
この盤は活動終了前5年間(2004~2009年)の未発表音源、過去3作品の再レコーディング曲などを含めたベスト盤。
過去作品はそれぞれ素晴らしい味わいがあるが、結局ボクはこの寄せ集め作品を一番多く聴いているような気がする。
この人が創造する作品は、ブラックメタルでありながら魔性は全く無くアンチクリスチャン的な宗教テーマもない。
病的な不協和音で不安感を煽り、鬱々と絶望感を芽生えさせ、死をイメージさせるような根暗な残念人生的な世界観だ。
ギターとシンセがレイヤーする時の微妙なズレなどを活用した不穏な響きや、シャリシャリのギターが腐食しているかのような感触が独特。
スピードや音圧よりも、気持ち悪い響き重視の作風であり、また、ヴォーカルが音像の中に霞みがかって消えそうなところも独特な味わいだ。
この作品にはBlack SabbathのA National Acrobat(Sabbath Bloody Sabbathに収録)のカヴァーも収録されているが
Xasthurの死をイメージさせる世界観にバッチリとハマる選曲だ。


XENTRIX - Bury the Pain ★★ (2020-04-23 22:29:49)

80年代後半スラッシュメタル全盛期頃、欧州産でありながらベイエリアスラッシュ的なバンドが多く出てきたが
そんなバンドの1つがXentrix。このバンドは英国出身。
当時のメタル誌でも殆ど見かけた記憶がなく、知名度は相当低かったはず。
Thrash The Wall (1990年作)という欧州スラッシュメタルバンドのオムニバス盤があるのですが
(HelloweenやRunningWildあたりがこの盤に収録されているのが少々笑えるが)
当時の欧州産スラッシュメタルシーンを感じることのできる好盤でXentrixの曲が収録されている。
このオムニバス盤は当時周囲のバンドマンの間でも結構話題になったし、ここから辿っていったスラッシャーはいたんじゃないかと思う。
このバンドも脱スラッシュの風潮の煽りを食らったのか、初期のベイエリアスラッシュ的な魅力が薄れていった感がある。
3rdは好盤ではあるものの、もはや脱スラッシュの結果、こうなりました的な楽曲群で、従来の魅力が半減という印象は否めない。
このバンドの特色としては、ツインギターで聴かせる硬派な楽曲群、初期作品ほどベイエリアスラッシュ色が強く結構カッコいい音なんですが
微妙なバンドロゴやあまりカッコよくないジャケから、真面目な音楽性に反してB級イメージがつきまとい・・・
ボクにとっては、スラッシュ全盛期に陰ながら存在したB級スラッシャーの名を拝するA級に限りなく近いバンド、だった。
そんなXentrixが23年ぶりの新作というので、果たしてどんなサウンドなのかかなり期待したワケですが
まず、ヴォーカルが太くなって全体的な印象が変わっている。アレ?というのが最初の感想。どうやらヴォーカルはチェンジしているようだ。
そこは引っかかるところだったが、ツインギターで聴かせるタイプのベイエリアスラッシュ色のスラッシュメタルを真面目にやっており
Xentrixはこうあるべき、という音楽性に納得。そして、ジャケがかなりダサいのがいい。
墓場まで持っていきたいほどの名盤・・とまではいかないが、当時の欧州産スラッシュの香りが蘇る好盤だ。


YES - Fragile - Heart of the Sunrise ★★★ (2020-07-21 23:23:44)

Yesは高校時代にCDレンタルでカセットテープに録音して持っていたがそんなには聴かなかった。
本格的に聴いたのは大学入学当時に知り合った友人のススメで聴かされ、結構ハマった。
で、最もツボにハマった曲がコレだ。起伏に富んだドラマチックな楽曲に魅了された。
当時は世に携帯電話が普及し始めた頃で、現在では考えられないが、PFM音源が内蔵された携帯電話があり
着メロを自作することができた。ボクは着メロ作りに没頭した時期があり、ファミコンサウンドや洋楽を
忠実に再現して作ることに生き甲斐を感じていたことがある。しかし、洋楽の再現はギターの質感を再現
することが非常に困難で、結構試行錯誤したが、当時作成した洋楽着メロで最も完成度が高かったのが
この曲だ。初っ端の疾走感あるリフから、変則ブレイクが入る箇所までを着メロで再現。
無機質に刻まれるリフと、シメの変則ブレイクのリフの音の質感は、電子音で再現しやすかった。
道すがら着信があった時に、ふと自分の方を振り返る人がいると、Yesファンだなこの人、ということがわかる。
非常に思い出深い曲だ。


YOMI - Genpei ★★ (2020-07-18 20:15:09)

ラトビア産フォークデスメタル2016年作
柔道着にハカマ、三味線と尺八を取り入れた和風デスメタルの2nd。タイトルGenpeiは「源平」だ。
Land of the Rising Sun(2019年作)に比べ、デスメタル度は高いが、それでもポンコツB級以下のデスメタルで
B級愛を持っていないと聴くに堪えがたいレベルの展開下手サウンドではある。ただ、それを打ち消すほどの
日本への愛を感じるサウンドだ。和風デスメタルとしては、オーストラリアのTzun Tzuと共にコレクションしておきたい。
盤には「驕れる者も久しからず」と日本語で書かれている。1曲目の「The First Battle of Uji」からラストの
「Dan No Ura」まで、徹底的に日本の歴史にコダワった作風からは、この人の日本マニアっぷりが垣間見える。
3rdよりも尺八の導入は少なく、デスメタルサウンドをバックに三味線を掻き鳴らすスタイルはインパクトは大きい。
また、このサウンドの特徴としては、英語の歌詞が8割、訛った日本語の歌詞が2割くらいで、この中途半端な日本語が
B級愛を芽生えさせる大きな要素になっている。
次作で若干メタル度が下がりつつも、この路線で進化していってほしい。日本ネタのみでも面白いサウンドだが
そろそろ根本的なメタルサウンドでも聴かせる工夫が欲しい。


YOMI - Genpei - All is Void ★★★ (2020-07-18 20:19:14)

デスメタルサウンドをバックに、般若心経を読経するという絶大なインパクトを誇る曲だ。
やや訛りながらもきちんと読経しているが、読経の後ろで手数の多いドラムが叩きまくっているところに
妙なB級愛を感じてしまう。


YOMI - Land of the Rising Sun ★★★ (2020-05-24 19:33:39)

ラトビア産和風デス・フォークメタル2018年作
辺境メタルで近年最もインパクトのあった、愛情を注ぎたくなるポンコツかつイカレポンチなB級作品はコレだ!
真っ赤な夕日の前に鳥居が描かれ、左上にはキチンと「黄泉」と漢字でバンド名を書いているジャケの存在感がスゴイ。
三味線と尺八を操るデスヴォイスヴォーカルのいで立ちは、柔道着にハカマ。ベースのジャンルはデスメタルなんだろうが
やたら和にコダワリがあり、バッキングは陰旋法のコード進行を駆使し、三味線を掻き鳴らし、アヤシげな尺八がコダマする。
いかんせん、三味線や尺八が目立ちすぎ、ヴォーカルも自己主張が強すぎて、ドラムやギターが全く目立たず、
最初は単なる和風デスメタルじゃん・・とやや退屈な楽曲に飽きてくるんですが、4曲目あたりから過剰な日本かぶれっぷりに
圧倒され、悶絶必至のネタ曲を披露してくれる。
コレは3作目で、処女作「Age of the Gods」は、もはや探しても見つからない。手に入らなくなるうちに2ndをゲットしようと
今日、勢いで注文してしまった。少なくとも辺境デスメタルフェチはコレクションしておきたい逸品だ。


YOMI - Land of the Rising Sun - Katsu! ★★★ (2020-05-24 19:49:42)

ヴォーカルの人は結構日本語を勉強してるんだろう。尺八が鳴り響く中、北条時宗の時代劇と思われる寸劇のセリフを
何を言っているのかわかりづらい訛った日本語で演じたのち、「かーーーーつ!(喝)」というシャウトが入ったかと思うと
その世界観とは全くかけ離れた疾走感溢れるデスメタルサウンドに突入する。
曲中でも、武士のセリフと思われる聴きとりづらい日本語が挿入され、一生懸命聴きとろうとするも
その疾走感のため、ワケが判らないまま、置いてけぼりにされるという時代劇風デスメタルに悶絶する。
また、人を小バカにしているように聴こえる尺八が終始鳴り響き、曲が終わる頃には、妙な倦怠感とB級愛が芽生えるのだ!


YOMI - Land of the Rising Sun - Sakura ★★★ (2020-05-24 20:05:23)

さーくーらー さーくーらー のーやーまーもーさーとーもー みーわーたーすーかーぎーりー
かーすーみーかーくーもーかー あーさーひーにーにーおーうー
さーくーらー さーくーらー はーなーざーかーりー 
さーくーらー さーくーらー やーよーいーのーそーらーはー みーわーたーすーかーぎーりー
かーすーみーかーくーもーかー にーおーいーぞーいーずーるー
いーざーやー いーざーやー みーにーゆーかーんーーー(深ーいグロウル)
と、割と本格的なデスメタル演奏をバックに、桜桜の歌詞を全てデスヴォイスで歌い上げる狂気の曲。
他の曲では大したことない演奏なのに、ドラムの手数が多く、全力で桜桜を演奏しているので
相当体力を奪われる。しかし、またそこにB級愛が芽生えるのだ!
           


平井大 - Life is Beautiful ★★★ (2020-09-15 22:24:20)

国産ポップス2016年作
Jason Mrazが好きすぎてI'm Yoursをカヴァーまでしてしまった、Jason Mrazフォロアー男性シンガーの作品。
フォーキーでカントリー調の曲や、トロピカルな感じなど、作風や曲展開もまるでJason Mrazそっくり。
また、この人の歌い方が、もはやJason Mrazのモノマネとも言えるほどそっくりで、ホント好きなんだろうなと感じる。
日本語のぶん、カラオケではJason Mrazの曲よりは歌いやすい。


友川かずき - 友川かずき ゴールデン☆ベスト ★★★ (2020-09-14 22:05:27)

国産アングラフォーク2004年作
ボクはフォーク世代よりも後に生まれたが、一時期アングラフォークを買い漁っていた時期がある。
根暗で不気味さすら漂うアングラフォークではイチオシの友川かずきのベスト盤で、選曲もかなりいい。
生きることの哲学を歌い、魂の込め方が半端ナイ。訛りのある、激しさを前面に出した歌唱方法は凄まじいエネルギーを感じる。
このスタイルは見ようによってはイモ臭くダサい。しかし、田舎臭さを包み隠さず前面に出し。ありのままに表現する潔さがカッコいい。
この時期のアングラフォーク路線では最も好きなアーティストだ。