1985年にアルバムを一枚残し消えたジャーマンメタルバンドが2008年にCult Metal Classics Recordsからデモ音源を追加して復刻された一品。古き良きメタルサウンドを真っ当に引き継いだ音楽性は、先人たちの影響の影響も大。パープル、レインボーといったリッチーフリークも欧州的な発想そのもの、途中にクラシックからの引用やヨーデルも飛び出し、手を変え品を変え工夫を凝らしている。 全体的に輪郭の甘い音質とミックスの為に、その凄みは伝わらないがライブでは強烈な音を聞かせてくれそうだ。レコーディング直前にヴォーカルのステファン・ニーブリングが脱退、その穴埋めにミック・ウェガを連れてきて急場をしのいだと言われる今作。確かに歌い切れていない感はあるが、それ以前に実力が伴っていないという話もあるが、このバンドが短命に終わったのは、そういった事情もあるのかぁ、なんて思いを馳せながら楽しんでいます。