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Consequence of Time

米産ヴィンテージドゥーム2020年作
昔から70年代ヴィンテージドゥームロックを意識し、結構渋味あるオールドファン向けの古典ロックを追求している感のある彼ら。
ツインギターヴォーカルというスタイルで、一方はメインヴォーカルでたまにハモるという感じなんだが、昔はそのヴォーカル部分が
若干弱いな、と感じていた。また、結構作品をコンスタントにリリースしているが、ヴィンテージ臭ある古典的な作風の魅力に反して
ギターの音自体は、盤ごとに試行錯誤が見えた。Painted Windows Black(2012年作)あたりではヘヴィなギターが若干煩わしさを
感じさせて、勿体ないなあと思っていた。ただ、自身のバンド名をタイトルにした次作Pale Divine(2018年作)でギターが若干改善。
とはいえ、ボクとしてはもう一押し欲しいと思わせる盤だった。曲も演奏も完璧なんだが、無駄に凄みを効かせる不自然さが邪魔に思えた。
楽曲が素晴らしい上、ヴィンテージドゥームらしい渋味を常に宿しているので、どの盤でも安定のクオリティだが、ハマって聴き続けた
作品というのもあまりなかった。トップクラスの味わいを持つ反面、どこかひとつ難点があり、かつ、年配向け化石ロックのイメージが強すぎる。
そういうイメージも手伝って、マイフェイバリットバンドとまではいかなかったバンドだが、この新作を聴いた瞬間に、不満に感じていた
難点が全て払拭された。コレは今まで培ってきた持ち味を最大限に発揮した、音響的な難点を全て克服した、非の打ち所の無い完璧なサウンドだ。
歪みを抑えたことで、ここにきてギターの音が完成された感がある。70年代的ヴィンテージ臭と迫力あるイーヴルな感じが、これ以上ナイ最適な状態だ。
また、ヴォーカルは無駄な凄みが消えて、最大の持ち味であるロングトーンやハモリ、そして独特のビブラートが相当カッコ良くなっている。
今までヴォーカルの弱さに若干の不満を感じていたが、今作も決して音程がうまく取れているとは言えないにしても、泥臭く、渋味を醸し出しており
大きな魅力に転換しているところが素晴らしい。ホントたまーに登場する高音域が、70年代的空間エフェクトにベストマッチして刺激的だ。、
また、単にPentagramやTroubleあたりのヴィンテージドゥーム的な空気があるだけではなく、作り込まれたハイレベルの楽曲とギターテクニックがスゴイ。
インナーのメンバー写真で、ギターのDana OrttがBlood FarmersのTシャツを着ているが、Blood Farmersほどの生臭さは無いにしても音楽性は非常に近い。
ヴィンテージドゥーム路線で、このバンドがボクの中での順位付けが一気に上がった。この路線が好きなリスナーは、初っ端1曲目を一聴しただけで
きっと、その凄みを思い知ると思う。

kamiko! ★★★ (2020-08-22 22:21:59)


Thunder Perfect Mind

ペンシルベニア州が生んだ正調ドゥームバンドによる1st。ドゥームサウンド特有の濃密に絡みあう灼熱のヘヴィグルーブ、そこざらついた荒っぽい歌声が乗り、沁み込んだブルース臭が何とも言えな味付けを施し、グイグイと迫るギタープレイも理想的ともいえる仕様。とにかく音数で勝負するのではないシンプルさ、演出を必要最小限に抑えつつも、演者が個性をぶつけ絡み合う事で弾き出されるエネルギー、その佇まいは実に地に足の着いたものだ。
これぞロックと言える武骨な粗さと、重々しいサウンドの隙間を駆け抜ける殺伐とした荒涼感、売れる事とは別のベクトルは放つ姿勢に、リアルロックファンなら大いにシンパシーを感じるでしょう。
70年代ロックから洗礼を浴びた若者たちが紡ぐ混沌としたロックサウンドの凄み、彼らが奏でる重心低く迫る激渋ヘヴィグルーブに肩までつかり、深く沈み込んでいきます。

失恋船長 ★★★ (2020-07-02 18:31:51)