LOVEBITESのデビューは、個人的にはLOUDNESSがデビューした時以来の衝撃だった。 オッサンのノスタルジアを込めて言えば、LOUDNESSとVOW WOWの良いとこ取りというか…。誤解を恐れずに言えば、曲の完成度は80年代のラウドネスを超えている。余談だが、Don't Bite The Dustのタイトルとラストのシャウトに浜田麻里のDon't Change Your Mindを感じたがったり、バンドロゴや醸し出す雰囲気、Battle In The EastのタイトルにLOUDNESSを感じたりしたがるのはおっさんの悪いクセですね。はい。
harunaとmihoが在籍したDESTROSE時代の曲だというのでとりあえずアルバム1枚聴いてみたが、延長線上にLOVEBITESがあるとはとても思えないクォリティで驚いた。miyakoのDROP OF JOKERやmidoriの(これだけはYoutube確認)アイドルっぽいバンドもそうだが、何故ここまで変化できたのか本当に不思議。良く聴けば個々のメンバーはその環境の中で光るプレイをしていたのだが、よくぞ見つけ出してきたものだと思う。とはいえここまでのものに仕上がるとは誰も思っていなかったのではないか。作曲・編曲に関しては外部ライターのmaoと天才miyakoの能力ということは分かるが、maoが他のバンドに書いた曲を聴くとLOVEBITES各人の自己パートアレンジ力の高さは明白。ケミストリーという言葉を安易に使いたくはないが、まざまざと見せつけられている思いがする。
シンプルなリフがカッコ良いストレートナンバー。 頭から聴いて来ると、②で圧倒された後、ん?このヴォーカル結構凄いかも…と気付き始める。midoriのソロはイングヴェイを意識したらしいが、完全にThunder In The East期の高崎。続くmiyakoのソロとの色合いの対比も彼女達らしい。一転して完全ハモリのアウトロも良い。
耳を疑った衝撃の1stから7か月余りで届けられた4曲入りミニアルバム。 発売と時を同じくして、Metal Hammer Best New Band受賞、Wacken Open Air出演、Bloodstock出演、X-Ray Touring & Nuclea Blast契約、国内各種フェス出演、初の欧州ツアー…と、怒涛の快進撃が始まる。
日本の至宝の2nd。出来過ぎの1st、歴史的傑作3rdに挟まれ、後の印象は地味なものになるかもしれない。前作が、1stの世界観をそのまま引き継ぎスケールアップしたようなミニアルバムBattle Against Damnationであっただけに、その印象は尚更。音を分離重視でカラッとしたものにして音像を広げてきたのも、線が細く感じられる一因かと思う。ただ、恐らく一般のリスナーには1stよりこちらの音の方が聴きやすいはず。
当時のLOVEBITESは、1stから半年少しでミニアルバムリリース、更にMetal Hammer Best New Band受賞、Wacken Open Air出演、Bloodstock出演、X-Ray Touring & Nuclea Blast契約、国内各種フェス出演、初の欧州ツアー…と、書いているだけでも疲れて来る快進撃中。そんな中、前作から半年で曲のダブリなしのフルアルバムリリースは、相当なハードワークであったであろうことが偲ばれる。ファンの期待もMaxであったために、リリース直後は厳しい意見も聞こえて来た。
付属のDVDは、この時点でベストパフォーマンスだといわれたO-EASTの公演を丸々収めたもの。 未だ持ち曲16曲の時の全曲公演で、MCほぼなしで終始緊張感を保ち続けるというのも凄いが、CDを軽々超えて来るasamiの力には度肝を抜かれた。特に⑧inspire ⑪Liar ⑮Edge Of The Worldは圧巻。ライブバンドLOVEBITESの実力を思い知らされる。 カメラワークに多少の難はあるが、音も良いし、このDVDを手にするためだけに買っても後悔しないパフォーマンスだった。
それにしてもLOVEBITESは本当に曲が良い。 作曲のベースにギターだけでなく(キーボードではなく)ピアノがあるということが本作ではより鮮明になってきたように思う。 捨て曲がない…ではなく、全曲キラーチューン。この感じは1stに近いが、全体的にレベルアップしながらバリエーションも豊かになった。②⑥⑨⑫は何度聴いても鳥肌が立つ。①はシングルのオーケストラVer.もなかなか良い。また、本作の曲は非常にライブ映えもする。コロナ渦の中、このアルバムのツアーをギリギリ作品として残すことが出来たのは幸いだった。ライブ作品『FIVE OF A KIND』も本作同様、超ド級の作品である。「SWAN SONG」1曲だけでも十二分に価値がある。
LOVEBITESらしさの詰まった曲。比較的ハードロック寄り。 ギター+ベースにギターが重なり、最期にドラムが入って来るという流れのイントロが面白い。特にドラムの入りがおしゃれでカッコ良い。前作のWe The United同様、全編ツインで弾き切るソロは、シンクロでボスハンドやスイープも繰り出され圧巻。
Live作品としてBattle in the East(18年)、Daughters of the Dawn(19年)、Invitation to the Theater(19年)、Five of a Kind(20年)と立て続けにリリースしているLOVEBITES。通して聴いて感じるのは、恐ろしい程の成長ぶりである。特にasami嬢のパフォーマーとしての成長は著しい。フロントマンとして会場を掌握する姿にはオーラが漂うようになった。
コロナ渦の中、傑作「ELECTRIC PENTAGRAM」を携えたツアーを、映像(&音源)作品として残すことが出来た事自体奇跡的なのだが、その内容もまた超ド級。特にHoly War , Swan Song , Edge Of The Worldの3曲は物凄い。 映像ありの方が勿論楽しめるが、CDだけでも十分に凄味は伝わる。それもまた女性バンドとして前代未聞だと思う。
ラストのasamiのシャウトは、浜田麻里のDon't Change Your Mindのラストシャウトと同ピッチ。タイトルも似た感じ…なのは全く気のせいだと思いますが(笑)、バンド名の文字面、ロゴの雰囲気、後の「Battle In The East」というタイトル等にLOUDNESSを感じるのも気のせい?こちら側の願望で見えるだけ?
重い様式美溢れるメタルと極端にポップな曲が同居する、M.S.G.版Down To Earth(Rainbow)という感じ。グラハムの活かし方として、リッチーとマイケルが(もしくはPが)同じ判断を下したのが面白い。 グラハムは流石のパワー。マイケルのアルバムの中で、ヴォーカルがギターと対等に戦えているのはこのアルバムだけ。マイケルのギターには、ディオタイプのこねる暑さよりも、グラハムのストレートに突き抜ける熱いタイプの方がより対比が利いてマッチする。思えばディオのフォロワーの多さに比べてグラハムフォロワーって余りいないね。
このアルバムの成立は良く知られているが、本当に一瞬の偶然、隙間みたいなもの。 ゲイリー・ムーア・バンドの空中分解で流れて来たコージー・パウエルは、ゲイリー・バーデンの実力不足を不満に思い、デヴィカヴァを引き入れようとするも失敗。そこで、Rainbow時代の親友グラハムを引き入れることに成功するも、今度は自分がデヴィカヴァに引き抜かれることに。理由はイアン・ペイスがゲイリー・ムーア・バンドに行っちゃったから。何このPulple Rainbow Gary MSG近親相姦的ドロドロぶり。 人誘っておいてレコーディング前に何で抜ける!?と、厄介なギタリストの面倒を押し付けられたグラハムはこの時点でほとんどやる気なし。何とかレコーディングは終えたものの、お披露目ギグで(わざと?)下半身を晒して逃亡。そのままクビに…と、もう何が何やら(笑) まあ、ポップスの歌メロしか作れないグラハムと、歌メロ他人任せのマイケルが続く訳もなかったのだが。それでも、数年前に中野サンプラザでお披露目ギグ以来の和解競演を観ることが出来た時には、何故か涙が流れましたが(笑)
このアルバムを語る時に必ず言われるMix違いですが、個人的にはどっちもOKです。US版が悪いとも思いません。最初に聴いた印象の強さでもありますが、Rock My Nights Away(名曲!)は、イントロがないと寂しいですし、Captain Nemo(名曲!)はフェードアウトしちゃダメでしょ。オリジナルの太くて生々しいMixも確かに良いので、2度楽しめると考えればお得なアルバムです。
名作1stを全体的に一回り大きくした2nd。 Rock in America , Rumours in the Air , Sister Christian , When You Close Your Eyesと並べば、ちょっとしたベスト盤みたいなものですね。Rock in Americaの陰に隠れているものの、Why Does Love Have To Changeもなかなかの名曲。
でも個人的によりインパクトがあったのは、ブラッドの方だった。 前作のDon't Tell Me You Love Meで不思議なビブラートを披露した(後にクリケットビブラートと呼ばれる、フローティングさせたフロイドローズのアームをはじいて出すビブラート)ブラッドだったが、今作ではボディを殴る事で細かいビブラートを出すに至っていた。機材写真でおかしな所に打痕がたくさん付いていたのはこれだったのか!と、妙に感心した思い出がある。
ランディ亡き後どうなるかと思っていた所に、歴史に残る名リフBark At The Moonで全てが吹き飛んだ。Centre of Eternityも名曲。 ランディ時代に比べ、確かに当時流行り始めたLAメタル寄りではあるが、根底に流れるイギリスの湿り気は他のLAメタルとは一線を画す。コンポーザーである歴代ギタリストが皆アメリカ人なのに不思議ではある。で、オジーもまたきちんとミュージシャンで、世界観を音にすることの出来る人なのだ、という当たり前のことに気付いて少々驚くのだ。(何かオジーって周囲がみんな決めてくれている所で歌っているだけ…みたいなイメージありません? 笑)
1stのランディの音は、VanHalenの1st以上に、長らく自分の中で理想のオーバードライブサウンドだった。あの湿り気は、こちらも名作と言われるDiary of a Madmanでは失われてしまった。あの頃は「今っぽくて新しい音になったなー」と喜んでいたけれど、今聴くとやはりランディに付きまとう哀しみには1stの音が似合う。
フィル・ライノット、ゲイリー・ムーアの魂、アイルランドの蜂起の歴史を綴ったアルバム。 フィルのドラッグ問題から、ゲイリーはこのアルバムをもって脱退。後に和解し、2人は名作「Out in The fields」を発表。直後にヘロインによりフィルが死去。翌年、ゲイリーは「BLACK ROSE」に呼応するかの様な同テーマのアルバム「Wild Frontier」を発表することになる…と、どうしても一連のドラマをもって聞きたくなる。
あれから40年。この神業が、初心者ギタリストの練習曲になる時代になるとは誰も想像していなかっただろう。実はこの曲、後半のライトハンドよりも前半の方がはるかに難しい。今となってはライトハンド(タッピング)の練習としてERUPTIONのフレーズは最もベーシックなものだし、ピックでギターを弾けない初心者がいきなりこっちから練習しても意外とすぐにイケてしまうものだったりするのだ。 JET TO JETの有名な高速3連フレーズ。イングヴェイのピッキングをコピーするのはとんでもなく大変だが、同じフレーズをタッピングで弾くのは超簡単。ライブでやろうものなら、初来日時のスティーブ・ヴァイの様に、ごまかし呼ばわりされてしまう。開放を絡めないERUPTIONの3連フレーズは、今ではチョーキングと並ぶような基本技術の一つに過ぎないのだ。