前作BOUND TO BREAKは大傑作だった訳だが、個人的にはこのアルバムからの短い期間:森川+洋也期が最も好み。 3rdで大進化したとはいえ、やはり英三と森川では(特にこの当時は)圧倒的な差があった。リリース時「英三と声がそっくり」「あまり変わらなくてよかった」とかいう意見もあったが、何聴いてるの???と思ったものだ。
当時17、8歳の少年たちが作っていたかと思うと凄い。 デビューアルバム収録のこの曲で彼らの魅力は既に完成している。ダンス要素の加わったAMARANTHEといった感じ?この曲の若々しさも捨てがたいが、ここには上がっていないアルバム「New Sunrise」の「Return to Zero」のMVもかなりクる。
ジェット・レコードの影響はその後も続いた。G-Forceの後、コージー・パウエルに誘いを受けていたもののジェットの横やりが入り頓挫。結局コージーはM.S.G.へ。ジェットとの契約をクリアするために仕方なく作った「Live at the Marquee」「Dirty Fingers」の完成度を見ても、この時期のゲイリーはロック・ギタリストとしてピークにあっただけに、活動の足を引っ張られたのは残念この上ない。しかも「Live~~」「Dirty~」共に83年まで放りっぱなしだったのだから酷い話だ。(因みにLive at the Marqueeは羽生結弦で有名になった伝説のライブテイク)
自分の中での生涯ベスト10の1曲。 先行シングルで手に入れて、それこそリアルに擦り切れる程聴いた。 虫の知らせだったのか、亡くなる直前のフィル・ライノットとの和解の末に生まれたという経緯も、運命的なものを感じてしまう。そのゲイリーもまた今はいない。 「パリの散歩道」「Out in The Fields」。2人の化学反応はロック史に残る。
速すぎて笑うレベル。 リフからして、次作Stand In Lineのただでさえ速い疾走ナンバーGoodnight and Goodbyeの早回しヴァージョンなんだからもう。ロブの声がまたスピード感を足していて…と感じていたら、更に上を行くソロのやけくその速さに噴き出す。イングヴェイ・クローンみたいな扱い受けていたけど、全く似てないけどね。当時のあちらは「弾きたいフレーズがたまたま速かった」こちらは「速く弾きたくて結果こうなった」。フレーズも全く違うし、スイープ対フルピッキングとアプローチも真逆だし、(デビュー当時は特に)クリスはアスリートだよね。音楽的には歪で、決して良いとは言えないかもしれないけれど、熱くなるってことでこれはこれで大アリ。 後に多少大人になるとはいえ、クリスが本来やりたいのはこの曲。この1曲にインペリテリの魅力が凝縮されている。これに比べたらデビューアルバムは大人しく、食い足りなく感じてしまう所。グラハムの発声では、このスピードについてこれないと思う。
アルバムの完成度は後のHurricane Eyes、Soldier of Fortuneの方が高いが、当時のインパクトからDISILLUSIONを代表作とすることには異議はない。スラッシュが生まれる前の時代に、既に足を踏み入れていたESPERもあるし、世界的に見ても時代の最先端を走っていたと思う。捨て曲もあるけどね。後にファンが、高崎御大の「もしあのままDISILLUSIONの次を作っていたとしたら今回のコレ」という新譜発売前の御言葉に、「嘘つけ」と思いながらも何十年も騙され続けることになる罪なアルバムでもある。