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The Whisper of the Last Winter

ロシア産ペイガンメタル2020年作
タイトルはロシア表記でШёпот Последней Зимыだ。
黒地に民族衣装を着た人々や民族楽器・植物をあしらった白いデザインのジャケ、バンド名のロゴは木の枝が生え、鳥が2羽羽ばたいている。
普通の紙ジャケに比べて光沢のある上質な紙を使用しているので、このデザインが黒地に映えて光るルーンの紋章のような感じに見えてグッド。
鳥ジャケフェチ&森メタルフェチとしては、このジャケで無条件で買い。このテのジャケのCDもかなりの数集まってきた。
今回ロシアで買い物した際、このバンドと、もうひとつとても素敵な鳥ジャケのCDをゲットしている。大自然を感じるメタルっていいよね。
さて、このバンドは初めてゲットしたんですが、2018年から既に2作品リリースし、コレが3作目のようだ。
5人のメンバーのうち、1人は女性。民族楽器を演奏しているようだが、胡弓のように3本弦を弓で弾くタイプのあまり見たことがない形の楽器だ。
ギターのようにストラップをつけている。たぶんダルシマーじゃないかなとは思うんだが、普通よく見るダルシマーとちょっと形が違う。
ややブラックメタル寄りのシャリシャリザラザラ感のあるナマ音に近いギターとタイトなリズム隊が耳に馴染みやすい感じでブラストは殆どない。
ワリと正統派HM的な楽曲で構成され、それにダルシマーが結構大きな存在感で鳴り響く。スラブのペイガン特有の雰囲気が濃厚に漂う。
ヴォーカルスタイルは、ブラックメタル的だがやや吐き捨て型だ。吐き出す声に含ませる空気量が物凄く適度で、結構イイ感じだ。
楽曲は創意工夫が随所に見られかなりカッコいい。それだけでも聴き応えがあるが、ダルシマーが入った途端にペイガニズムの浪漫が前面に出て
ロシアで森林浴をしているかのような雰囲気に包まれるのだ。適度なアグレッションでしっかり曲を聴かせるところが好感触だ。
ただ、首つりロープ映像から始まるこの盤のPVのセンスは若干根暗だ。メンバーの入れ墨などの感じや、ブラッディに見せるダーティな感じは
かなりヴァイキング寄りの容姿ではある。まあ、それはそれで良し。
際立って真性さのある作品という感じではないが、とても安定感があり、ライトに聴けるカッコいいペイガンメタルだ。オススメ!

kamiko! ★★★ (2020-08-30 23:26:46)