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But a Walking Shadow

フィンランド産ダークメタル2019年作
ジャンルはドゥームでも良かったんだが、ダークメタルの方が何となくシックリくる。遅いテンポであっても鈍重という感じではない。
定番モノクロジャケだが、表は積み石が敷き詰められた山岳、裏面は鬱蒼とした森林、中身は雫が滴る針葉樹アップ、曇り空という
自然崇拝ジャケとしては100点満点の浪漫を感じさせるクオリティだ。そういう情景を思い浮かべながら堪能するサウンドだ。
しかし、Grey、Forbidden、Breathe、Empty、Nothingnessという曲タイトルが示すように、内省的な、無気力、鬱、絶望という要素が色濃い。
雨のサウンドスケープから始まり、ラストも2分程度の雨のサウンドスケープでフェードアウトする。曲中は自然の空気を感じさせるシンセが
幾重にも挿入される。ギターの質感は森林崇拝ブラックの浅めの歪みのザラザラ感に近い。ヴォーカルスタイルもどちらかというとブラック的な響きだ。
そういう音で、ミドルテンポ主体のドゥームに近い感触のドラマチックな楽曲をやっている。ヘヴィさや凄みで暗さを表現しているのではなく
メランコリックな旋律、物静かな雰囲気、美しいシンセ(特にコーラス・ヴォイス系シンセ)で表現しているところが素晴らしい。
フィンランド産特有のカルト臭を期待して買ったワリに、そういう要素は全く無く、自然崇拝・孤独感と美しさが前面に出ているサウンドだった。
ブラックやドゥームとは肌色がちょっと違う淡々としたダークメタルで自然崇拝モノ鬱系という、今までありそうで、意外と無かったスタイルがツボだ。
最近ゲットしたCDの中で、何故か高値(他のCDの倍くらい)だったが、この作品を鑑賞して何となく納得できた。超オススメだ。

kamiko! ★★★ (2020-08-31 23:49:49)