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Carnal Confessions

ドイツ産ドゥームメタル2019年作
ここ数日マイカーではこのサウンド一色だ。あまり期待せずにおまけ的にゲットしたワリに猛烈にハマってしまった。
楽曲に劇的な変化や展開を求めるリスナーお断りの、せっかちな人も絶対お断りの、終始ミドルテンポで淡々としているドゥームメタルだ。
黒とベージュのツートンカラーで描かれた、宗教的イラストに仄かに魔性を加えているインナーとジャケ裏のイラストのセンスは素晴らしい。
基本ロングトーンの適度な音圧のイーヴルなギター、Solitude Aeturnusぽいクリーンヴォイスのヴォーカルとコーラスの絶妙なハーモニーが
このサウンドの大きな魅力だ。最適な残響音がこのハーモニーを引き立てる。じっくりと聴かせてゆっくりと展開していく様がクール。
聴き始めた当初は、単に展開下手スキルを発動しているのか、と退屈に感じたが、コレが繰り返し聴いていると、控えめな曲展開こそが
このサウンドの大きな魅力だと気付かされ、この淡々とした僅かに魔性を帯びた静かなるメタルに、魅せられ虜になっているのだ。
ギターやヴォーカルの魅力を邪魔しない手数少な目のドラムがとても良い仕事をしている。必要最小限ながらツボをつくドラミングだ。
この盤は真性なスロードゥームではないメタル寄りの音楽性でありながら、あまり起伏に富んだ作品ではないので、一聴しただけでは
退屈に感じ、その魅力には辿り着かないかも知れない。繰り返し愛聴してみよう。すると、落ち着いた雰囲気と魔性が病みつきになる筈だ。

kamiko! ★★★ (2020-09-23 02:14:59)