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Último Exhalario

チリ産ゴシックドゥーム2016年作
この寒い時期、今年ゲットした極寒サウンドのうち、最も気に入って愛聴しているのがコレ。
南米チリ産という辺境メタル作品とは思えないほど冷たく、凍てついた大地にある浪漫を表現した作品としてレベルが高い。
雪が積もる山々と鹿が暗めのトーンで描かれるジャケ、裏面は大地に1頭の鹿のシルエットが。まずジャケが満点だ。
このジャケが描く世界観・寒冷地の情緒、そこに生きる動物との共生を感じることができる独創的で美しいサウンドに魅了される。
作り込まれたアトモスフェアなシンセと繊細なフォーク調のギター、深めの残響音が、大自然と氷点下の空気を醸し出している。
演奏スタイルは歪んだギターによるバッキングが心地よいドゥームだが、ゴシック風にも聴こえるのは、女声ヴォーカルの耽美な声のためだろう。
一番の魅力はその女声ヴォーカルによるヘヴンリーヴォイスと、森林に潜む獣たちと呼応しているかのような独特な歌い回しだ。
とりあえずこのサウンドは非のうちどころがないボクのツボど真ん中だが、40分にも満たない内容に若干物足りなさを感じるところが残念。
もっとこの世界に長く浸っていたいと思わせる。他にCDR作品などもあるようだが、フルレングスアルバムは恐らくコレ1枚きり。
自然崇拝メタラーかつ辺境メタルマニアは必ずゲットすべき神盤作品だ。雪の降る日にマイカーで暖房をつけずに聴きたい作品だが、一応暖房はつけているよ。

kamiko! ★★★ (2020-12-21 02:10:32)