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AGGRESSION (1988年)
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AGGRESSION
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解説 - AGGRESSION
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1. 失恋船長 ★★★ (2021-10-11 04:12:41)

知る人ぞ知るシアトル出身のクロスオーバー系メタルバンドが1988年にリリースしたフルアルバム。シアトルと言う地がなせる技なのか、メインストリーム寄りでもアングラ系とも一線を画す独自のスタイルを披露。スラッシュンロールなんて言いたくなるノリの良いグルーブを従え心地よく駆け抜けている。
シンガーは大げさなくらいシアトリカルな歌い回しで応戦、その野蛮で卑下た節回しは時には官能的に絡み独特の喉を披露。そしてデス系にも負けない血生臭いバイオレントな歌唱スタイルも披露しており、実に多彩な声色を使い分ける。アクセル・ローズよりも個性的であろう。
クロスオーバー系スラッシュと言っても、このバンド実に面白い下地なのである。古典的なロックやパンクを踏襲しつつヘヴィメタル系のレシピを用いり調理、そのマナーに対する礼儀の正しさは、ぶっ壊している部分と守る部分が混沌なり一つの方向性に放たれることでカオスな世界観を演出。毒気の強い歌詞と相まって、やばい音を鳴らし理性の奥深くに潜り込んでくる。
このバンド、実に先を行っていたと思う。メンバーショット見たときに驚いた、所謂プードルヘアーでもカットTシャツでもパッツンパツンのスパッツも吐いていない、勿論、トゲトゲのレザーでも、肩パット入った世紀末覇者仕様でもない、普通のラフな格好をして映っている。しかも傷んだロン毛でもない、短髪で当時のメタル系のイメージを完全に覆している。タータンチェックのシャツを着ていたりと、後のシアトリカル系の先を行っているだろう。そう思うとラップ風の曲が飛び出してきても驚かない。正に彼等はシアトル勢の先陣を切るようなバラエティ豊かなラウドロックを展開したことになる。しかも1988年にアルバムまでリリースしてきた。その実績と野心に驚く。
今作が当時のシーンにどのような影響を与えたかは知る由もないのだが、今もって先を行くバンドだなぁと思う。何系と上手く説明できない音楽性、近寄りがたい路地裏系だが危険を犯しても覗き見たい世界観を持ち合わせていた。
ラストのSHEはKISSのカヴァーですよ。
それにしても後のシアトルスタイルの元祖的な魅力がありますね。重さと言うよりはドライなキレ味で勝負、軽めなのはスラッシュ由来と言うよりはハードコアパンクスの匂いが強いからでしょう。



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