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Tales from the Sun (火薬バカ一代)


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Tales from the Sun

FRONTIERS RECRODSの隆盛により、00年代に入ってからはメロハー・バンドの一大産地に成長を遂げたイタリア(それとも元々メロハーが盛り上がっていたタイミングでFRONTIERS RECRODSが設立されたのか?どっちだろ)から新たに登場した4人組、ZANETAが'16年に発表した1stアルバム。
SHRAPNEL RECORDSからソロ・デビューも飾っているというテクニカル・ギタリスト、ファブリツィオ・レオをメンバーに擁していることでもマニアから注目を集めた彼らですが、本作で実践しているのはSHRAPNELメタル路線ではなく、あくまでメロディを最優先するAOR/産業ロック・サウンド。ファブリツィオも随所でセンスの良さを感じさせるフレーズを閃かせつつ、決して目立ち過ぎることなく「歌」を引き立てる立場に自らを置き続けています。(そこに物足りなさを感じる向きもありましょうが)
Voに関しては、時折線の細さを頼りなく感じる場面もあれど、そこはキャッチーなメロディ・センスでしっかりとカバー。特に解放感を持つサビメロが秀逸なOPナンバー①を手始めに、先行シングルとして披露された③、抒情的なピアノ・アレンジにグッとくる⑥や、ヴァイオリンをフィーチュアしてポップに躍動する⑦、仄かに土の香りを漂わすヴァースから爽やかなコーラスへの転調が効果的な⑪といった楽曲からは、新人バンドとは思えぬ安定感すら感じられますよ。(実際メンバーは結構キャリアのある人たちだったりするのですが…)
輸入盤市場で好セールスを記録した結果、国内盤リリースが実現したのも納得のクオリティを誇る1枚。所属レーベルの店終いで早々に廃盤となってしまったことが惜しまれますね。

火薬バカ一代 ★★★ (2022-04-26 00:11:37)