カナダのベテラン・スラッシャー、RAZORが、大阪開催のTRUE THRASH FESTに参戦した際の模様を収めた、(意外にも)彼らにとって初めてとなる実況録音盤。 『大阪最高』の邦題に相応しく、ボブ・レイド(Vo)による威勢の良い挨拶「マイドー!」でライブはスタートを切ります。セットリストの中心を担うのは、デイヴ・カルロ(G)の鬼神の如きシュレッド・リフに全身が総毛立つ“INSTANT DEATH”を始めとする、人気作『EVIL INVADERS』収録曲。全18曲、ランニング・タイムは60分オーバーという大ボリュームゆえ、キャリア云十年のベテランなら途中で「ミッド・テンポの楽曲で緩急を演出しよう」とか色々考えそうなものですが、RAZORはそういう仕掛けには一切興味がないご様子。MOTORHEADリスペクトな“IRON HAMMER”、攻撃的且つキャッチーな“SPEED MERCHANTS”、激烈たる“NOWHERE FAST”~“CROSS ME FOOL”メドレー、刻んで刻んで刻みまくる“TAKE THIS TORCH”etc…。畳み掛ける楽曲は最初から最後まで、一瞬たりとも立ち止まることなく全力疾走。ブレーキ無用の前のめりな突進を繰り返す楽曲とメンバーのパフォーマンスを更に加速させる、浪速スラッシャーの隙あらば「RAZOR!」コールを繰り返す盛り上がりも熱い(日本じゃないみたい)。煽り煽られ、短い掛け合いを経て雪崩れ込む名曲“EVIL INVADERS”はまさにクライマックス。 デビュー当時から全くブレることなく「スラッシュ馬鹿一代」な姿勢を貫徹し、HR/HMシーンの裏街道を駆け抜けて来たRAZORの、フルマラソンを100メートル走感覚で突っ走ってしまうような破れかぶれなパワーに圧倒される1枚です。痛快。