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White Lines

英国のVirgin Recordsからもリリースされた4枚目。こうなると音楽的な方向性も見えてきますよね。繊細なギーボードを生かしたメロディック路線へと変更、リズムプレイに象徴されるように柔和なスタイルへと大きく傾いた、コンパクトな楽曲も増え方向性をギュッと絞った。唄モノ路線になったが、ざらつきのある男臭いハスキー系の歌声は変らず、少々似合わない場面もあったりするのだが、キーボードを前に出しつつもロックな歯応えを感じさせる場面もあり、その硬軟のバランスに気を配っている。一般的な感覚で言えば、この路線の方が北欧的に写るだろうが、やはりメジャーでの成功という認識で捉える方が正解だろう。
バンドの本文となるのはヘヴィメタル、しかしそれでは飯が食えない葛藤、その折衷案が具体的に示された今作は、色んな意味でメジャーシーンに売って出る難しさを感じるのだが、1985年という時代、フィンランドのメタルシーンはどのような活況を示していたのか知らないので興味がある。こういうバンドへの対応や人気、そらにはメタル大国フィンランドの下支えとなり今なの中枢にいるのか等、知りたいもんですね。

今の感覚で聴けば少々キーボードも鬱陶しいし、ギターも線が細い、実に懐かしいミックスだが、今の若い人には逆に新鮮に聞こえるかも知れません。多様性を孕んだ北欧メタルの初期型バンドによる意欲作。軟弱になったでは切り捨てられない魅力がある。
果敢に挑んだメジャーフィールド、外部ソングライターの助力も借り見事に化けたと言いたいですね。根底にあるのがメタルだから魅力なんです。

失恋船長 ★★★ (2022-10-22 13:57:22)


Headline

前作の反省点もあったのか露骨なDP路線とは決別、よりソリッドでストレートなハードサウンドへと転換。その為に、キーボードの活躍は減退したが、男臭いケパ・サルミリンヌの歌声もフィットしており、哀愁のメロディが映える④など硬軟のバランスを取る楽曲も流れの中で違和感なく溶け込んでいる。
北欧と言えば、EUROPEみたいな解釈をされる為に、どうしてもこの手のガッツ溢れるスタイルは敬遠されるのだが、EUROPEの成功はアメリカンナイズドの賜物であり、本質とはチョイと違うんだという認識の上で初期型の北欧メタルと向き合えるマニアには、この路線はほっとけないでしょうね。
ニヒリズムな⑤ではオルガンも裏で鳴りギターチームと絡んでいる。折り重なるアンサンブルの旨味、3枚目のアルバムで方向性が固まったとは言えないが、そこらに原石となるアイデアが散りばめられており、どの方向に進むのか興味も持たれますね。
⑥では再び哀メロ路線へと舵を切りオープニングとは感触の違いを明確に見せている、この守備範囲の広さと散漫と捉えるかで評価も分かれるだろうが、好みや気分に合わせチョイスすれば良いので個人的に不満はありませんね。
哀愁のメロディの弱い身としては、このバランス感覚に見逃せない。味のある繊細なギターや鍵盤プレイは堪能したいですよ。
それに⑦みたいなDP路線は、このバンドのファンに取っては待ち遠しいと思うのではないでしょうか?結局聴きすすめると最初の印象が薄れるのも印象的でしたね。バンドとして命運を分ける勝負の3枚目、圧勝とは言わないがTKOに持ち込んだでしょう。

失恋船長 ★★★ (2022-10-22 13:34:44)


Blank Verse

フィンランドのメタルシーンを語る上では外すことの出来ない老舗バンドの2枚目。前作の評判を聞きつけイアン・ギランが快くプロデュースを担当、その効果はオープニングナンバーから見事の炸裂、まるでDPである。リッチー風のぎたーからオルガンとクラシックをロックへの邂逅、1stよりもDP風味を増量したのは賛否を分けるだろう、パロディと揶揄されない面はあるのだが、イアン・ギランのお仕事と言うことで好意的に受け止めて欲しい。
NWOBHMからの薫陶も受けた北欧マインドに満ち足りた古典スタイルは、垢抜けていない面はあれど、磨けば光るポテンシャルの高さを有しています。なぜ、このグループが今もって日本で取り上げられないのか不思議ですが?やはり批評家の目に止まるかが鍵なのでしょうね。BISCAYAがあんなに大騒ぎされるならば、このバンドだった負けていませんよ。むしろ出オチの向こうに対して、こちらはアルバム単位で勝負できる味があります。
DPのみならず、キーボードのいる編成はヒープからの影響も有しており、英国ロックが下地にあるのは明白でしょうね。そこに甘めのメロディが絡むことで北欧スタイルへと昇華するのだからお国柄は重要ですね。
今作の問題点、それは直近にアルバムをリリースしている為に、このアルバムようの楽曲がどれだけあったかが鍵を握っていた。玉不足を補填できるほどのキャリアはなかっただけに手持ち無沙汰感は大きいのだが、コンパクトな楽曲により乗りきった感が強い。
ギランプロデュースが早すぎたのかも知れませんが歴史に栄誉を刻んだのは間違いありませんね。
DPファミリーとしても注目でしょうが、初期型北欧スタイルに興味のあるマニアにはそそられる内容でしょう。

失恋船長 ★★★ (2022-10-21 17:42:40)