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SOLDIERS ON THE MOON
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1. 火薬バカ一代 ★★★ (2023-03-07 00:57:10)

ボズ・スキャッグスの名曲“JOJO”を手掛けたこと等でも知られるミシガン州出身のシンガー/ソングライター、デヴィッド・ラズリーが、日本のPACIFIC COAST HIGHWAY RECORDSと契約を交わして’89年に発表した、ソロ名義では3作目となるアルバム。この文章を書くにあたって「そういえば最近はどんな仕事してるんだろう」と思ってちょっと調べてみたら、何と'21年に病気で急逝されていたと知ってビックリでしたよ…。R.I.P.
先日感想を書いたティム・フィーアンの『CARMELITA』と同じく、本作はCOOL SOUNDからCDが再発されていますが、比較的ロック色が強かったあちらに比べると、こっちはロック色絶無。その大半を、自作曲のセルフ・リメイク及びジャズ/ブルーズ/ポップスのスタンダード・ナンバーのカヴァーが占める本編からは、昭和ドラマのバーやラウンジでの密談/密会シーンで流れていても違和感のないアダルトでジャジーな雰囲気が濃厚に漂ってきます。
音圧による誤魔化しがきかないアコースティックな仕上がりな分、デヴィッドの歌の上手さがより一層際立っていて、取り分けストリングスをフィーチュアしてメロウに迫る①、美しいピアノ・バラード③、エモーションの籠った歌い回しにウットリさせられる⑤、ランディ・ニューマンのカヴァー⑪といった楽曲は、時に女性と聴き紛う彼のソウルフルなハイトーンVoが絶品に映える名曲ではないかと。これだけのクオリティの代物が、リハーサルなし、レコーディング期間僅か3日という、NWOBHM作品ばりの突貫スケジュールで制作されたとは俄かに信じ難いものがありますね。歌ウマ男にも程があるだろうと。
まかり間違ってもHR/HMコーナーに置かれることはないでしょうけど、例えばグレン・ヒューズのソロ作辺りが楽しめる方であれば、是非チェックして頂きたい1枚であります。



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