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1. kamiko! ★★★ (2023-07-18 21:17:23)

プエルトリコ産プログレッシヴメタル2022年作
日本への空輸可能なショップが減り、興味あってもスルーすることが多くなった今日この頃。そもそもメタル作品を買う頻度が減ってしまった。
もはや、正統派路線で、どうしてもCDで手元に持っておきたいバンドとして購入し続けているのは、この人たちだけかも。
掘り下げれば裾野が広いプログレメタルのひとつに過ぎない無名バンドなんでしょうが、相変わらずそのポテンシャルは高い。
サルサやレゲエの南国イメージが強い国の出身なのに、濃霧に覆われた湿り気たっぷりの冷たいメロハー要素を多分に含むAOR的雰囲気を持つ。
スペイン人が多いお国柄だからなのか・・タイフーンマリアで水浸しの被害に遭遇したからなのか・・この水分量高めの北欧情緒がツボ。
ドリームシアター的なテクニカルな曲構成は、従来作品同様に複雑さを持つものの、改良が加えられ若干耳に馴染みやすくなったという印象。
そもそもレビュー記事自体殆ど発見できないが、Skylighting(2020年)が圧巻のクオリティだっただけに、今作は若干世間評が下がっているように見える。
ボクとしては、初期作品はドリームシアターの焼き直し感が強かったが、アルバムを重ねるにつれて、そのサウンドはバンド固有の色となり
一聴しただけでAVANDRAの音楽という独自性を確立できていると感じている。そして、その音空間の虜になっているなあと思うのです。
ただ手放しに完成度が高いか、というと、その重厚なギターにディレイやリバーブが深めにかかり、ウィスパーヴォイスやシンセの電子音が絡むと
音像の輪郭が壊れやすいという難点があり、相変わらず初期から同様の問題を抱えているなぁ、と思ってしまう。ただ、その無理筋な残跫音こそが
このサウンドの魅力でもあるワケです。また、ピアノ音源とその旋律は、ボク自身がピアノ弾きだからどうしても安直でチープに聞こえてしまう。
そういったマイナス点を差し引いても、高い演奏技術に裏付けられた説得力のある楽曲群に圧倒される、充分な魅力を備えた作品だ。
今作は少年が銃を携えているジャケ、曲タイトルを見ても、戦争のテーマが根底にあるのは明らか。
世界中が混沌としている今、アメリカ合衆国の自治国でこのテの世界観の作品だと、何やら重いコンセプトが背景があるのではと勘ぐってしまう。
実際そうなのかどうかは知らないが、そう感じさせてしまう作品でもある。ボクとしては最近はそういう作品を避けて、ライトに楽しめる音楽を
チョイスしている。その点も若干マイナスかな。繰り返しになるけど、そんなマイナスを差し引いても必聴版なのだ。
・・・しかし、デジタル主流の時代なのか、辺境国のCD入手が日に日に難しくなっていると感じる。この盤はリリース後1年も経たないのに
約6000円と結構お高い買い物だった。その半分は空輸代なんだよね・・。なんとかならんのか。



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