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1.
失恋船長
★★★
(2023-08-26 14:03:05)
奇跡の再始動と喜ばれるも、ヴォーカルにロニー・ロメロを迎えての復活だった。胸毛ボーボーの暑苦しいロニーでは繊細なサウンドは期待できず、ある意味、お得意のブルージー路線もねじ込みつつの前作。おもてたんと違うが、それでも眠たくなるようなブルースおじさんとは違うアプローチだったのは素直に嬉しかった。
で、今作だがリリース前にヴォーカルがマッツ・レヴィンに変更、先行された曲でも既に聴いているので、今作の方向性は見えている。
オープニングナンバーではマッツが予想以上にカヴァデール風に歌うので驚いたが、今作はマッツのガッツ溢れるエモーショナルヴォイスを前に出したダークな欧州路線へと舵を切っている。
キーボードの使い方も変り前作とは方向性は違うが、繊細なヴァンデンバーグ節は今回も期待できず、往年のファンが待ち望んだものとはニュアンスは違うが、ギターソロにおける一瞬の煌めき、その閃光に魅了される場面はあり、インプロ中心という作りと計算されたパートの配合に、もう少しドラマを持ち込んでくれたならば、もっと往年の姿を見せつけることも出来ただけに残念な気分ではある。
このバンドは難しい、全盛期の頃からカラッとしたアメリカン路線をやるかと思えば、独創的なフレーズが耳を惹く自由奔放なギターが魅力だった。英米のバンドとは違うメロセンス、アコギとエレキを交えたドラマ、そしてテクニカルな、ワウを咬ませたマイケル・シェンカー風味も様になり、とにかくカッコイイギターヒーローだった。
もうそういう路線には戻らないのだろうが、彼の魅力は眠たいブルースじゃない。
その本質にもう一度目を向け、復活して欲しいですね。求められるのはホワイトスネイクかも知れないが、このバンドで残した数々の名曲は、今なお色あせる事無くファンの胸に刻まれているのでね。
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